プラム麗子のブラック恋愛道「BLACK MEN ONLY」vol.11

「教会に行って、結婚しよう」ドミニカの可愛いブラックガイに口説かれ続けて……

2013/08/04 21:00
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Photo by Reiko.Plum

 さて、今回もプロポーズ編の続きをお伝えしちゃいます。タイ、バリに続いて、今回はカリブに浮かぶドミニカ共和国での話なんだけど、ひとまずプロポーズ三部作として、いったん中締めしようかしら。でも、今回もとっておきのエピソードをお届けするから楽しんでいってくださいね。

 ドミニカへ行ったのは、もう4~5年前。出会ったのは、当時21~23歳ぐらいの可愛い男の子だったの。その頃、私は30歳過ぎたぐらいだったんだけど、とりあえず旅先では、いつも当たり障りのない27歳で通してるから、その子ともまあ適度な年の差ってことになってたわね。……彼の中では、だけど。

 ま、そんな細かい話は置いといて。ドミニカを転々と旅している中、ある街を散歩してた時に出会ったのがその男の子。その時は何の商売だったかわからなかったんだけど、とにかく何か仕事しているふうの集団がいて、彼らがすごく楽しそうにおしゃべりしてたから、「オラ~(スペイン語で“こんにちわ”)。写真撮ってもいい?」って声をかけたのが、きっかけだったわ。

 「どっから来たの?」「日本からよ」なんて、そんな会話を交わしているうちに、彼らのうちの1人から、いきなり「ねえ、デートしようよ」って言われたの。まあ、軽いラテンのノリなんだと思うんだけど、その子、とっても可愛かったし、「オッケー。じゃあ、あとで待ち合わせね」って感じで、彼の仕事が終わった夕方ぐらいからデートに行ったのよね。

 その街って、特にこれといった観光スポットもなかったんだけど、連れて行ってもらったのは見晴らしのいい高台で、そこはすごく景色がいい、いわゆるデートスポットだったみたい。なんか、男の人と純粋に夜景を見るって、やっぱり盛り上がるわよねぇ。「あ、なつかしい、この感じ」みたいな。その日は、「じゃあ、またね~」って感じでお別れして、翌日から私はまた別のいろんな街に遊びに行ってたんだけど、その彼と会った街は、高速バスが停まる拠点となる街だったから、その後もよく会うわけ。ま、私も気になって「彼、いるかなあ」みたいな感じで探してたりしたんだけど。その度に「おお、レイコ。会いたかったよ。デートしない?」って、たびたび楽しい時間を過ごしたわ。

 デートでは、彼の住むアパートだったり、彼の実家だったり、出産直後のお姉さん夫婦の家にもお邪魔したり。ただ、彼の実家もお姉さん夫婦の家も、いわゆるスラム街みたいなところにあって、日本でいう平屋が立ち並んでるんだけど、部屋の中はカーテンで仕切られてるから、プライバシーも何もないって感じなの。道も迷路のように入り組んで、彼と一緒じゃなかったら絶対に迷子になってたわね。私が通ると、やっぱり日本人は珍しいみたいで、子どもたちは私のストレートヘアを見て「キレイ、キレイ。梳かしてあげる」とか言って、とっても可愛かったのを覚えてる。あ、ついでに言うと、彼とデートしてるうちに、彼のご両親が離婚してることもわかった。だから、実家にお邪魔した時にパパとは会えたんだけど、ママはそこにはいなかったわ。

 でも、ある日のデートでのこと。彼が突然そのママに電話し始めて、なんだか恥ずかしそうに話してるわけ。「ボク、彼女ができたよ」って、まさしくそんな雰囲気なのよ。そして急に「電話、代わってみてくれない?」って、私に電話を差し出すじゃない。私、スペイン語ってよくわからないし、何を話したらいいかわからなかったんだけど、とりあえず「オ、オラ~……」って言ったら、ママは「息子をよろしくお願いします」みたいな感じなのよね。そして、その夜のこと……。

 彼ったら、その街の教会が建っている方を指差して「あそこに行って、結婚しよう」なんて、ロマンチックなことを言ってくれたの! ウフフフ。ストレートだけど、とってもいいプロポーズよねぇ。ただ、私はやっぱり「日本に戻らなきゃいけないから、ちょっと……」って躊躇しちゃって。でも、彼はあきらめなかったわ。「わかった。次に来た時は指輪を用意しておくから、今度来た時は結婚しよう」って言ってくれた。彼ったら、言葉の壁をフォローするように、薬指に指輪をはめるジェスチャーをしならがら、もう一生懸命に思いを伝えてくるのよ! 可愛かったわ~。

 でもね、やっぱり考えちゃった……。彼の仕事がのちに判明して、要は、ふかしたトウモロコシを屋台みたいな感じで売る仕事をしてたんだけど、このまま結婚しても、日本に帰ってこられるようなエアー代が稼げるかなあって。現実問題、そこはホントに考えちゃうわよね。彼自身は、お金にセコい素振りは一切ないし、地元のおいしいものをたくさんごちそうしてくれたり、ホントに気遣いのできる優しいボーイだったんだけど。

 それに、実際こっちがサバ読んでることも問題よね。結婚するとしても、「実は私、あなたと10歳ぐらい違うのよ」って、いつカミングアウトするのよ! パスポートの期限切れは賄賂を払って突破したこともあるけど、さすがに人生のパートナーにはウソはつけないわ。ちなみに、その賄賂も頑張って3,000円にまで値切ってもらったんだけどね。

 そんな感じで彼とは結局結婚できなかったんだけど、実はドミニカを飛び立つ2日前に彼と特別な関係に……! それはまた、プロポーズ編のオマケってことで、次回お届けします!

プラム麗子(ぷらむ・れいこ)
山形県出身、都内在住のカメラマン。年に数回、海外旅行に出掛けてはさまざまなブラックメンと親睦を深めている。アフリカ系からアジア系まで、褐色の肌であればより好みせずトライする、重度のブラックメンオンリー。

最終更新:2019/05/24 17:08
『世界ノ夜景』
サラッと賄賂って!
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