[ジャニーズツッコミ道場]

歌、演技、ダンスがダメゆえに輝くSexy Zone・佐藤勝利のアイドルらしさ

2013/05/25 11:45
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ボクのことバカにしてるんですカッ!

 今回ツッコませていただくのは、5月22日放送分『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)の「高校生スペシャル!」。

 「朝寝坊した女子高生が、ブラジャーを付け忘れて」なんておバカネタから、「顔を失った女子高生」などのシリアスな話題まで、全部ひっくるめて「高校生スペシャル」という爽やかそうな枠に押し込める番組センスは一体どうなっているのか。だが、それよりも驚いたのは、Sexy Zone・佐藤勝利だった。

 冒頭で、キリッとした顔+カメラ目線で、こんな挨拶をする。

「佐藤勝利です。えー16歳、高校2年生です。Sexy Zoneで、えー、センターにいます」

 え……。なんでそこで、そんなごく短い挨拶の中で「センターにいます」という言葉を言っちゃうの……? 事務所の先輩であり、番組MCのSMAP・中居正広が、何かしらフォローなりツッコミなりしてくれるのかと思いきや、中居は帽子のつばに手をやって俯いただけでスルー。

 また、VTR中の小窓に映る佐藤勝利の「無」の表情もまた、衝撃的だった。顔を失った女子高生の話でも、ブラジャーを付け忘れて登校した女子高生の話でも、まったく同じ「無」の顔なのだ。女子高生の着替えシーンでニヤけるわけにはいかないだろうけど、それにしても、「無」! キレイな顔のせいもあってか、微動だにしない姿は、もしかしたらキレイな人形か、気絶しているのではないかと思うほどだ。

 また、「好きな芸能人」に「明石家さんま」を挙げ、その理由をこう語る。

「トークの勉強をしたいと思って、ジャニーさんが『さんまちゃんは面白いよ』って言ってたので」

 「トークの勉強」なんて次元を軽く超えてしまうことを、臆することなく言えてしまう素直さ・大胆さ。さらに、計算なのか天然なのか、ご本人を前に、胸騒ぎのする微妙な音程で中居の歌のモノマネをしてしまうところにも大物感が漂っている。

 そういえば、昨年12月に『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の「ビストロSMAP」にSexy Zoneが登場した時も、「ジャニーさんに言われた印象的な一言は?」 という質問に対し、「ユーは特別カッコいいよ」 という言葉を挙げていたけれど……。

 本当に、なんというか、すごいピュア。日本人特有の謙遜も遠慮もなければ、テレもないのだ。かつての今井翼に似た濃いめの整った小顔のルックスを持つ一方で、ダンスがまだまだ発展途上なことや、あまり聞こえない囁きの歌声が、一部ネット上で「すかしっぺ」などと評されること、ドラマ『ハングリー!』(フジテレビ系)で放ったセリフ「父ちゃん、野菜泥棒がいるよー」が伝説的な棒読みだったりと、何かとネタにされがちな佐藤勝利。

 彼の魅力を「顔だけ」と揶揄する口の悪いファンだっている。でも、もともとジャニーズの大先輩・近藤真彦だって、今でこそ「パンダの人」みたいに若い人たちに思われているが、かつては本当に人気があって、「スター性」「オーラ」は別格だった。そして、歌も演技もダンスも、いまだにやっぱり上手だとは言い難い。

 そう思えば、本来、アイドルって、そういうものなのかもしれないし、歌やダンス、演技などの「技術」「努力」ではどうにもならない何かしらの「華」があるからこそ佐藤勝利はアイドルなのかもしれない。
(田幸和歌子)

最終更新:2013/11/28 21:07

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