今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

後藤祐樹が口にした、業界用語「チンコロ(告げ口)」から溢れ出すリアリティ

2013/05/10 21:00
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『懺悔~ゴマキの弟と呼ばれて~』
(ミリオン出版)

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎うわさを凌駕した男・ユウキ
 ゴマキの弟、元EE JUMPのユウキが壮絶な過去を自伝本で告白!

 小学生からアタマを金髪に染め、5年で放火、6年でバイク泥棒、中1で校長の顔面にパンチ。近所では仲間とカツアゲ競争。「自分も制服を着て制服の相手を狙えば、大人に見られても悪ふざけしてるようにしか見えない」「刃向うヤツにはナイフを見せると黙った。隠し場所は、職質にあっても調べられない靴の中。コンパクトな折り畳みタイプで」。出版インタビューでも、告げ口のことを「チンコロ」と言うなど、業界用語も満載で、そのリアリティたるや、ある意味ハウツー本の領域。参考になるわあ。何の。

 アイドル時代、女性マネジャーも殴ったつってるし。「世間の皆さんの多くは噂でしか僕を知らないので、本当の僕を知ってもらいたい」とこの本出したらしいが。うわさの方が本当の僕よりよっぽどマイルド。仮釈中にこんなの出して、ヘタすりゃ別件逮捕にならんのか。「自伝本」というよりは「自首本」という、新しいジャンルの誕生である。意気込みは買うが、本は買わん。その方が、たぶん更生に繋がる気がする。

◎6万円よりも深刻だった“被害”とは?
 「タレントになりませんか」と言い寄り、金をだまし取る。昔からある手口である。「東京は怖いとこだぁ、気ィ付けれぇ」と、田舎のお母さんが口を酸っぱくして言う類のアレ。しかし、田舎から出たてのおぼこ娘ならまだしも、一応タレントとして形になってる谷桃子が騙されるって、なんなんだろう。

 「業界にすごく詳しくて、思わず信用してしまって」、銀座の路上からずっと一緒に行動って、どんな会話してたんだ。犯人は大手事務所の人間を語ってたらしいが、てことは、ちょっと事務所移籍も考えないでもない状態だったってことか。「私がどんな番組に出てたとか、一緒に仕事した人のこととか、本当によく知ってて」って、だからどんな会話してたんだ。何で初対面のそんな人物に、バッグ預けて試着室入るんだ。

 追加情報が入れば入るほど、金品等の直接的被害よりも、いろんなベクトルでの脇の甘さ露呈という、谷桃子側の二次被害の方がデカい気が。バッグ現金等6万円の損害か。犯罪の泣き寝入りはよくないが、今回に限っては、6万では買い戻せないいろんなモノを失った気がする。泣き寝入りがベストだったのかもしれない。

◎どこまでも男の中の漢!
 「お嫁さんにしたい女優」「恋人にしたい女優」「妹にしたい女優」など、世の中にはいろんな「○○にしたい女優」が存在する。で「上司にしたい女優」だが。これ、天海祐希が出てくるまで、あんまり見たことなかった枠な気が。キレイだし、スタイルいいし、宝塚トップスター出身だし。そんなあまりある長所をひっさげながらも、「上司にしたい女優NO.1!」というカテゴリーでしか捌けない、ミス・ハンサムウーマン、天海祐希。心筋梗塞って、40代女性の発病率数%らしい。中高年男性の病気ってイメージ。どこまでも男の中の漢・天海祐希。ハンサムウーマンの「ハンサム」の部分、極めすぎちゃいないか。

 代役は宮沢りえかぁ。大丈夫かねぇ。大竹しのぶは押さえられなかったんだねぇ。何はともあれ、1日も早いご快癒をお祈りいたします。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

最終更新:2019/05/22 16:38
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