敵なしの強さ

午後11時15分から始まるテレ朝の独壇場、“ネオバラ枠”はゴールデンを超えた

2013/03/09 11:45
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『アメトーーク!』(テレビ朝日系)
公式サイトより

 テレビ朝日系列で月~木曜日の午後11時15分~午前0時15分に放送されている「ネオバラエティ枠」が、今年に入ってからも好調な数字を維持している。全日とも民放の裏番組にはほぼ毎週勝っており、ゴールデンのバラエティ番組や話題のドラマでも二桁台の視聴率を獲ることが難しい昨今のテレビ業界において、快進撃を続けている状況だ。

 現在、ゴールデンタイムに放送されているバラエティ番組の中では『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』『もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!』『ナニコレ珍百景』『いきなり!黄金伝説。』『知って見て得する情報バラエティ シルシルミシル』などネオバラ枠出身の番組が多く、ネオバラ枠で好調だった番組をゴールデンタイムに進出させるという流れが同局の定番となっている。

「ファミリー受けの良い『ナニコレ珍百景』のような番組をゴールデンで成功させる一方で、『雨上がり決死隊のトーク番組アメトーーク!』のように午後11時すぎの枠だからこそ面白いという番組は昇格させずに残している。その見極めのうまさがテレ朝好調の秘訣でしょう」(芸能ライター)

 現在のネオバラ枠は『ストライクTV』(月)、『白黒ジャッジバラエティ 中居正広の怪しい噂の集まる図書館』(火)、『マツコ&有吉の怒り新党』(水)、『アメトーーク!』(木)が放送中だ。 

 深夜放送を経て2006年10月にネオバラエティ枠で放送がスタートした『アメトーーク!』は、「雛壇芸人」「家電芸人」「中学の時イケてないグループに属していた芸人」などの“括りトーク”が人気を呼び、ネオバラ枠の面白さを視聴者に定着させた番組の1つといえるだろう。

 取り上げるテーマや出演者によって数字にバラつきはあるものの、今年に入ってからの1月・2月の通常放送の視聴率は、10~15%台(ビデオリサーチ調べ、 関東地区/以下同)と二桁をキープ。他局の民放番組が2~5%台の中、圧倒的な高視聴率を記録しており、小籔千豊が大活躍した2月14日放送の「カメラかじってる芸人」では、15.0%を獲得した。

 その一方で、『アメトーーク!』以外の3番組もすべて順調かといえば、数字を見る限りそうでもなさそうだ。月曜日の『ストライクTV』は、月~金の午前0時20分~放送されている『お願い!ランキング』の企画から派生した番組で、視聴率はほかのネオバラ枠の中でも一番低い7~10%台を推移。いまいち視聴率が伸びない理由には、裏番組に当たる『ヌメロン』(フジテレビ系)が6%前後と健闘していること、また午後11時58分から始まる、マツコ・デラックス出演の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)も一桁台後半を記録していることも要因と考えられる。

 火曜日の『中居正広の怪しい噂の集まる図書館』は、スタート当初は都市伝説やうわさを集めて、それが白(ホント)か黒(ウソ)かを検証する企画を行っていたが、昨年秋頃からは著名人の字のうまさをペン習字のプロ・中塚翠涛が判定する「怪しい美文字大辞典」がメイン企画となっている。今年1月からの視聴率は9~12%台で、同時間帯の民放トップだ。

 『怒り新党』は、視聴者から寄せられた日々の怒りに対し、マツコ・デラックス&有吉弘行が、それぞれ独自の見解を述べるトークバラエティ。元日本テレビアナウンサー・夏目三久が日テレ退社後初のレギュラー番組出演したことも視聴者の関心を集め、午前1時21分の枠からネオバラ枠に進出。直近の数字は11~14%台で、2月13日の放送では、同日の午後7~9時に放送されていた『くりぃむクイズ ミラクル9』スペシャルの13.8%より高い、14.5%という驚きの高視聴率をマークしていた。

「近年、特にフジテレビは、ゴールデン枠だとしてもスタートからほんの3~5回の視聴率で番組の存続を判断する傾向にあります。しかし堅実なテレ朝は、そういった編成はあまりせず、不調ならばテコ入れや企画見直しから、番組の成長を見守るパターンが大半です。『もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!』や『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』は昇格後に内容をゴールデン向けにテコ入れした結果、新たなファンをつかむことに成功。今やテレ朝の看板番組になったという例もあります」(同)

 昨年の年間視聴率でプライムタイム(午後7~11時)が平均視聴率1位、ゴールデンタイムと全日でも2位と、好調なテレ朝に大きく貢献しているネオバラ枠。多くのテレビファンを楽しませてきたこの枠から新たなスター番組が誕生するのか、今後の編成にも注目していきたい。

最終更新:2013/03/09 11:45
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