小姑みたいなことしてゴメンね~

『アイアンシェフ』大爆死! フジテレビ、V字回復をかけた10月改編の結果は?

2012/11/25 08:00
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『アイアンシェフ』(フジテレビ系)
公式サイトより

 昨年、年間視聴率三冠王の座を、8年ぶりに日本テレビに奪われてしまったフジテレビ。今年度上半期(4月~9月)のプライムタイム(夜7時から11時)は、テレビ朝日にも抜かれて3位にまで転落しており、昨年話題となった高岡蒼佑の「韓流傾倒批判」なども重なって、同局に対する風当たりは強くなる一方。今年6月には大規模な人事異動が行われ、局全体を通して大幅な立て直しを図っている最中だ。

 同局では、10月の改編で、ゴールデンタイムに3つの新番組がスタートし、月曜~金曜の夜11時のバラエティを刷新。同時間帯を「COOL TV」と称し、若者向けのバラエティ番組5本を放送開始した。番組放送終了後、YouTubeで番組関連動画を配信するなど、これ以上フジテレビ離れが進まないよう躍起になっているようだ。

 常務取締役の大多亮氏は、10月下旬の定例会見で、同局のV字回復は「簡単ではない」としながらも、回復へ向けた第一段階が10月の改編であることを話している。では実際に、新番組の視聴率はどれだけ稼げているのだろうか。

 新番組の中でも衝撃的なスタートを切った番組といえば、これまで深夜枠で試験的に放送され、この秋、満を持してゴールデンに昇格した『世界は言葉でできている』。初回6.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と“大爆死”したことは既報の通りだが、やはり番組内容や出演者などが「深夜向き」と判断する視聴者が多いのか、11月7日の第2回は4.7%と、民放のゴールデン番組とは思えない結果に。その間には、プロ野球日本シリーズやスペシャル番組の放送があったため、番組自体がまだ視聴者に浸透していない可能性もあるが、今後の伸び率に期待ができる番組ではなさそうだ。

 また、2010年5月から2011年3月まで、夜11時台で放送された『潜入!リアルスコープ』は、ゴールデン進出から1年半を迎えている。今年4月に『リアルスコープZ』にタイトルを変更し、柳原可奈子とSexy Zoneがレギュラーに加入したが、この秋には『超潜入!リアルスコープハイパー』と再改題する迷走ぶり。土曜午後7時台という、家族そろって見るには好都合の番組だが、改題後も視聴率は7~11%の間を行き来するばかりで、以前とさほど変わりがなく、パッとしていない。

 そしてゴールデン枠で最も特筆すべきは、93年10月から99年9月まで放送された『料理の鉄人』のリメーク版がスタートしたことだろう。1995年には夜11時台の放送でありながら、20%近い平均視聴率を稼いだ伝説の料理番組で、主宰を務めた鹿賀丈史の「私の記憶が確かならば……」という言い回しが流行した。タイトルは、同番組が海外でリメイクされた際に使われている『アイアンシェフ』(Iron Chef)とし、玉木宏を主宰に迎えてレギュラー復活。料理人も一新したが、数字は初回の10.7%、以降は6~7%台と、これまた“大爆死”状態だ。

 『アイアンシェフ』では、「的確なコメントができる出演者がいなくて物足りない」という意見や、リポーターに起用された芸人・宮川大輔に対しても「滑舌が悪い」「リポートがうまくない」などと批判の声が集まっている。そもそも同番組の制作決定時から、13年ぶりに人気番組を復活させることについて、「過去の栄光にすがっている」などと、フジテレビの番組制作に対する姿勢を問う声も噴出していた。結果的に頼みの綱だった『アイアンシェフ』も大失敗となれば、“フジテレビ凋落”の象徴となってしまいそうだ。

■夜11時台の「COOL TV」枠の伸びしろは?

 以上のようにゴールデン枠はどれも低空飛行のフジテレビだが、夜11時台の新番組ではどうだろうか。同時間帯に他局で『NEWS ZERO』(日本テレビ系)、『News23クロス』(TBS系)、『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)とニュース番組が多い中、最も好調といえるのは、水曜日のTOKIOの新番組『TOKIOカケル』。木曜日の同時間帯に放送されていた前番組『5LDK』の後継番組で、以前は高視聴率を叩き出している『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の裏で苦戦することもあったが、移動後も『マツコ&有吉の怒り新党』(同)と毎週10%以上を獲得している番組の裏であり、そこで6~9%をキープしているTOKIOは、大健闘といえるだろう。

 また、11年9月より不定期で深夜に単発放送し、10月よりレギュラー番組に昇格した月曜の対戦型推理ゲーム番組『Numer0n』も健闘している。同じバラエティー系でも『ストライクTV』(テレビ朝日系)に数字を持っていかれることの方が多いため、視聴率は5~7%台と伸び悩んでいるが、『Numer0n』のゲームアプリは、同局がリリースしたアプリの中で過去最大の100万件ダウンロードを突破するほど、人気は高まっているという。

 そして火曜日に放送されている、観月ありさ、ピース・又吉直樹、きゃりーぱみゅぱみゅの異色トリオがMCを務めるのトークバラエティ『キャサリン三世』は、直近で5~6%台。残りの『オデッサの階段』(木曜日)、『テラスハウス』(金曜日)は、4~5%台と、どちらも同時間帯の民放番組では『ワールドビジネスサテライト』にしか勝てていない状況。特に6人の男女がシェアハウスで生活する姿に密着した『テラスハウス』は、参加者のAKB48・北原里英が番組内で「付き合ったことはもちろんある」と発言するなど、何かとネットで話題に上がっているにもかかわらず、視聴率は稼げていない。

 かつての人気番組に頼り、再起をかけた『アイアンシェフ』も視聴率を獲れず、新体制で始動した11時台も、10%を超えるほどの人気番組が出ていないフジテレビ。年末年始に向けて新たな秘策は飛び出るのか。

最終更新:2012/11/25 08:00
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