"噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第139回】

歳の差カップルでは片付けられない、ピース・綾部と藤田紀子のタマの悪さ

2012/08/21 21:00
「週刊女性」9月4日号(主婦と生活社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第139回(8/21発売号より)

 猛暑の中、連日のように携帯に「電力アラーム 東京電力の電力使用量が90%になりました」とのお知らせが。相変わらずの恫喝だが、実際には停電も起こらず電力は足りているらしい。大飯原発を再稼動させた関西でも原発がなくても足りていたとの議論も起こっている。国民の節電意識も高くなり「原発は日本に必要」という原発推進派の論拠が崩れつつある。がんばろう、良識あるニッポン人!!

1位「藤田紀子 ピース綾部 30歳差“カップル誕生”で気になる オンナは何歳までデキるの? 還暦セックスで悦びを知る」(「週刊女性」9月4日号)
2位「寺田農 婚約不履行裁判でバラした 尾台あけみさんは『歌手2名、俳優1名と男女関係だった!』」(「週刊女性」9月4日号)
3位「室伏広治 月額7万円生活保護受給の実母へ『援助はしません』絶縁宣言!」(「女性自身」9月4日号)

 暑さとお盆休みで頭が朦朧とする日本人のノーテンを直撃したのが「週刊ポスト」(小学館)が報じた若貴の生みの親である藤田紀子(64歳)とお笑い芸人ピース・綾部祐二の熱愛報道だった。ホンマかいな。何かの話題作り? 夢か現実か。はたまた何かの宣伝か策略か。何しろ、あの藤田紀子である。これまでも数々のお騒がせ騒動を演じた、ちょっと勘違いオバさんである。今回もマスコミからの直撃取材を受けた“ヒロイン”紀子は、交際を否定しながらも思わせぶりなコメントを連発した。嬉々とした表情で。紀子、またまたお騒がせである。

 単なる友人なのか、熱愛関係なのかはこの際どうでもいい。何回かはセックスした関係かもしれないが2人とも大人だし、歳の差カップルなど今や珍しくもない。熟女ブームの昨今、30歳差とは天晴れともいえる。しかし今回は――タマが悪い。世の中がびっくりしたのは、女が30歳年上だったこともあるだろうが、それ以上に熱愛女性が“紀子”だったということだろう。かつて、小泉今日子と20歳年下の亀梨数也との熱愛が発覚した際、世のおばさん世代(30代以降だが)は狂喜乱舞した。「さすがはキョンキョン!」。46歳年下の嫁を娶った加藤茶には「ふーん。なるほどね」そんな反応だった。だが、今回の紀子と綾部は――。ちょっと悩む。だから2人がどんな交際をしていてどんな関係なのか、芸能マスコミもさほど突っ込まない。興味がないというか想像したくないのだろう。そんなこと書いても雑誌は売れないだろうし。

 よって「週女」は2人の熱愛ネタを一般的な話に摩り替える作戦に出た。「オンナは何歳までデキるの?」。さすがは女性週刊誌、エゲツない。

 そして結論は「死ぬまでできる」だって。そりゃそうだろう。おそらく女なら誰でも知っている。ある程度健康なら「できる」と。また「濡れなくなったり、膣が萎縮したらゼリーを使う」とも解説されてるがそれも知っている。「閉経後でも高いレベルの性欲がある人もいる」。これも常識だ。そう、機能的には結構できると誰もが知っている。だから、64歳の紀子もセックスはできるだろう。だが問題はそんなことではない。セックスには相手が必要だ。女性がしたくても、したい相手がいなければできない。結婚していても夫との間でその気がなければできない。世の熟女たちの悩みの多くはそういうことだ。「何歳までデキる?」なんて機能的なことではなく、「何歳までモテる?」「どうやったらモテる?」「いい男をゲットするには?」というソフト面だろう。だがその答えは難しい。だが今回紀子がモテたことは確かだ。綾部に手料理を振舞ったという紀子。面倒見のいい紀子。美容にも気を使っていた紀子。ちょっとKYな紀子。そんな64歳に見習うこともあるのかも!?(追記 「週女」次号予告で「抱かれるカラダになる」という特別付録が。そうきたか(笑))

 2位も熟女と歳の差ミックスネタである。35歳年下女性と結婚した寺田農(69歳)には、事実婚を主張する56歳の尾台あけみという女性の存在が。マスコミ報道で突然、寺田の結婚を知るや尾台はマスコミに実名告発、寺田ネタを引っさげバラエティ番組にも登場し、さらに婚約不履行で提訴に踏みきった。その裁判が「おかしな」展開になっているという。被告である寺田が過去の尾台の男性遍歴を暴露し、その男性関係が別れの一因になったと主張しているという。しかもその男性たちは「著名歌手2名、俳優1名、テレビで活躍する料理人1人」であり、その実名は「寺田と尾台が事実上の夫婦関係だと証明するため」に尾台側が裁判所に提出した友人リストにあるというのだ。なんとも複雑怪奇だ。

 しかも、である。その男性関係は尾台と寺田が出会う以前のことらしい。尾台は「なぜ昔の話を持ち出すのか、まったく理解できません」とコメントしているが、確かに婚約不履行の裁判に交際以前の男性遍歴は「関係ない」だろう。これまた大人、というか老人がトチ狂ったか。マスコミが飛びつきそうなネタを自ら提供する寺田の意図は?? 何の意味もないと思う。男女ともお若いですね、ということはわかる。しかし、加藤茶も寺田も奇しくも69歳。そう考えると64歳の紀子熱愛発覚で「オンナは何歳までセックスできるのか」なんて特集するのは女性差別ではないかと思う。男こそ「何歳までデキる」んじゃ!!

 そうきましたか。生活保護問題が五輪選手にまで波及した。ハンマー投げ銅メダリストの室伏広治の実母が15年間に渡り生活保護を受けていたという。室伏の両親は25年ほど前に離婚し、父親に引き取られた室伏兄妹は実母とは絶縁状態らしい。もちろん、実母に援助はしていない。しかし記事には、「民法では、夫婦が離婚しても親子関係は存続しているし、子どもが親を扶養することは義務に近い」と詠った上で、実母はかなり荒れた環境に暮らし、一方の室伏の実家は豪華な一戸建てで高級車2台があったとその“差”を強調する。なんだかねぇ。25年も絶縁状態にある実母、離婚後子どもたちを男手で育てた父親。家族にはさまざまな事情や歴史がある。それを無視した著名人への生活保護バッシングは問題の本質を間違う。案の定、「社会保障と税の一体化計画」と銘打った野田政権だが、増税を決めた途端生活保護など「社会保障」は抑制する方針を打ち出した。有名人の“生活保護狩り“はやはり危険な仕掛けがあったと改めて思う。

最終更新:2012/08/21 21:00
『シニア・セックス』
ふたりのことを考えると胸焼けが……
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