"噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第127回】

スピリチュアルに心酔! 宇宙エネルギーを語る木村拓哉の実母

2012/05/22 21:00
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(「週刊女性」6月5日号(主婦と生活社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第127回(5/18~22発売号より)

 首都圏の水道水にホルムアルデヒドが検出されたが、当初の報道ではこれを大きく扱わなかった。放射線がばかすか漏れているから、少量の発ガン物質くらいどうってことない!?   しかも発覚当日、群馬県の担当役人は宴会をしていたし。3.11以降、日本の危機は続いているのに、税金で暮らす小役人には「関係ない」らしい。禁酒令なんて恥ずかしい事態を引き起こした福岡市の呑んべー役人たちも、だ。

1位「次長課長 河本準一『母の生活保護問題』が国会へ!片山さつき議員が『厚労省を通じて調査しています』」(「女性セブン」5月31日号)
2位「拓哉も知らない 木村方子さん心酔する『宇宙神』活動」(「週刊女性」6月5日)
3位「早乙女太一 恋人へのDV直前、ゲーセンで『ストリートファイター』奮闘 現場撮」(「女性自身」6月5日号)

 先週から一斉に実名報道解禁となったのが次長課長の河本・生活保護問題だ。そもそもこれは「セブン」(4月26日号)スクープが発端だった。年収5,000万円といわれる売れっ子芸人の母親が生活保護を受けていた。母親は関西在住の1人暮らし。しかし息子と絶縁しているわけではなく、むしろ息子は「おかんネタ」を得意とする仲良し親子だった。

 「セブン」報道後、ネットではすぐに「生活保護芸人は河本」と指摘されていたが、大手マスコミは沈黙を守った。「実名を出したら訴える」と息巻く吉本興業に恐れをなして。いや、芸能界に大きな力を持つ吉本を慮った自主規制ともいえる。しかし――国会議員である片山さつきや世耕弘成らがこれを問題視し、ブログやツイッターで河本の実名を公表。するとスポーツ紙、週刊誌などが次々と実名報道を開始したのだ。

 情けない――。いや、河本のことではない。国会議員という“お上”のお墨付きをもらわないと実名報道をしなかった大手マスコミがである。日刊サイゾーはいち早く実名出してたぞ!(後になぜか削除してたが)。さらに、ワイドショーはもっとひどい。実名報道がなされても、スポーツ紙をチラっと紹介するだけで河本の生活保護・不正受給疑惑を掘り下げようともしなかった。

 今回の問題はさまざまな側面がある。「国会でも問題に」「刑事処罰も」などと声高に訴える議員に正義があるとも思えない。その尾尻に乗るマスコミも。そして「実名を出したら訴える」「人権問題だ」と高圧的な対処で乗り切ろうとした吉本興業も。きちんと説明しようとしない河本も。

 暴力団関係者が常識外のタクシー代を請求したり、一部団体の関係者には審査が甘いと指摘されるように、生活保護の不正受給を正していくことは必要だと思う。しかし不正受給ばかりがクローズアップされることで、本来の生活保護という制度そのものや、受給者に対する偏見が強くなることはあってはならない(日本人は往々にして一方的な論調に走りやすいし)。

 “お上”がこうした問題を糾弾するウラには、その直前に続発した生活保護制度から抜け落ち餓死したり、孤独死するなど批難を浴びた事件から目をそらそうという思惑がある。さらに親族など扶養可能者への調査権限を強めろ、などという声まである。役人にこれまで以上の権限と利権を与える口実にもなりかねない。

 本当に必要な人へ生活保護が正当に支給されているのか、理不尽で不平等な役所の対応の有無なども再び議論する機会だと思う。日本は国も政治家も役人もマスコミも弱者に冷たい。「強者には巻かれろ」という意識が強いから。

 それにしても今回の吉本と河本の対応は悪すぎた。問題が指摘されてから生活保護費を返上したというが、これって「支給は必要なかった」といってるようなもの。やぶへびだと思うのだが。

 以前から息子との不仲説や、「スピリチュアルへの傾倒」が指摘されていたキムタクの母親・木村方子さんだが、最近でも精神世界への傾倒はさらに深まっているらしい。今年4月に創刊されたスピリチュアル通販雑誌に登場し「宇宙エネルギー」を熱く語り、現在の肩書きは「一般社団法人ふる里再生協会」の会長さま! 全国を講演で回り、「生命エネルギー」や「言霊」を説いて聞かせる多くの信者がいるという。さらに熊本県内にある幣立神宮というパワースポットに足しげく通う。その道場主である佐藤昭二氏と行動を共にし、かつて「バカヤローと怒鳴ってばかりで、ありがとうも言われない」と不満を募らせていた夫とは長らく別居中らしい。

そして「週女」では道場主である佐藤氏に直撃しているのだが――。この佐藤氏、なにを言っているのかよくわからない。限界集落対策のため農業をする若者を見つけてくる活動をやっているというが、宗教団体ではなく、宗教性を持つもの。教えるのではなく感じてもらう場所――。おそらく、記者もよくわからなかったが必死でまとめたコメントなのだろう。だがわからない。

 そんなワケのわからない「お言葉」を読んでキムタクが気の毒になってきた。親は選べない。いや、息子が嫁に取られたから精神的拠り所を求めてこうなった!? 鶏が先か卵が先か。それにしてもキムタクは嫁の工藤静香の実家近くに住み、入り婿状態なのは有名な話だ。前出の河本のケースとは対照的だが、息子が有名芸能人になると、親も大変なのかも!?

先週「自身」が報じた早乙女太一のDV実況中継だが、他芸能マスコミでも大きく取り上げられ、発売直前には早乙女が謝罪会見をすることになった。でも謝罪って変でしょ。被害者は芸能マスコミではなく恋人の西山茉希なんだから。でも芸能界の掟は違ったようだ。塩谷瞬といい弱小プロダクションのタレントは大変である。

 今週「自身」はその続報を報じている。早乙女が事件直前に、ゲーセンで格闘技ゲームを夢中でやっていた――。そんな続報どうでもいい、下らない。だがそんな情報に隠れるように大きな問題がサラっと記されていたのだ。それがDV事件で西山が干される動きがあるというもの。暴力を振るった早乙女ではなく、被害者女性の西山が!

 「自身」によればCM関係者が西山の起用を敬遠する動きがあり、また情報番組『Mr.サンデー』(フジテレビ系)も報道番組には相応しくないと、西山の事務所に説明を求めているのだとか。もしこれが本当だったら、早乙女の謝罪会見どころではない、もっともっとおかしなことだ。西山はDVの被害者である。いくらイメージが重要な芸能界でも、DV被害を受けた女性芸能人は干される?? 多くの不条理な掟が存在する芸能界にあっても、初めて聞くあまりにも不条理な話だ。もし干されるなら暴力男の方だろう。近年稀に見る異様な男尊女卑。

 なるほど、だからこそ土屋アンナが夫のDV疑惑が報じられた際、強く否定したのか? そんな疑念さえ浮かぶ。もし西山が干されたら、DV防止活動をする団体や、フェミの人々は断固怒りを表明すべきである。

『宇宙に上手にお願いする法』

神頼みってレベルじゃねぇ!

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最終更新:2012/05/22 21:29
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