『戦国鍋TV』制作陣インタビュー(前編)

全世代に刺さるものはなくても「面白さ」を追求した、『戦国鍋TV』の強さ

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ファンかぶりつきの『戦国武将がよく来るキャバクラ』(c)2010戦国鍋TV

 若手俳優らが戦国時代の武将たちを演じるバラエティ番組『戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~』。現在全国21局で放送されており、DVDやコーナー発のCDがヒット、音楽ライヴや舞台版も大入りを記録するなど、独立ローカル局(tvk、チバテレ、テレ玉、サンテレビ)の番組としては稀に見るヒット作といえる。番組は約半年の充電期間を経て、4月21日(局によりスタート日は異なる)から再始動。制作スタッフ陣に『戦国鍋TV』の人気を分析してもらいつつ、ビジネスを含めた今後の展望について話を聞いた。

<参加者>
福原直樹氏=番組プロデューサー(tvk)
座間隆司氏=番組プロデューサー(ティーズアップ・エンタテインメント)
永田陽子氏=番組広報担当(キングレコード)

――まずは番組が、ドラマでもコントでもない“学べる歴史バラエティ”という形になった経緯から教えてください。

永田陽子氏(以下、永田) 
もともとはエグゼクティブ・プロデューサーの大月(俊倫、※1)が、昔の『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』(※2)という番組が好きで、それをヒントに歴史とバラエティを組み合わせた番組を作りたいというアイデアから始まったんです。お笑いの人ではなく、役者さんがマジメに完全台本で演じるバラエティという形をもとに、歴史上の出来事に現代のシチュエーションを重ねることで、より面白いものができるんじゃないかと。番組としては、ただ笑えるだけじゃなくて学べる要素も入れること、史実に基づいたネタにこだわっています。毎回参考文献を使っているのはもちろん、大学の先生にも監修していただいてます。

――番組のメインの視聴者層は?

永田 イベントでは女性のお客さんが目につくと思うんですが、放送局側に届く視聴者の声を見ていると、性別や年齢層もかなり幅が広いんですよ。

福原直樹氏(以下、福原)  男性視聴者はSNSに書き込んだりせずに番組をただ楽しんで見てくださるだけなので、外からはわかりにくいんですよね。我々としては、全ての視聴者層に面白いと思ってもらえる番組を作ろうという話を最初にしていました。出演者のファンや歴史好きの方から学生さん、ファミリーまで、いろんな世代の方が一緒に見られるような番組が理想ですね。

――番組全体を通じて、昭和テイストのものが多いように感じますが…。

座間隆司氏(以下、座間) それは、作り手である僕らがそういうテイストが好きだからというのが最大の理由です。僕らが見て、聞いてきたものを落とし込んだら面白くなるんじゃないかって。もちろんそれだけでは全世代に刺さる番組にはならないので、古いものと今のものを織りまぜて構成しています。

福原 例えば昭和テイストのものでも、若い世代の方は面白がってくれてますから。

座間 テレビは見ようと思って見てる人だけじゃない。「面白そうだけど、なにこれ?」とザッピングしている手を止めさせるという考えがベースにあるので。

永田 あくまでバラエティなんで、歴史がどうよりも楽しんでもらうことが大前提。そこに「歴史も学べるよ」「史実に基づいてるよ」という味を付けてるんです。

――バラエティを作っていく中で、歴史をどこまで掘り下げて説明するのかが難しいポイントなのではと思うんですが……。

座間 番組を楽しむうえでの必要最低限の情報は、セリフやテロップなどで出すようにしています。この番組を見て歴史に詳しくなるとは考えてなくて、サブタイトルの『なんとなく~』の通り、例えば『ミュージック・トゥナイト』(※3)のユニットを見て「七本槍」という人たちが歴史上いたってことがわかれば、という程度です。とはいえ、コーナーごとに歴史の比重が重いものと軽いものに分けてもいます。歴史好きの人から「いいとこ突いてるね」って言われるようなディープな内容から、男女や年齢層も問わず見てもらえるような一般常識レベルの内容まで、いろいろな具材を盛り込むことがまさに戦国鍋の鍋たるゆえんだったりします。

――出演者は若手の俳優さんと舞台畑の俳優さんを中心にキャスティングされているように感じますが、キャスティングの基準というのは?

座間 タレントの知名度で番組を作る気はなかったんです。“この企画をやるなら誰が合うか”ってチョイスだけ。この番組は、いわゆる“行政”が一切ない実力主義なんです。

福原 放送すれば「○○くんはいいね」っていう評判も、こちらに聞こえてきますしね。

――その一方で『戦国武将がよく来るキャバクラ』(※4)にはベテランの方が出ていたり、バラエティ豊かですよね。

座間 あのコーナーはちょっと別で、続けているうちに、キャリアを積んでこられた役者さんたちも「出たい」と言ってくれるコーナーに仕上がってきたんですよね。このコーナーの武将役は1回きりの出演になるので、割と拘束時間も短めですしオファーしやすいというのもあります。
(後編につづく)

※1 キングレコード専務取締役。林原めぐみら声優のプロデュースや、『新世紀エヴァンゲリオン』など、ヒットアニメの製作プロデューサーとしても知られている
※2 1969~71年に放送された、大橋巨泉・前田武彦が司会を務めるバラエティ番組。完全台本の作りこまれたコントで知られる
※3 歴史上の人物たちをモデルにしたグループが登場する歌番組風コーナー
※4 “活躍の割には知名度が低い”武将たちがキャバクラに来店し、自らの経歴を語るコーナー

『戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~壱』

コンプリートしたくなる面白さ

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