[女性誌速攻レビュー]「VERY」1月号

「VERY」読者の魂を救うのは、女神・井川遥とアイドル・イケダン

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「VERY」 2012年1月号/光文社

 今月号は「VERY」の集大成ともいえる気合いの入りよう。特に、「私たちの井川遥さん大特集」は、なんと46ページにわたっての特集です。最近は表紙に登場していても、中身にはほんの数ページしか取り上げられない月も多く、その割にはほかの雑誌でも見かけることが多かった井川遥ですが、今月で一気にお役目を果たした印象です。

<トピック>
◎私たちの井川遥さん大特集
◎イケダン鍋&お帰りなさい鍋
◎ボクの好きな人。リリー・フランキー×大竹伸朗

■元妻・室井佑月は井川遥に大分遠いぞ?

 「私たちの井川遥さん大特集」では、最初に「井川遥さんが魅力的なのはなぜ?」ということを禅問答のように問うています。長いので要約しますと、井川さんはもちろん肌も顔もキレイだけど、普段はノーメイクで普通っぽさも大事にしている。その上、見た目だけではなく仕事に向かう姿勢や家族との約束とかも大事にしていて、全部が彼女のパワーになっている……と。そして「その”見えない部分”が知りたくて、まず、彼女と一緒に旅に出ることにしました」んだそうです。

 とかいいつつ、その前のページでは「井川さんだって、毎日の生活で怒ったり、悩んだり、すねたり、嬉しくてたまらなかったり…、それは私たちと一緒なんです」と、キレイな井川さんとちゃっかり同化、美しさに便乗してるところがニクいです!

 また、クリエイティブディレクター/アートディレクターの浅野矩美から井川さんが30歳のときにもらった手紙も紹介。そこには井川さんがいかに幸せで恵まれた女性であるかがなんのてらいもなく書かれていましたが、もう神から与えられた存在でもあるかのような持ち上げよう。

 これが、ちょっとでも納得いかない部分(言ってもそんな美人じゃなくね? とか、ライフスタイル底上げしようと無理してね? とか)があれば、この神話はモロくも崩れ落ちてしまうでしょう。ところが、このヒガみ根性でいっぱいのアラフォー独身の筆者でも、”井川遥さん”のストーリーは、すんなり受け入れられてしまうのですから、既婚女性が井川さんと同化して「うっとり」するのも無理はありません。

 ただ、作家・高橋源一郎の寄稿文「VERYな女」にだけは、ちょっとモノ申したい。高橋氏の家には、(5度目の)奥さんと自分が購入した『月刊井川遥』と『井川遥と申します。』が2冊ずつあるそうです。しかも、氏の奥さんは井川遥とひとつ違いの「癒し系」。そのため「ほんの少しだけ、井川遥と結婚するようなつもりで結婚したのかもしれない」と語っています。それって奥さん的にはどうなんでしょうと思いますが、5回も結婚する人にとっては、そんなカジュアルな動機もありなのかもしれません。未知の世界ですわ。

■イケダンという名のアイドル

 今月は「イケダン鍋&おかえりなさい鍋」という別冊付録がついています。ここで気づいたのが、7人のイケダンが鍋を紹介しているというのに、子どもは出てきても妻の影がまったくないということ。通常ならば家族で出ているほうが自然だと思うのですが、ここまで意識的に妻の影を隠すということは、イケダンをひとつのアイドルの代替品のような存在としてとらえさせたいという、隠れたメッセージでもあるのかと勘ぐってしまいました(コンテストを行う時点でジュノン・スーパーボーイ・コンテストみたいだし)。ま、そこまでいかずとも、やはり「イケダン」という存在の神秘性を保つというか、ひとつの「象徴」や「偶像」として消費させようという意図があるような気もします。

 「VERY」には意地でも韓国スターや、日本のアイドル、イケメンタレントは出てきません。たとえば同じ出版社でもひと世代上の「STORY」の1月号には、「胸熱★男子ファイル」という連載がスタートし木村拓哉が登場しているし、ひと世代下の「CLASSY.」の1月号には「絶対ウワサになる3人」として、斎藤工、平山浩行、綾野剛といったイケメンが出ているのを見ると、この「VERY」世代だけが、アイドルやイケメンに癒やしを求めることにタブーを感じているのではないかと心配になります。なんとなく旦那がいい顔しないとか、30代でバーチャルな恋愛にハマるなんて女として負けだと思っているとか……。ところが、イケダンならば、実際に好きになったり、入れあげる存在にはなり得ないし、かつ、自分の旦那さんにも、「こういう旦那さん素敵よね」とさりげなく啓蒙できるのではないかと考えるのは、想像しすぎでしょうか。

■今までのチャラチャラした話は何だったんだ

 「ボクの好きな人。」では、リリー・フランキーより先輩が登場するのは初めてとのこと。現代美術家の大竹伸朗が対談相手ということで、毎度の「イケダンなんか昼間っから女口説いてるヤツだ」的な話にはもちろんなりません。でも、今回も考えさせられる話題が……。

 大竹氏は、「『50代になれば、もうちょっと何かしらの確信が持てるんじゃないか』と思ってたんだけど、確信なんて何もないもんね」「俺なんか終着駅に住んでるから、心が晴れるときは『星がきれいだな』と思ったその一瞬くらいで、年を経るほどに心が晴れていくということは全然ないんだよ。いくつになっても、心は曇ったままなんだよね」と語っています。これを見て、「VERY」の次に読まれるであろう光文社の雑誌たち……「STORY」や、特に「HERS」に貫かれる、いくつになっても現役から降りられない問題や、現役から降りた先のモデルがない現代社会とのつながりを感じてしまいました。男も女も成熟できない、もしくは成熟を受け入れられないという、同じ問題が根底にあるものなのかもしれません。
(芦沢芳子)

「VERY」

でも「ソーラーフロンティア」の1作目のCMはひどかったよ

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