[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

ついに「柑気楼」のお世話になるときが? 抜け毛に悩む頭の前にかたせ梨乃

2011/12/11 21:00
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(C)安彦麻理絵

 最近、髪の毛がやたらと抜ける。洗髪時のすすぎの時など、指の間にごっそりと真っ黒い毛がからみつく……。その毛の量に驚愕する私の顔は、ある意味ホラーである。

「もしやこれは、更年期障害の始まりなのではないだろうか……!?」

 更年期になるとホルモンのバランスが崩れて、抜け毛がひどくなったりするらしいのである。年齢的にも「若年性の更年期障害」が始まったって、おかしくないトシである。あまりの毛抜けに、不安&憂鬱になった私はネットで良さげな婦人科を探し出し、診察を受けてみた、のだが。

「あなた、半年前に子供産んだばっかりだったら、バリバリ元気じゃないの~!!」

 と、一笑に付された。本人はあまり「元気」の自覚がないのだが。

「あの~、じゃあ、この抜け毛は……」
「ストレスじゃないの? この年齢で小さい子どもの世話、そりゃあ3人もいたらねぇ~」
「……」
「あなたが更年期だのなんだの言うのは、まだ10年早いわよ!」

 ストレス、と、言われてしまうと、もうどうしようもない。婦人科でそんなふうな診断を下され、仕方なく今度は皮膚科に駆け込んだ私。案の定「抜け毛に効く薬はない」との事である。結局は「栄養バランスの取れた食事、休養をとる、クヨクヨしない」。それしかないらしい。その後、行きつけの美容院に行ったときに美容師さんに相談したら「血流を良くするのが一番なんだよねー」と言われた。それと、頭皮の乾燥も良くないらしい。そうなるとやはり、ヘッドマッサージとか真面目にやるしかない、ってことだろうか? こうして私も、あの「柑気楼」のお世話にならざるをえないのか……。朝晩2回のマッサージ、そうすればCMに出ているあの中年たちや、イメージキャラクターを務めるかたせ梨乃姐さんのように、「ざっくり、ふさっと」そんな豊かな髪になれるのだろうか。

 若い頃というのは、確かに、な~んにもしなくても回復力があった。それが、トシをとると「ある程度のメンテナンス、必須」になってくるのであった。そうでもしないと、カスカスのボロボロになるのが早い早い……。大体「一般的な40代」は、たぶん自分のためにメンテナンス時間がとれる年頃である。もし子供がいたとしても、ある程度手がかからなくなってるはずだから。しかし、私のように「40過ぎて子ども産んだ女」ってどうなんだろうか。子どもの世話に振り回され、ゆっくり風呂につかってるヒマもなく、己のメンテナンスをする余裕なんてものは……。昨年の今頃と比べたら、私は「自分が今、カスになりつつある」という、そんな実感がハッキリとある。時折鏡を見たときに、もうすぐ70歳になる母親にソックリに見える瞬間があって、ギョっとするのだ。

「ああ、私、ババアになったら、こういう顔になるんだ……」

 というイメージが明確になってきたというか。それにつけても。「若い女」というものは、こってりアブラがのってるんだよなぁ、と最近つくづく思う。そして、ジューシーでフレッシュ。パンチが効いてて勢いがあるのだ。それがトシをとると。どうなんだろう、カスカスの干物のようになるわけだが。しかし「乾物」や「干物」が、味がしっかり濃いのと同じで、「もう若くない女」ってやつも「カスカスのわりにはコクがあって濃厚」そんなふうになっていくような気がする。

 ところで以前、もう若くないキョンキョンの二の腕を、テレビで竹中直人が「色っぽい」と言ってたのを覚えている。多分「若い娘にはない、味がある」的な、そういう意味合いで「色っぽい」と言ったのだろう。しかし私は、ニュースでダライ・ラマの映像を見た時に、その袈裟からニョッキリ出た二の腕を見て「あ、キョンキョンの二の腕に似てる」と、思った。キョンキョンの二の腕は、色っぽいのかもしれないが、しかし、同時にダライ・ラマの二の腕にも似ている。トシをとる、ということは、たぶんそういうことなのかもしれない……と、思った私であった。(って、なんだかよく分からんが)

最終更新:2019/05/21 16:31
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