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裏から社会を操る占い師列伝【1】

石原慎太郎、オセロ中島まで……著名人が日参する占術事情

2011/08/27 15:00

──芸能人や政治家、企業社長などが、占い師に相談を持ちかけた結果、トラブルに発展する例は多い。なぜ彼らは、一見非科学的ともいえるこれらの人物に傾倒し、冷静さを失ってしまうのか? 占い師と著名人との深い関係を通して、現代社会に潜む、彼らの存在理由を追った──。

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山中登志子氏の著書『第2の江原を探せ
!』
(扶桑社/共著)

 体調不良を原因に休養宣言をしたオセロの中島知子の陰に、同居する女性占い師との関係が取り沙汰されたのは今年4月のこと。一報を報じた「週刊ポスト」(小学館)のほか、「女性セブン」(同)も「相方の松嶋尚美が結婚した際には、中島が挙式の日取りや場所を変えたほうがいいと松嶋に進言したが、それもA子さんのアドバイスによるものだった」と、中島×占い師の”新コンビ”に注目している。

 2005年に『オーラの泉』(テレビ朝日)が放送開始され、江原啓之を中心としたスピリチュアルブームが日本を席巻、ブーム沈静化後も「占い」「スピリチュアル」などの単語は、広く浸透している。

「占いは、女性にとっての風俗、エステのようなもの。軽妙なトークで心をほぐし、そこから語られる未来への希望で気持ちよくなることがあります」と微笑むのは、数多くの有名霊能者たちをジャーナリスティックに検証した『第2の江原を探せ!』(扶桑社)の著者で、自らも占いスペース「桜」(東京・新宿御苑)を経営する山中登志子氏。

「江原さんのブームで、スピリチュアリズムがより浸透しやすくなりましたね。霊能者につきまとっていた宜保愛子さん的な”暗い””怖い”といった印象が薄くなり、一般の人にも敷居が低くなり、相談しやすくなったのではないでしょうか」 (同)

■世界の舞台裏で暗躍する占い師!?

 現代でこそ占い師は身近な存在となっているが、歴史を紐解けば、彼らは、時の権力者と密接な関係を保ちながら、裏からその政策を左右してきたという史実も多い。古代、平安時代に活躍した「陰陽師」たちは、今でいうキャリア官僚として、都の造成や戦の日取りまでを決定していた。江戸の城下街も、天台宗の僧・天海により風水に基づく都市計画が行われたことは有名な話だ。

 そして、このような一見非科学的な関係は、過去の話ではない。現代の日本を代表する権力者も、占い師とのコネクションを保ち続けている。

 政治の世界では、「宇宙人とUFOに乗って金星に行った」などの奇矯な発言を繰り返していた、鳩山由紀夫元総理の夫人・幸さんが、インド人占い師に傾倒していたことが取りざたされた。プライベートな相談ばかりでなく、09年、国民的な議論を巻き起こした普天間問題の徳之島移設案も、幸夫人を通じてかの占い師の進言が影響を与えているという。さらに”ぶって姫”の異名を持つドM議員・姫井由美子氏も、占い師・三井幸を信奉し、政策秘書の採用を一任していたことが報じられている。

 さらにある占い師は、「石原慎太郎の4人の子どもの字画を見てみると、長男・伸晃氏から三男の宏高氏まで、全員が32画。この画数は棚ボタが舞い込む幸運の字画。また、末っ子の延啓氏だけが33画で野心が強い字画というのも意図を感じます。もしかしたら石原氏は、子どもに名前をつける時に、占い師に相談したのかもしれません」と言う。

 財界では、06年に「セイコー」創業家の御曹司で会長の服部純市氏が占い師にのめり込んだあまり、事業を迷走させたことから会長職を解任されるお家騒動が勃発し話題に。また、大手コンサルティング企業・船井総研の船井幸雄社長も占い師・諸喜田清子に、人生の”コンサルティング”を依頼していた(「週刊ポスト」06年12月8日号)。出版界では、幻冬舎社長の見城徹氏の占い好きは有名で「インド占星術の占い師のところで『見城さんを見た』という話をはじめ、見城さんの占い好きはよく耳にします」と山中氏が舌を巻くほどだという。

 なぜ権力者は、こうも占いに執心してしまうのだろうか? 山中氏は「企業のトップや政治家は、相談相手も少ない、孤独な立場。将来の指針を示すだけでなく、彼らの仕事や生活を相談するカウンセラーとしての役割も、占い師や霊能者は果たしていることが多い。その悩みは深刻なものから軽い相談事まで幅広いようです」と語る。立場上、誰にも話せない悩みを話すことで、いつの間にか、占い師の言葉に頼り切ってしまうことは想像に難くない。

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最終更新:2011/09/01 21:37
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