[女性誌速攻レビュー]「Domani」9月号

重度の滑り倒し! 「Domani」の「寅さん」企画はやはり無理があった

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「Domani」9月号(小学館)

 今月号の「Domani」、発売前に電車で中吊りを見たときから、ザワザワザワザワ……胸が騒ぎました。そう、初めて加藤ミリヤを見た時以来のザワつき。今月号の特集は、「ニッポンの夏、オンナの夏――いつも心に『寅さん』を!」。あちゃー、もう読むこちら側が恥ずかしくて、指の隙間からしか表紙を見られませんでした。確信犯的なイタズラ心って、本当にタチが悪いんですよ。その分野は「an・an」(マガジンハウス)や、読者ヌードの「美STORY」(光文社)の役目だから任せておけばいいもの、どうにもこうにも「Domani」はそこに喰い込みたいらしい……。「自分は面白い」と信じて疑わない入学希望者を、吉本NSC(吉本総合芸能学院/吉本興業の養成所)はどうやって断っているんだろうと思いを巡らせてしまいました。というわけで、今月は「寅さん」企画だけを追ってみたいと思います。

<トピック>
◎ニッポンの夏、オンナの夏――いつも心に「寅さん」を!
◎知花くららの「いつも心に、寅さんを!」劇場
◎もしもDomaniモデルが寅さんのマドンナだったら

■「Domani」はいつでも自分うっとり!

 まずは、「知花くららの『いつも心に、寅さんを!』劇場」を見てみましょう。いつも中学2年生が書いたようなポエムと知花くららのうっとり写真で、天ぷらとアイスを一緒に食べてしまったときぐらいの腹痛に悩まされるページなんですが、今回は映画『男はつらいよ』の名言を使うという処世術を身につけています。ところがどっこい、不思議なことにこのページからは何も伝わってこないんです。スタイリングを楽しめばいいのかといえば、全然寅さんぽくないコーディネート(ただ、一つだけ21世紀とはいえ、許されないレベルのコーディネートがあります)。じゃあ、『男はつらいよ』をオマージュしていると分かるような世界観が構築されているかといえば、名言と写真(設定、ポージング)がかい離していて、寅さんの名言がそよ風のように過ぎ去ってしまうという悲しさ。

 そして続く、「そもそも『寅カジ』ってこういうこと!」というページでは、約1,200字も使って企画趣旨をしてるんですけど、長過ぎでしょ。一瞬にして終焉を迎えた「OJIカジ」ブーム(※オヤジ的なダサカワファッション)を「Domani」に持ってくるにあたり、求心力のある言葉/世界観がほしかったんだろうな~というのが、筆者が誌面から読みとった正直な感想。というのも「『寅カジ』をつくる寅の巻きアイテム5」というアイテム紹介でも、「仕立てのよさに気品があふれるおやじジャケット」「オフィスも旅のコレひとつで…トランク型バッグ」という、寅さんマインドからあまりにもかけ離れた文言が並びます。「寅さん」と付けたことで、「Domani」自身が首を絞めているように思えてなりません。

■さすが、オヤジ転がしの「Domani」

 まだまだ続く「寅さん」特集、お次の不思議は「いい女の夏は、かっこいい”寅さんベージュ”配色」。ベージュは寅さんの色ということで、配色バランスを紹介したいようなのですが、そのキャッチが乱暴です。

・寅さん的な優しさを託す…ベージュ×ホワイト×ブラウン
・寅さん的少年性と言えば…ベージュ×ホワイト×ブルー
・寅さん的に強さを秘めた…ベージュ×ホワイト×グレー

 「寅さん的」って言えば何でも許されると思ったら、大間違いですよ。そしてこんなに「寅さん一筋」みたいな姿勢を見せていたかと思えば、次のページには「寅さん以外にもこんなにお手本がいるんです! おやじに学ぶ、最新ベージュスタイル4」と言って、『仁義なき戦い』の菅原文太や『刑事コロンボ』のピーター・フォークらから着想を得たスタイリングを紹介。おい、寅さんはどうしたんだ?

■寅さん不在の「寅さん」企画

 長谷川理恵が突然和服を着たり、小泉里子がクラシカルなワンピースを着始めた「もしもDomaniモデルが寅さんのマドンナだったら」という自己満足企画を通り抜けて辿りついたのは、「渡辺佳子の『夫婦仲良くシェアしてます』な1か月コーディネート」という企画。どこら辺が寅さんなのかといえば、「寅さんといえば『家族愛』」なんですって! 超こじつけじゃん♪ レースのスカートとか、オレンジのワンピースとか、マキシ丈ドレスなんてアイテムが出てきます。もう一度聞くけど、「おい、寅さんはどうしたんだ?」。

 突然の「寅さん」プッシュを読者はどう思っているのかを知りたくて、ネットで反応を見てみると、今回の特集に満足しているのは「寅さん厨」(そんなものいるのか?)と言うべき、『男はつらいよ』の信仰者。でも彼らはファッションについての言及はまるでなかったですし、「『Domani』って雑誌は寅さんの良さを分かってるじゃないか」というスタンスでした。一方の「Domani」愛読者は「意味不明すぎる」のオンパレードで、両者の溝はバイカル湖よりも深い。

 「Domani」が脱コンサバを意図するあまりに、「寅さん」をゴリ押ししたというのは想像に難くないのですが、それがあまりにトップダウンすぎました。キャッチや言葉の遊び方、女の欲望の表し方としては「美STORY」などを擁する光文社や、「婦人公論」(中央公論新社)が先陣をきっていますが、光文社はそれぞれの編集部が読者モデル組織を持っていますし、婦人公論も読者手記という核弾頭を持っています。「Domani」も読者組織を持っているんでしょうが、そこから意見や企画を吸い上げているように思えないのです。読者の魂の叫びが聞こえない。もちろん、今の時代に読者の言うことに振りまわされていたら、あっというまに休刊の道しか残されないのですが、それにしても読者へ寄りそう心があるようには思えません。だからこそ、いっつも特集の言葉だけが上滑りしているような気が……。でもこれが個性だと認められれば、「Domani」がこのジャンルを独占できそうですけどね。

 ちなみに来月号の予告には「きちんと金沢 vs こなれた京都」ってあるんですけど、なんかもう……ねぇ?
(小島かほり)

「Domani」

どんまいどんまい、締ってこー!

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