[女性誌速攻レビュー]「CREA」8月号

広末涼子がマザー・テレサ化? 「CREA」で愛の説法教室を開講

2011/07/11 16:00
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「CREA」(文藝春秋)8月号

 広末涼子が一般女性100人と「愛」についてディスカッションした、というニュースが報道され、それが「CREA」(文藝春秋)の「結婚」特集の企画と知ってから、とにかく気になって仕方がなかったため、イレギュラーですが今月は「CREA」をレビューします。結婚特集は2007年6月号以来の登場。その号の表紙は当時独身で31歳のSHIHOで、インタビューではあこがれの結婚について語っていたようです。それから4年、バツイチ子持ちで再婚した広末を表紙にするとは、「CREA」の結婚観もかなり変わったようです。

<トピックス>
◎東京&京都最強縁結びパワースポット
◎プレシャスドレスで最高の花嫁に
◎イマドキ適齢期男子の結婚観研究

■愛、大地、家族……スピリチュアルな広末

 結婚特集でありながら、再婚したバツイチ子持ちの女を登場させるのは「CREA」的にはありなのか? という疑問を解くべく「広末涼子 愛の真実」を読んでいきます。冒頭の100人の一般女性とのトークセッションを伝える「101通りの愛のカタチ」は、トビラ写真からして危険なにおい。白ブラウス+デニム姿の広末を真ん中に、同じ格好をした女性が周りを囲む見開きのカットとなっています。なんでしょう、愛を語るときは白ブラウス+デニムって相場が決まっているのでしょうか。ジェーン・バーキンへのオマージュ? そのカットが全てを物語っているのですが、広末は「愛の伝道師」として女性から崇められていました。

Q(一般人):広末さんにとって愛はどんな方にどのように向けられるものなのか教えてください。
A(広末):誰に対しても、愛をもって向きあうように心掛けています。今回の大震災を経験してよりそう感じるようになりました。

Q:愛と聞いて一番に連想するものはなんですか?
A:世界。大地のようなイメージというか全てのものを包みこむというか形成しているもの…そんな大きなものだと思います。

 女性からの「愛」にまつわる100の質問に、絆・家族・女性・幸せといった言葉を使いながら澱みなく返答していく広末は、30歳にしてすでにマザー・テレサ級の慈愛の精神を手に入れたようです。これもチャリティーイベントやアーティスティックな感性で知られるキャンドル・ジュン氏のおかげでしょうか。氏との出会いは「神様が空からポンッと『愛』をくれたみたい」な「ギフト」だったそうですよ。こういう言葉も、日頃キャンドル氏に彼女が説かれている言葉なんだろうな~。とにもかくにも、どこを切り取っても言葉のスピリチュアル濃度が高く、そして外見はジェーン・バーキン風、マインドはマザー・テレサと、確実にネクストステージに突入していた広末でした。

■どんぶり勘定な結婚

 広末以外にも多くの芸能人が出ています。石田純一が奈美悦子との対談で「判断力を無くして結婚し、忍耐力を無くして離婚、記憶力を無くして再婚する(笑)」と無駄に名言を吐いていたり、渡辺満里奈が結婚して幸せだと思う瞬間は「彼とワインを飲みながら将来の話をしているとき」と、名倉×ワインの卑怯なギャグをかましているので細部まで見逃せません。そんなネタ合戦の中じゃ、戸田菜穂と辺見えみりが何も気の利いたこと言えなくても仕方ないですね。

 ほかにもデープ・スペクターとか林家ペー&パーまで登場して、初婚もいれば4回結婚した人も出てるし、「CREA」の結婚観がどんぶり勘定くらいざっくりしてるのが分かりました。しかもそれら芸能人のトップの座が広末なんだと思うと、方向性がまた分からなくてクラクラしてきます。

■リアルな新婚も見せる

 「新婚さんいらっしゃい! クロニクル」が名企画です。番組40年の歴史から、新婚カップルの結婚観を探る、という意図も興味深いですが、見逃せないのはカコミ。師匠の椅子はこけやすいように美術スタッフが角を丸くして作っていることや、40年間も面白い新婚カップルを発掘している放送作家がいるなど、お昼のお茶の間番組の舞台裏が明かされていて胸が熱くなります。「今回出演された新婚さん」のエピソードも素晴らしい。収録が長野県だったため、嫁が肉牛の飼育員カップル、ギャル男×ギャル夫婦、肝っ玉母ちゃん×気の弱そうな父ちゃんカップルと地方のリアルな夫婦像が分かりやすく抽出されていました。お見合い場所がロイヤルホストだったなんて、「CREA」を血眼で読んでる女性には考えられない現実かもしれません。でも、これこそが日本のリアル結婚像なんだな、と思わずガッツポーズを取りたくなります。未婚ですけど?

 意外にも、華やぎのある企画は「ご指名ブーケ」(婚活中の女がすでにブーケ選ぶのもおかしな話)「おしゃれ婚、最新スタイル案内」くらいなもので、その他は読み物メインの企画ばかりで硬派な内容だった「CREA」結婚特集。婚活方法やら男の攻略法やら金銭問題、芸能人カップル分析などなどあらゆる切り口でまとめあげていました。これを一冊暗記すれば結婚はできなくても婚活アナリストになれそうです。
(二宮まい)

『CREA (クレア) 2011年 08月号』

どういう女がCREA買うの?

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最終更新:2013/03/28 17:53
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