噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第67回】

やっぱりダメ男!? 手当たり次第に声をかけ、銀座デートを楽しむ押尾学

2011/03/15 21:00
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「女性自身」3月29日号(光文社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第67回(3/10~3/15発売号より)

 3・11大地震は衝撃的だった。直後の大津波と福島原発事故、それに伴う計画停電。放射能の値も徐々に高くなっていく。だが、これに対する政府、マスコミの反応は鈍い。なぜ周辺地域の放射能値の測定をしないのか。少なくとも北海道~静岡あたりまでは、定期的に測定し、公表すべきではないか。こんな事態になっても、マスコミは大スポンサーの東京電力の顔色を伺っているのだろうか。

1位「巻頭グラビア 3・11東北・関東大地震 激震列島」(「女性自身」3月29日号)
2位「押尾学被告 反省なし……白昼の銀座で美女と『クロムハーツジュエリー』デート!(「女性自身」3月29日号)
3位「自殺女優が復讐告発 性接待31人に100回以上 『韓国芸能界の暗部』」(「女性セブン」3月24日号)

 3・11大地震で、日本で起きていたすべての出来事が吹き飛んだ。M9.0という世界最大規模の大地震であり、10メートル以上という津波に見舞われた東北では、死者・行方不明者の人数は日に日に膨れ上がっていく。

 この地震が起きたのは11日の金曜日だった。「自身」と「週女」の発売は火曜日。少なくとも被災地に記者が到達できたのは土曜日と考えれば、3日間しかない。それでも、2誌の表紙には地震被災地の写真が掲載され、関連タイトルの大きな文字が躍った。女性週刊誌も今回の未曾有の震災に頑張った。特に「週女」の表紙は一面震災写真だ。それ以上に驚いたのが、1位の巻頭グラビアである。

 2枚目の見開きカラー写真。地震発生から1時間20分後、宮城県名取市に津波が押し寄せる写真が掲載されている。防風林を超え、津波が住宅地に迫る。それを高台から広角で映した1枚だ。かなり迫力の、恐怖が伝わる”ある意味”すごい写真である。ところがグラビア頁最後に記されていたのは「撮影/本誌写真班」! マジかい。地震1時間後に宮城にいた!? そりゃあ、うそだね(笑)。おそらくは読者からの提供なのだろう。表紙写真は共同通信クレジットだから、そう考えるのが妥当である。どちらにしてもいい写真だ。

 大地震翌日から、津波が直撃する生々しい映像がテレビで流れ始めた。そのほとんどは被災した視聴者から提供されたものだ。これまで、津波映像といえば、スマトラ沖地震の際の南国リゾート地などで映されたものだった。さらに時代が進みYou Tubeなどで誰もが動画を配信できる時代となった今、多くの人が動画を録画できる機器(ハンディカムやデジカメ、携帯)を持っている。そして、多くのリアル映像が残された。

 地震直後に起こる津波を、正確にマスコミが捉えるのは困難だ。現地入りするのにも時間がかかる。空からの映像はある程度可能だろうが、津波到来を映像にキャッチするのは至難の業だ。だからこそ、こうした映像は貴重だ。津波の恐怖を世界に発信したことは意義があると思う。しかし放射能の恐怖はまた別物だ。見えないし。

 福島第1原発事故が起こって以降、東電や原子力・保安院、政府の出す情報に疑問を持つ国民は多い。「本当に事実を発表しているのか」と。東電が話す言葉は意味がわからない。枝野官房長官も何かを隠しているように思える。そして遂に事態は人体に影響するレベルにまで到達した。

 メディアも「なるべく外出するな」「マスクを着用」「外に洗濯物を干さない」「換気扇を回すな」などと繰り返すが、それは一体誰に向けての対応策なのか? 20キロ圏内? 30キロ? 東京? 日本中?

 正確な情報がないから不安になる。「10時間後に放射能が東京に達する」なんてメールもきたが、これがチェーンメールなのか、それとも事実を記しているのか判断できない。情報がないから疑心暗鬼になる。東電や政府に対して不信感が増大する。

 東電の情報操作に操られた「安全神話」など嘘っぱちだった。計画停電も、今後噴出するだろう原発不要論に対する牽制では、とさえ思ってしまう。「原発がないと生活は混乱し、こんなに不便になりますよ」と。国民を人質にした嫌がらせ、脅迫だ。こんな事態になっても、マスコミは大スポンサーの東京電力の顔色を伺っているように見える。日本はどうなるのか。

 そんな状況下の日本であるが、芸能情報は健在だった。地震の3日後、海老蔵事件の伊藤リオン被告に1年4月の実刑判決が出された。テレビでこのニュースを見て、地震発生後初めて接した”別件”だけに、「オォーー」とつぶやいてしまった。海老蔵は地震に救われた(笑)。

 それでもって押尾学である。保釈中の押尾は、かなりヒマで手当たり次第、知り合いの女性に連絡を取っているそうな。事件への反省もないらしい。銀座で清楚な20代美女とデートし、「クロムハーツ」へ。店の知り合いスタッフに「久しぶり!」と声をかけたそうだ。どうしようもない人間というのは、確かに存在する。押尾を見るとそう思う。しかし大地震報道の中、なぜか”変わらないダメ男”情報を見たら、ホッとした。

 自殺した女優チャン・ジャヨン関連の報道を見るたびムカつく。なにがムカつくって、日本の報道の仕方にだ。

 韓国の人気女優だったチャン・ジャヨンは、09年3月「事務所社長などに性接待を強要された」旨のメモを残し、自殺した。韓国当局は捜査に着手するも関係者のほとんどは不起訴。それから2年、彼女が知人に宛てた手紙の存在が明らかになった。そこには性接待をした31人の実名が書かれてあり、当局も再捜査に乗り出した。

 事件の概要は以上だ。自殺当初から韓国のみならず、日本マスコミをこれを大きく取り上げた。だが、その論調は自殺当初も今回も同じだ。「韓国芸能界は遅れている」「人権がないの」という上から目線の嘆きだ。芸能歴30年以上のある大物女優など「信じられな~い」なんてコメントしていた。信じられないのはお前らだ。ワイドショーは今回のことを他人ごとのように取り上げる。「私たちは関係ないよ」と。そんなワケないだろ!

 日本の芸能界においても性接待、枕営業は昔から存在した。特に歌番組華やかかりし頃、音楽番組系のプロデューサーは露骨だったと聞く。ドラマにしてもしかり。知り合いのマスコミ関係者も「某代理店関係者から『中堅女優なんだが、生活が大変で。一晩100万でどう?』って言われちゃったよ」と自慢されたことがある。これはバブル期のことだ。それ以降も財界人にお世話になってる女優が世間を騒がせたことも。さらに、あの小向美奈子も「週刊ポスト」(小学館)で「アイドルのデートクラブ」の存在を暴露したではないか。それを知らぬ存ぜぬの日本芸能界の方が、よっぽど遅れている。

 ついでに「セブン」の記事によれば、「ジャヨンさんが自殺してからは、警察の取り締まりも厳しくなっています」とのこと。少なくとも韓国警察は取り締まろうとする気はある。だが日本の警察は?? 遅れてるのはどっちだ。

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あれ? 「アッコを頼む」の精神は?

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最終更新:2011/03/16 12:37
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