[連載]鹿砦社・松岡社長の「暴露の花園♪」第10回

手取りは9万円? 暴露本『付き人 松田聖子との456日』に綴られた真実

2010/10/30 17:00
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「このころは時間もないなか、よく
書籍を作ったよな~」と感慨深げ

――『ジャニーズおっかけマップ』『タカラヅカおっかけマップ』や、”松田聖子の愛人ジェフ”による『壊れた愛』など、芸能人の研究本・暴露本など問題作を次々と刊行してきた、鹿砦社・松岡利康社長。”言論の自由”を守るために闘ってきた、社長の壮絶出版人生に迫っちゃうぞ~!

【松田聖子暴露本編】

 前回、前々回に紹介した暴露本で、「ブリっ子で男好き、人の男を奪いたがる」という女に嫌われる性格が露わになったのに、なぜか今でも女性から熱烈な支持を受けている松田聖子。

 聖子ちゃんシリーズのラストを飾る今回は、約1年半、松田聖子の付き人を務めた冨田貴子さんによる『付き人 松田聖子との456日』(鹿砦社)を紹介したいと思います。仕事現場への同行や荷物持ちにはじまり、衣装の着替えを手伝うことまで、マネジャー以上に聖子ちゃんのワガママを一手に引き受けなければならないポジションです。いくら女性の永遠の憧れ”聖子ちゃん”といえど、付き人ほど常に傍にいたのでは、辟易してしまうはず。1年半という短い期間で辞めてしまっているあたり、さぞ過酷な毎日だったに違いない……他人の不幸は蜜の味♪ とワクワクしながら読み進めてみたところ、意外や意外、不幸の「ふ」の字も見当たりませんでした。終始、「聖子さんって、本当に素敵な女性」と説いている、元付き人の冨田さん。ジェフ・ニコルスやアラン・リードとのアメリカでの情事ほか、どのエピソードを持ってきても、「大胆不敵、さすが聖子さん」とベタ褒めです。

 鹿砦社社長の松岡利康さんによると、

「聖子はもともと不良だからね。デビュー前は久留米で暴走族やってたのよ。地元ではかなりブイブイいわしてたみたいよ。そのわりに清純派としてデビューしたわけだけど、そこが芸能人の芸能人たるところだよね~(笑)」

 とのことですが、付き人・冨田さんとの揺るぎない女同士の絆っぷりは、レディース時代に培った賜物なのでしょうか。不良にとって、上下関係は生死が関わる問題ですものね。

 そして、聖子ちゃんの賢いところは、”小さい頃から松田聖子の大ファン”だという冨田さんを付き人に選んだところ。本書によると、もともとは松田聖子の事務所「ファンティック」の新人オーディションに応募してきた冨田さんを、付き人として雇ったのだとか。天下の松田聖子の事務所に雇われているというのに、その給料は基本給が15万円に、源泉と保険を引かれて手取りは9万円。そればかりか、聖子ちゃんの自宅近くのアパートに引っ越しをさせられ、家賃も光熱費も自分持ち。さらには仕事柄、電話をたくさん使うにも関わらず、電話代もすべて自腹だったと書かれています。

 それでも、「赤字を出してもいいから、自分の貯金をはたいてもやっていきたい仕事だったのです。(中略)私は大好きな松田聖子さんの傍にいつもいられるんだ、という喜びで、そんな信じられない待遇でも少しも苦になりませんでした」と、冨田さんの盲信ぶりには、ただただ頭が下がります。

 聖子ちゃんの壮絶な下半身事情から、事務所のお給料状況まで、赤裸々に綴られた鹿砦社の松田聖子暴露シリーズ(『最後の真実』、『心からの愛』、『壊れた愛』、『付き人 松田聖子との456日』)ですが、意外にも裁判に発展したものはひとつもないのだそう。裁判好きで有名な鹿砦社社長の松岡さんに、さぞ物足りなかったのでは? と聞くと、

「そんなことないよ~(笑)。僕は脱力系だから♪」

 と、のらりくらり。

 聖子ちゃんの実態に迫った内容の本(『最後の真実』、『心からの愛』、『壊れた愛』)と、賛美の本(『付き人 松田聖子との456日』)を出版し、「松田聖子」というアイドルの光と影を知らしめるあたり、脱力系の仕事ではないと思うのですが……。
(朝井麻由美)

松岡利康(まつおか・としやす)
1951年9月25日生まれ、熊本県出身。同志社大学文学部卒業後、貿易関係の仕事に従事。サラリーマン生活を経て、83年にエスエル出版会を設立、88 年に一時期経営危機に陥っていた鹿砦社を友好的買収、同社社長に就任。05年にパチスロメーカー大手のアルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)を取り上げた『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』、球団スカウトの死に迫った『阪神タイガースの闇』などの出版物について、名誉毀損で神戸地検に逮捕、起訴され、有罪判決を受ける。

『付き人 松田聖子との456日』

とりあえずスッピンが気になるよね!

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最終更新:2019/05/17 20:35
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