有名人のお墓、いらっしゃ~い!

香炉がタバコで灰皿化!? お彼岸だから行っときたい、あの有名人の墓参り

2010/09/18 11:45

 今年も、お彼岸シーズンが到来。憧れだったあの人のお墓へ出掛けて、想いの丈や感謝の気持ちを伝えるには絶好のシーズンです。そもそもお彼岸とは、春分の日と秋分の日を挟んだ前後3日の計7日間のことで、この期間に仏様の供養をする事で、極楽浄土へ行くことが出来ると言われています。そんなお彼岸な今に行っておきたい、「有名人のお墓」を全二回でご案内。お出かけの際には、おはぎのご用意をお忘れなく……。

■線香代わりに煙草がマナー、尾崎豊の墓参り

 尾崎豊は1965年生まれ。青山学院在学中の82年にアルバム『十七歳の地図』でデビュー。大人への反抗や反体制をテーマにした曲が若者の共感を呼び、「10代の教祖」としてたちまちカリスマになった。その後「I LOVE YOU」「OH MY LITTLE GIRL」など数々の名曲を生み出していったものの、26歳で突然の死が訪れる。死後さらに神格化され、ある世代にとっては青春の象徴ともいえる存在だ。

 しかし、その死から今年で18年。2010年になった今、「十代の教祖」と呼ばれているのは「会いたくて会いたくて震えてる」西野カナだ。「自分の存在が何なのかさえ解らず震えて」いた尾崎はもう過去の人なのか……。

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 尾崎の墓は、西武線西武球場前駅の近く、狭山湖畔霊園にある。入り口を少し進んだ小高い丘の上に尾崎の墓はあった。管理事務所の方に伺うと毎日のように墓参りのファンが訪れるそうだ。カリスマは死してなお健在だったのだ!

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(左)墓石のサイズにまずは驚き (右)喫煙所の様相を呈する香炉

 遺作となったアルバム『放熱の証』から「生きること、それは日々を告白していくことだろう」と刻まれた歌碑。そしてその前に「尾崎」とだけ刻まれた赤い墓石。カリスマらしい存在感を放っている。

 訪れた日はあいにくの雨。しかも平日だったためか筆者以外の人間は見かけなかったが、週末になるとファンが持参した花やお供え物でお墓がいっぱいになるそうだ。また、尾崎ファンは線香の代わりに煙草を供える人が多い。みんながやってしまうため香炉が灰皿のようになってしまうそうだが、大人への反抗を象徴するアイテムとして煙草を歌詞に多用した尾崎のファンらしい。

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社会の不条理に悩む若者の血を呼び寄せてしまったのだろうか......

 墓ヘ向かう遊歩道にコンクリートの壁がある。かつては尾崎のファンたちがここに思い思いの言葉を書き綴っていたそうだ。だが今は全て白く塗りつぶさてしまった。代わりに「関西読売西武襲撃連合東京一家」と、もはやわけが分からない落書きだけが残っていた。こんなことを書いても自由になれた気もしなかっただろうに……。

・狭山湖畔霊園
・最寄駅:西武線西武球場前駅

■裕ちゃん健在! 一日に700人が訪れる石原裕次郎の墓参り

 日本で一番墓参り客が多いのは誰の墓か。どこかの教祖様のような特例を除けば、石原裕次郎その人ではないだろうか。1934年生まれ。56年に兄・慎太郎原作の映画『太陽の季節』で銀幕デビューを飾る。87年、肝細胞癌により57歳で死去するまで映画『嵐を呼ぶ男』、ドラマ『西部警察』シリーズなど出演した作品は数知れず。歌手としても石原軍団総帥としても知られる昭和を照らした続けた大スターだ。

 そんな裕次郎の墓があるのは横浜市の鶴見駅の近く、総持寺内の霊園。境内を含め広大な敷地だが迷うことはない。

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歩みを進めるごとに、裕次郎の墓への期待が募る

 ちゃんと案内板が用意されているのだ! そして墓の入り口にはその名前が刻んであるのだから間違えようがない。

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『嵐を呼ぶ男』のドラムセットを思わせる立派な佇まい。

 裕次郎の墓参り客が多いのにはわけがある。総持寺は曹洞宗の総本山で、日々日本中から信徒の方が集まる。その参拝コースに、なんとこの裕次郎の墓が含まれているというのだ。多いときで700人くらいの墓参り客が訪れるという。その他にも墓参りに来た総持寺の檀家の方が、一緒に裕次郎の墓参りをしていくそうだ。裕次郎は今も太陽のように多くの人を照らし続けているのだ。

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(左)壁にあるカレンダーに注目(右)命日の様子。次は是非命日に訪れてみたい

 管理事務所には裕次郎の2010年版(!)カレンダーが貼られていた。訪れた日は彼岸前で花が少なかったが、命日にはこんなにも花が飾られるそうだ。愛煙家の裕次郎らしく灰皿が設置されていて、近所の方の憩いの場としても利用されている。生前友人が多く賑やかなのが好きだった、実に裕次郎らしいお墓だった。

・総持寺
・最寄駅:JR各線 鶴見駅

■極彩色のエキサイティングな石ノ森章太郎の墓参り

 誕生から40年経過した今もなお、お子様だけじゃなくお母様方をもエキサイトさせる「仮面ライダー」の生みの親、石ノ森章太郎先生はお墓もエキサイティングだ。東京豊島区要町から徒歩2分。池袋駅からも徒歩7分程の距離にある祥雲寺にそのお墓はある。

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 石ノ森先生は1938年生まれ。多作で知られ生涯に描かれた作品は770点にも上る。一人の著者による最も多い漫画出版の記録として、ギネスに登録されているほどだ。描いた作品も幅広く、『サイボーグ009』のような少年向けSFから『HOTEL』のようなヒューマンドラマ、さらには大人向け学習漫画という新しいジャンルも開拓した。石ノ森先生はその漫画表現の無限の可能性に対し、89年に「”萬”画宣言」を発表。「萬画家」を名乗り、墓石にも「萬」の文字が大きく刻まれている。

 また、こんな色使いの鮮やかな石ノ森先生のお墓はとてもきれいに手入れをされている。訪れたとき供えられていた花も新しいものだった。ご家族の方が度々きて管理されているそうだが、未だ数多く訪れるファンのことを考えてのことかも知れない。

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 「森羅”萬”象」の言葉のとおり、石ノ森先生が描いた多彩なキャラクターが散りばめられている。石ノ森先生は98年にリンパ腫により60歳の若さで死去。生涯現役を貫いたが『サイボーグ009』の完結編はついに描かれることがなかった。

 石ノ森先生は同じ豊島区内にある漫画ファンの聖地「トキワ荘」の出身者であることも知られている。残念ながらトキワ荘は現存していないが、トキワ荘近くの公園に記念碑が建てられており、墓参りに訪れたファンは聖地巡礼として一緒に回るのがお決まりのコースだそうだ。

・祥雲寺
・最寄駅:JR各線 池袋駅

(大熊信)

おはぎ ひとくちサイズ(おはぎ・6個入りおはぎ)

石原軍団の定番おはぎじゃないけど、許して裕ちゃん!

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最終更新:2011/03/13 22:12
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