[連載]ハリウッド版「あの人は今!?」

恋多きアラ還セレブ! 『アダムス・ファミリー』出演のアーティスト系女優はいま?

2010/07/03 11:45
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『アダムス・ファミリー』がハマリ役だったんですね

――夢中になった映画やドラマに出演していた、あの人。パタっと見なくなったけど、やっぱり気になる~!! そんなアナタのために、サイゾーウーマンの海外特派員・JULIEが、噂のあの人の仕事からプライベートまで、現地で情報をかき集めてきました!

 不気味で邪悪なことが大好きな、西洋妖怪ファミリーの「ホラーでオカルトチックな日常」をコミカルに描いた海外ドラマ『アダムスのお化け一家』(1964~66)。今なおカルト的人気を誇る同作を、特殊効果を駆使して再現した映画『アダムス・ファミリー』(1991)で、主人ゴメスの愛妻モーティシアを演じたのがアンジェリカ・ヒューストンです。拷問するのもされるのも大好きな、妖艶な魔女モーティシアは、作中でも屈指の人気キャラ。独特な雰囲気を持つアンジェリカは、原作漫画に最も近いモーティシアを演じたと大絶賛され、年齢を感じさせないエレガントで優雅な魅力に世界中が酔いしれました。

 アカデミー監督であるジョン・ヒューストンを父に、バレリーナのリッキー・ソマを母に持つアンジェリカは、幼い頃から父の映画に子役出演していました。母が39歳の若さで交通事故死した後、イギリスから単身ニューヨークへ渡り、モデル活動を開始。多くのカメラマンを虜にし、ファッション・アイコンとして有名誌の表紙を飾るようになります。

 「モデルとは演じること。女優業と共通することがある」と語るアンジェリカは、ほどなくして女優へ転身。本格的に演劇を学び、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1981)で注目されるようになりました。実は、この作品は73年から交際していたジャック・ニコルソンとの共演映画なのです。

 その後、数多くのハリウッド映画に出演し『女と男の名誉』(1985)でアカデミー賞助演女優賞を獲得。父だけでなく、祖父ウォルター・ヒューストンも『黄金』(48)でアカデミー助演男優賞しているため、三世代でアカデミーを制したと大きな話題になりました。『敵、ある愛の物語』(89)、『グリフターズ 詐欺師たち』(90)でも再びアカデミーにノミネートされ、大御所女優としての地位を築きあげていったのです。

 『アダムス・ファミリー』で、異色キャラクターに挑戦し、新たな一面を見せたアンジェリカは、93年に公開された『アダムス・ファミリー2』にも引き続き出演。その後も、ドリュー・バリモアと共演した『エバー・アフター』(98)、アカデミー賞ノミネート映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(01)などコンスタントに評判のよい映画に出演してます。

 しかし、アンジェリカがここ15年間、全身全霊をかけて力を注いでいるのは、実は女優業ではなく監督業。しかし、タブー視されやすいテーマをあえて取り上げるため、風当たりが強く批判されることも少なくありません。

 アンジェリカの監督デビュー作であるテレビ映画『冷たい一瞬を抱いて』(96)は、DVと幼児への日常的な性暴力を題材とした作品。当時は、幼児への性暴力やDVがまだまだ認知されておらず、作品は世間に大きな衝撃を与えました。3年後に制作した『Angnes Browne』は、ダブリンの青空市場で働く7人の子持ちシングルマザーの奮闘記で、こちらも論争を巻き起こしました。

 05年にテレビ映画として放送された『Riding the Bus with My Sister』は、父の死後、知的障害の妹と1年間行動を共にした姉が、さまざまなことを知っていくという物語。『妹とバスに乗って』という本を基にしているのですが、DVや両親の不倫という家庭の暗い部分だけでなく、知的障害者である妹に恋人ができたとき、不妊手術をするか家族が悩むなど、リアルなダークストーリーとして世間に問題を提起しました。

 モデル、女優、監督。多彩な才能を持つアンジェリカの心を鷲づかみにした、ジャック・ニコルソンとは、73年から90年の17年もの間、くっついたり離れたり、ドラッグをしたりと決して健康的な交際ではなかったものの、ジャックと添い遂げると確信していたアンジェリカ。しかし、他の女性がジャクの子供を産んだときにあっさり身を引いたそう。(モデルとして活躍していた10代の頃は23歳年上の写真家ボブ・リチャードソン(テリー・リチャードソンの父)と不倫していた彼女ですが、いつも温かい家庭を築きたいと夢みていたそうです)

 92年には彫刻家のロバート・グレアムと結婚しましたが、愛し合っていたものの「激しく荒れ狂った関係」だったそう。08年12月にロバートが他界してからは、独り身になり、自由でアートな時間を楽しんでいるとインタビューで語っています。

 「原爆が広島に投下されてから、世界はローラーコースターに乗り続けている。もう誰にも止められない」と、これからも世間に問いかけるような映画を撮り、心を打つ演技をし続けると、生涯現役を宣言しているアラ還(59歳)アンジェリカ。アカデミー賞監督受賞も不可能ではないといわれている、彼女の今後の活躍は、大いに期待できそうです。

JULIE
海外生活20年以上の、海外芸能ジャーナリスト。 ゴシップサイトやタブロイド紙を毎日巡回中。ルーペ・ヴェレスからレディー・ガガまでイケる雑食系。世界各地から情報を取り寄せ、粘着質的にリサーチするのが大好物。

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最終更新:2013/04/04 00:43
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