辛酸なめ子のサバイバル女道【下巻】

リッチな男をゲットして不況を乗り越えたい! 辛酸なめ子がマジ相談

2009/09/23 11:45
namekomanga.jpg

上巻中巻

■世界一の美女が貫いている、リッチマンへの態度とは?

 ところで森さんがミス ユニバースに選ばれた後、ミスUSAやミス・ティーンUSAとNYで共同生活した『pagent place』【註3】というリアリティ番組がFOXで放映されました。そこでは日本食や荷物圧縮パックを広めたり、仲違いを仲裁したりで、「理世と話すと落ち着くの」と言われ、癒やし系いい人キャラになっていた森さん。女同士の泥沼バトルからは距離を置いていたのが印象的でした。

「日本人のいいところは、冷静に物事を観察してトラブルを回避し、なごやかに物事を解決する点だと思うんです。アメリカ人は意見を主張し、ぶつかり合って仲を深めていくのですが、その様子を観察し、丸くまとめていくのが日本人の役割。でも、共同生活はすごく楽しかったです」

「ミス・ティーンUSAのケイティーが付き合っていたジョシュというキモい男が、嫉妬深くて偉そうなダメ男でしたね」と、また私が世俗的な話を振ってしまったのですが、森さんは全然のってこなくて、さすが……と感じ入りました。世界一の美女は人の悪口を言わない、と心にメモです。

「ミスUSAの方々は、主催者であるドナルド・トランプ氏の気を引こうとして争っているようでしたが……」。そんな度重なる私の俗な質問にも、

「番組では、そういうところが強調されていたかもしれません。ドナルド・トランプさんは私たちにとって大ボスで、とてもリッチな不動産王ですごい方。会えるだけで誇りだったので、気に入られたいとか、それ以上のことは求めなかったです」

と涼しげな笑顔で答える森さん。

 不動産王の話題が出たところで、大富豪に気に入られステップアップする処世術を、ぜひ教えてもらいたいです。

「ミス ユニバースになると、すごいセレブな男性にもたくさん会えると思いますが、彼らに好感を持たれるには、どんな態度で接するのがよいですか?」

「世界的な富豪とか、石油王、大統領、ロイヤルファミリーにも会いましたね。会って緊張したセレブは特にいないです。いつどんな方に会っても、自分に自信を持ってひるまずに振る舞おうと心がけていました。敬意は示しますけれど、同じ人間で皆平等だと思っているので、相手の地位によって態度を変えることはありません」

 女を武器にしない森さんは、有力者にセクハラされることもなさそうです。どうすればそんなに毅然としていられるのでしょう……。

「日々のトレーニングによって、自信は作られると思います。外見だけ着飾っても、いつかそれははげてしまう。自分を内側から磨いてって、中身をしっかりさせなければならないと思います」

 森さんはダンスで魂を磨いていったそうですが、運動音痴で体が固い私には難易度が高いです。とりあえず話術で気に入られるには……。

「世界的な有力者とは、どんな会話をしたらいいのでしょう?」

「私は、その国の文化や歴史について会話しましたね。民族舞踊を一緒に踊ったり」

 ……地理の勉強とダンスは必須みたいです。

 それにしても、世界の女性のお手本として、何を聞いても完璧でスキのない答えが返ってきます。森さんはこのまま、世界一、宇宙一、霊界一……と、さらなる高みにステップアップしていきそうです。それなのに、現世的な質問ばかりしてすみません……。

「セレブなパーティには、よく行かれるんですか?」

「チャリティ関係のパーティが多いですね。ブランドとか、遊びのパーティはあまりないです。クラブで夜遊びも一切ないです。それよりは星のきれいなところに行った方がイメージも膨らむし、夜は早く寝たほうが美容にもいいです」

 世界一の処世術を知りたくてお話を伺ったのですが、森さんの聖人レベルの心の美しさに圧倒されました。セレブな男性よりも神に愛されることで、守護を受け、人生が順調になるのかもしれません。

教訓「富豪より神に好かれる女になる」

[註3]『pagent place』…邦題は『ミス ユニバース 森理世 in NY』。2008年5月にFOXで放映されたリアリティ番組。アメリカに本部を置くミス ユニバース ぺージェントで勝ち抜いた女性3人が、大会主催者ドナルド・トランプ氏所有のマンハッタンのゴージャスマンションで共同生活する様子が映し出され、女同士のケンカやすっぴんなどのプライバシーがあらわに……。森さんがダンスを披露するシーンもありました。

森理世(もり・りよ)
 1986年、静岡県生まれ。4歳からジャズダンスを始める。カナダの高校に留学して語学を学び、クラシックバレエも習得。卒業後はニューヨークにてブロードウェイを目指したダンスプログラムを受ける。帰国後、2007ミス ユニバース日本代表選考会優勝。07年5月にメキシコで開催された世界大会で、世界80カ国の代表の中で優勝し、ミス ユニバース2007に輝く。任期中から現在に至るまで、エイズ・HIVの知識を同世代に広める活動をはじめとしたチャリティ活動を積極的に行う。09年4月、静岡にダンススクール「I.R.M.アカデミー」を設立、アーティスティック・ディレクターを務めながら、多方面で活躍している。http://riyo-mori.com/1986年、静岡県生まれ。4歳からジャズダンスを始める。カナダの高校に留学して語学を学び、クラシックバレエも習得。卒業後はニューヨークにてブロードウェイを目指したダンスプログラムを受ける。帰国後、2007ミス ユニバース日本代表選考会優勝。07年5月にメキシコで開催された世界大会で、世界80カ国の代表の中で優勝し、ミス ユニバース2007に輝く。任期中から現在に至るまで、エイズ・HIVの知識を同世代に広める活動をはじめとしたチャリティ活動を積極的に行う。09年4月、静岡にダンススクール「I.R.M.アカデミー」を設立、アーティスティック・ディレクターを務めながら、多方面で活躍している。http://riyo-mori.com/

辛酸なめ子(しんさん・なめこ)
1974年生まれ。東京生まれ埼玉育ち。漫画家・エッセイスト。セレブ、スピリチュアル、女磨きなどをテーマに、数々の作品を発表。「週刊文春」など多数の雑誌で連載記事を持つ。主な著書に、『女修行』(インフォバーン)、『女の人生すごろく』(マガジンハウス)、『開運修行』(講談社)など。

【関連記事】 “ハンサムリッチ”で”美貌男”な編集長ブログに、関係者もあきれ顔?
【関連記事】 “美人すぎる”藤川ゆりが世界1位に! 日本女性は世界でモテモテ?
【関連記事】 潔癖症で不幸!? 芸能界での居場所を探すマリエの必死な”形相”

最終更新:2013/04/04 03:32
アクセスランキング