[TVツッコミ道場]

芸人キラー徹子、新挑戦者のアンタに猛ラッシュ……そして奇声

2009/08/01 08:00
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徹子さんに悪気はありませんので!

「いけ、いけ!」「よしよし、効いてる、効いてるぞ!」「やばい! まともにくらった」

 いつからこんな格闘技中継を見るような気持ちで、この番組を見るようになったのか。今回は、そんな『徹子の部屋』(テレビ朝日系)7月28日の放送に、ツッコませていただきます。

 ゲストはアンタッチャブル。カギになるのはやはり山崎弘也の空気だろう。最近も『アメトーーク』(同)で、「山崎憧れ芸人」として、その強ハートと切り返しのスピードなどを評価する芸人たちを特集したり、『ロンドンハーツ』(同)での「芸人リアル好感度調査」でも、総勢25名の芸人の中で主役級の働きを見せたりと大活躍。

 その一方で、『リンカーン』(TBS系)の「説教先生」企画に登場したときには、終始ヘンな汗と顔色、固まった表情という惨敗ぶりで、意外に弱い面もあるというところも見たばかり。果たして、今回の対徹子戦はどう出るのか。徹子の空気にのまれてしまうのか、「あざ~~す!」とか「的な、ね」「○○からのー?」とか、いつものテンションで、ひっかきまわしてくれるのか。

 番組テーマの「♪ル~ルル」が流れる中、のっけに徹子が言った。

「今日のお二人は、笑わせてくださるお二人とうかがっておりますが」

……開始のゴング早々、いきなりハードルをグイッと上げちゃった! 先制パンチ! 続いて徹子は二人を紹介。「柴田英嗣さん。ツッコミがご専門」「山崎弘也さん。この方はボケが担当で」コンビ芸人を紹介するときの定番、ボケとツッコミの位置関係の確認だ。芸人ゲストの『徹子の部屋』テンプレートのようで、なんだか友近がものまねした、仮想徹子みたい。

 プロフィール紹介で、山崎が独身だという話になり、「(相手は)上戸彩ちゃんみたいなコが、できれば」と言えば、「上戸彩ちゃんみたいな子供ができる?」と、得意技の聞き間違いで返す。続いて山崎が武田鉄矢に憧れていたという話では、『101回目のプロポーズ』の「101」を「イチマルイチ」と読み違えてしまう。

 それにしても、画面を通してハンパじゃない緊張感が伝わってくる。柴田が手数多く立ち向かっていくが、そのほとんどがスルー、または効いていない。おまけに先述のように想定外の聞き違いなどで流れが変わってしまい、なかなかアンタッチャブルの土俵に持ち込めない。苦戦を裏付けるように、山崎も「なるほどー」「あーうんうんうん」「あらら……」と、ヘンな相づちを打つばかり。

 そして、番組中盤で二人にネタを披露してもらう段取りになったところで、徹子が言った。

「”徹子の部屋芸人”っていうんでしょ?」

 知られてた! 昨年、小島よしおが出演したあたりから、芸人の間での盛り上がりに気付いている感じだったが、とうとう企画名までハッキリ明言されてしまった。そして……、

「私がどんなふうにそれに反応したかっていうことをね。できれば笑いたいと思ってます」

 ”できれば笑いたい”! ネタ直前に、ハードル、さらにグイーンと急上昇!

「さぞかし面白いものと私は思っておりますので」「笑わせていただきたいと思います」

 連打、連打、連打! コーナーラッシュを受けたような状態でネタに突入。反応は……?

「いやー面白かったです! とっても面白かったです、笑わせていただきました」

 若干棒読みぽく聞こえたのが気になるが、よかったよかった。

 このあたりから試合(?)の主導権を完全に掌握されてしまったのか、ヘンな「新婚コント(?)」に山崎が巻き込まれてしまう。

「アナタ、おでかけのお時間☆」(徹子)
「アラララ」(山崎)
「ごはん食べってって、ごはんできてますから」(徹子)
「あ、そうですよね、ごはん食べてからですもんね」(山崎)
「柴田さんのぶんもお弁当持っていく?」(徹子)
「アラ、そんなに?」(山崎)
「でも柴田さんは奥さんいるから、お弁当いらないかもね」(徹子)
「アラララ、うんうんうん」(山崎)
「いってらっしゃーい!」(徹子)
「アラララララ……」(山崎)

 山崎、「アララ」しか言えてない! 誰か、タオルを! で、呆然とする二人と対照的に、新妻コントでノッてきたのか、徹子はカメラ目線で叫んだ。「コマーシャルでーす!」ゴングのようだ。

 最後に、柴田が動物が好きで、本も出したという話題になる。その本について、「パンダのことは何か書いてあるの?」と、質問がきた。そして、柴田がパンダの赤ちゃんの話をしたところ、徹子がフッた。

「おっきい声で鳴くのは知ってます?」

 と徹子が言ったと思った瞬間、

「ア~~~ッ!!」

 奇声をあげた。パンダの赤ちゃんの鳴きまねらしい。呆然とする二人の前で、

「ア~~~!!」「ア~~~ッ!!」

 勝ち名乗りか、試合終了のゴングなのか、何度も奇声をあげる徹子。ということで、この勝負、徹子の完全なるK.O.でした。
(太田サトル)

『「徹子の部屋」の30年 あの名場面をもう一度』

えっ、パンダの鳴き声はコレっきりじゃないの!?

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最終更新:2010/01/04 19:44
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