今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

日食に合わせてご帰還! 今後のエリカ様の正しい鑑賞方法とは?

2009/07/24 11:45
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実態のないセレブ感が増しています

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎芸能界の新たな風物詩とは
 エリカ様が帰ってきた! わーいわーい!
 不思議なもんで、ずっと日本にいてウロウロされてたら、腹のひとつも立つんだろうが、こうたまーにだと、しかも膝を打つほど相変わらずだと、何だかちょっと見られて嬉しい。マスコミもとりあえず「エリカ様、ご帰還」ということで統一してるし、世間も「何はともあれ、とにかく見たい」ということで一致してるし。で、見た後みんなで「やっぱりね」と膝を打つ。もう彼女に関しては、いちいちツッコミを入れるより、すべてわかった上で、ただ鑑賞する、という楽しみ方で正解だと思う。毎年世界のどっかで日食が起こるたび、そこにはエリカ様がいる。サングラス姿の彼女が立膝ついてふんぞり返ってる映像を見ては「お、今年ももう夏本番だな」と季節を感じる。もうこれは風物詩だ。西田ひかるのお誕生日会以来、消えて久しかった芸能界の恒例行事。これからは「エリカ様の日食鑑賞」で決まりだ。

◎石原軍団も熟年ですから
 石原裕次郎の二十三回忌で、抽選で配られていた記念品(写真集&裕ちゃんメッセージ刻印入り焼酎)が、発売されるそうである。やっぱりな。絶対売ると思った。「抽選にもれた人からの問い合わせが殺到した」「オークションで八万もの高値が付いていた」。うんうん、そうだね。それじゃあ仕方ないね。そんな理由がしっかりついたね。満を持して、機は熟したね。写真集&焼酎セット15,500円。焼酎のみは10,500円也。送料込み。この「送料込み」って部分が、購買層(熟年)のことを知りつくしてると思う。絶妙。

◎ここは新喜劇でおひとつ
 前田五郎が事情聴取されたそうである。しかしなあ。「中田カウス襲撃事件」が、なんか本当に「事件」として扱われてるのが不思議でならない。「中田カウス、脅迫される」も「中田カウス、襲撃される」も、どうしても「ネタ」という概念でしか捉えられない。いや、中田カウスが、襲われておいしいと思ってるとかいう話ではなくて。何ていうかこう、中田カウスだの前田五郎といった名称から喚起されるあの独特の世界観……。吉本の大御所、花月の舞台、白いタキシード、やりつくされ擦り切れ、半ば形骸化したネタ、相方がボタン、もう一方は坂田利夫……。プンワカプンワ、プンワカプンワ(新喜劇だけど)の音楽が鳴り響くあの世界に、「大阪府警」「事情聴取」「被害届」「脅迫容疑」などといった、しかめつらしい「ちゃんとした」言葉は、そぐわないこと甚だしい。誰か殺されでもしない限り、治外法権ってことでいいのに。特に中田カウスは、かなりひどい目にあっても、世間の心情としては「自業自得」で終わりだしなあ。百歩譲って事情聴取をするとしても、あの新喜劇の舞台上の、書き割りの派出所の中で十分。もちろん、おまわりさんも石田靖だ。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

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