[ジャニーズツッコミ道場]

Hey!Say!JUMP・中島裕翔が滑稽さ、情けなさをさらけ出し羽ばたいた『刑事バレリーノ』

2016/01/12 20:30
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『刑事バレリーノ』(日本テレビ系)公式サイトより

 今回ツッコませていただくのは、1月9日に放送された、Hey!Say!JUMP・中島裕翔主演のスペシャルドラマ『刑事バレリーノ』(日本テレビ系)。

 「主人公は、プロのバレエダンサーを目指していた新米刑事で、自分を白鳥の生まれ変わりと思い込んでいる」という意味不明の設定と、予告で見るビジュアルなどから、ハマリ役の予感はあったが、実際に見てみると、予想を上回るシンクロ度の高さに驚かされた。

 「前世」が絡むトンデモストーリーであったり、幼い子が残酷な事件に巻き込まれる後味の悪さ・不快感もあったりしたものの、全体的にはバカバカしくおかしく、何より中島がハジけまくっていた。

 長身や、姿勢の良さ、端正で上品な顔立ちといった本来「美」の要素が、調理の仕方で美しくもヘンテコにも変わる。それは、中島本人が持っている子どものようなまっすぐさ、生真面目さ、純粋さ、無邪気さ、頑固さという内面が大きく影響しているように見えた。世間的には『半沢直樹』(TBS系)の新人銀行員・中西役で芽を出し、『デート~恋とはどんなものかしら~』(フジテレビ系)の好青年・鷲尾役で花開いたと思われているが、彼が演技仕事で新しい扉を開いたのは、実は『理想の息子』(日本テレビ系)ではなかったかと思う。

 山田涼介演じる人気者の主人公に対し、親友の顔をしながらも、嫉妬と愛憎を募らせていくお金持ちのお坊ちゃん役。育ちの良さそうなお坊ちゃん的雰囲気以上に本人と重なり合っていたのは、圧倒的人気によりグループのセンターにのし上がった山田と、センターを明け渡した形の中島との関係性からくる複雑な心情に見えた。

 一時は荒んでいたと本人も語っているように、以前だったら受け入れるのが難しかったはずの屈辱的設定。だが、それを正面から受け入れ、開き直って“小物キャラ”をユーモラスに演じたところ、一皮剥け、役者としての一歩を踏み出したように思う。

 そんな中島の家庭環境などからくる品の良さや、持って生まれた容姿、良くも悪くもまっすぐすぎる性質、味わってきた挫折や経験から得た開き直り・自信など、全ての要素を総動員してできあがったのが、素直で真面目で強情でヘンテコで愛おしい“バレリーノ”というキャラに見えた。まさに、中島そのまんまなのだ。

 かつては「爽やかに溶け込む薄いキャラの俳優に育った」と思っていた(既出)。でも、まっすぐさをそのまま手放さず、滑稽さ、情けなさも全部をさらけ出したことで、また大きく羽ばたいたのではないだろうか。

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