【messy】

嫉妬心は、嫉妬心を持つ本人が解決すべきもの。エンジョイ ジェラシー!

2015/08/14 20:00

赤坂 “ユニコ”菜生です。赤坂沙世がまだ台湾なので、今回も、私がひとりでお送りします。

今日は、以前、ポリアモリーを実践する方から寄せられた相談に答えます。

『ポリアモリーを実践しているときでも、恋人たちは私の中で明確に序列化されてしまいます。それは、恋愛やセックス以前に、私の中での人としての評価が違うため避けられません。でも、私の心の中にある序列を知った序列の低い女性が、強い嫉妬を感じているのが分かったりします。 菜生さんはどうしているのでしょうか。ポリアモリーを実践する人の中には、完全に平等に扱うべきだと主張する人もいますが、その点について菜生さんはどう考えますか。「なんで、あの女と、私を平等に扱えないのか」と言われたことがあるのです』

◎恋人同士が仲良くなるようにすることが、ジェラシーの解決方法のひとつ

私のポリアモリーのスタイルは、私に何人もの恋人がいるといったものではなく、網の目のようにみんなでトライブを形成するようなものです。そうした性質上、恋人同士が嫉みあったりすることはほとんどありません。男同士、女同士、 恋人同士が仲良くすることで、どんどん関係が良くなっていきます。

例えば私の場合、私の恋人たちが、男同士で話しているとき、それぞれ私とふたりでいるとき以上に楽しそうだったりします。「菜生ちゃん、下で寝てきたら」と、促され、私が席を離れなくてはいけないほどです。私も、恋人のガールフレンドと一緒にいるときはとてもウキウキします。恋人同士が親密な関係になれるよう、配慮してあげるといいでしょうね。 恋人たちの序列は、生活を共有する度合いや、社会的な能力、性的な能力、トライブ全体への貢献度などにより、誰もが納得せざるを得ない形で、その場その場で自然に形成されています。

また、完全に平等に扱うべきだと考えるかどうかという質問ですが、私は、恋愛においては、平等であることより、フェア(公平)であることが大切だと思っています。フェアであろうとし、また、それぞれがそれぞれに責任を負うことで、役割分担が生まれ、場面に応じて緩やかな序列が生まれるものだと思います。

「なんで、あの女と、私を平等に扱えないのか」などと言ってくる人には、同じことを言い返してあげればいいと思います。
「君は、私と、あの女を、平等に扱っているのか?」と。

◎合意した関係を守ることが鍵

また、ポリアモリーというのは、関係に参加する全員が、関係のあり方に合意しているものを指します。全員が合意した関係を守っている以上、その中で不満が生じたとしても、それは不満を感じている本人の責任だと言えます。不満があるなら関係を持たなければいいだけのことだからです。

もちろん、「デートの時間配分は均等に行い、セックスの頻度は全員全く同じにし、情熱は偏らないように心がける」などといったルールに全員が合意している関係の中なら、それを守る必要はあると思いますが、私や私の恋人たちなら、そんなルールには決して合意しないでしょう。

私自身は、恋人の生活の向上や心身の健康については、全員に対して互いに責任を持ちます。しかし、恋愛感情や性欲などに関わることは、自分も相手も、すべて、自由にしています。

ただ、もし、恋愛感情や性欲が強く湧かなくなったら、(そういうことは今までほとんど起こったことがないのですが)そういう相手にこそ、生活の向上や心身の健康のために出来るだけのことをしてあげたいな、と思います。この考え方は、愛人とも家族ともうまくやっている既婚者にも似ているかもしれません。また、私の場合、私と一緒にいるだけで幸せだと感じる人とお付き合いするので、「平等に扱え」 などと見返りのようなものを求められること自体があまりありません。

◎本来ジェラシーは、ジェラシーを感じる本人が解決すべきもの。「エンジョイ ジェラシー!」

「平等に扱え」「もっと好きになってくれ」などといった嫉みの多くは、自己評価の低さや、社会的成熟度の低さから生まれます。自己評価や社会的成熟度を高めていくのは、本人の意思、向上心です。

私の場合、私と出会ったことが、恋人にとってそうした向上心を持つきっかけとなり、どんどん成長して立派になっていくこともよくあります。それはとても嬉しいことですが、私自身は、相手にそうした意志や向上心を持つことを強要しません。

いずれにしても、そうした嫉みは、嫉みを持つ本人が解決すべき問題であり、嫉まれる側の問題ではないと私は考えます。世の中には、寝取られるのが大好きな方や、不幸な恋愛を求めるマゾヒストなど、嫉むこと自体が好きな方も沢山いるのです。「ひどいひどい」と言いながらも離れていかないのであれば、嫉むこと自体が大好きなのかもしれませんし、そうした喜びをわざわざ奪うこともありません。

■赤坂沙世/ 活動家。モデル、フォトグラファー、様々なアートディレクションを手掛ける。世界各国で活躍中。https://instagram.com/sayoakasaka/

■赤坂“ユニコ”菜生/ テトラヒドロン人間関係研究所所長。日本におけるポリアモリーコーチングの第一人者としてPolyamory JPを運営。

最終更新:2015/08/14 20:00
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