【messy】

前世はピータン? 妄想物語とともに「ピータン入り冷やし中華」

2015/06/27 20:00

こんにちは。自意識和代でございます。
紫陽花が咲いているのに暑さで乾きかけている日もありまして。
紫陽花も私も大丈夫かしら? 梅雨らしくもうちょっと雨が降って欲しいわと思う今日この頃です。
潤いたい……。

さて、今回のお喋りは前世作り話です。
みなさんは自分の前世を占ってもらったり「あれ、前世は〇〇だったのでは?」などと何となく自分で感じたことはありますか? 残念ながら私はありません。

一度眠りにつくとスコン! と意識が落ちてほとんど夢を見ない……ことが関係あるのかどうかわかりませんが、ふとした瞬間に(手の動きを止めてシリアスな表情で)「私は前世〇〇だったのではないだろうか?」と思ったことは皆無です。
冗談でもいいから私も何か前世のイメージ欲しいな!

すると、友人が「前世、ちょんまげだったんじゃない?」とな。
ちょんまげ……。
相撲の真っ最中に激しく揺さぶられる大銀杏を思い出しました。
力士の誕生とともに生まれ、時に頭上から力士を励まし、優勝パレードでは誇らしげに鎮座し、引退とともに力士から去る。
さらば、相撲生活。
さらば、大銀杏としての私。
(喝采)

ちょんまげとしての自分を想像してみましたが、苦笑いで友人を見てしまいました。
ちなみに友人の前世は花魁だそうな。
「う~んとね。じゃ、ピータン。間抜けな感じがアンタっぽいよ!」
ピータンねえ……

〜雲〜 〜雲〜 〜雲〜 〜雲〜 〜雲〜 〜雲〜 〜雲〜 〜雲〜 〜雲〜 〜雲〜 〜雲〜

昔むかし、とある民家の近くにひとつの卵が埋まっていました。
卵はずっと自分がどこから来たのか知りたいと思っていました。
兄弟姉妹の卵たちが入っていたカゴから自分だけが転げ落ちてしまったところまでは覚えていたのですが、その後の記憶はありません。
ずっとひとりで灰の中。
寂しさと悲しみのあまり、透明だった体はすっかり茶色になっていました。

そんな日々を過ごしていたある日、卵は珍しく夢を見ました。

のどかな道をひとりの爺さんが歩いています。
名前はぴいたん(肥譚)。
気はいいのですが、少々ズボラと言いましょうか、大雑把なところがありまして。
たとえば、買い物の帰りに果物をポテン! と落としても「まあいいか」と拾わずにヨタヨタ帰ってしまうのです。
「ほーらまたぴいたん、置き土産~!」
なんて村の子供たちの声が聞こえてきてもお構いなし。
まあ、必要なら誰か拾って食べるだろう。
誰も拾わなければ動物が来て食べるだろう。
動物も来ないなら土に還るだろう。
……それ無駄だろう!
呑気なものです。

このあたりの動物たちは、ぴいたん爺さんが時々お裾分けをくれる(?)ことを知っています。
しかしぴいたん爺さんは、落とした果物を珍しく拾って帰ることもあります。はっきり言って気まぐれです。
そんな日は動物たちもガッカリです。
「あの爺さん……優しいんだか意地悪いんだかわかんねえな」
「まったくだ」
などの会話が動物たちの間で交わされているなんてつゆ知らず、
「今日は面倒くさがらずに果物を拾ったぞ! ホッホッホ!」と機嫌良く帰っていくのでした。

帰り道の途中には桃の木がありました。
この木は、ぴいたん爺さんが若い頃に落とした桃の実から芽が出て大きくなったのです。
もののついでのように生えてきた木の周りには、ちらほらと寛ぐ村人もいました。
まあ、そんなわけでぴいたん爺さんは、若干みんなに小馬鹿にされつつも穏やかに暮らしておりました。

ある日、ぴいたん爺さんは、家で飼っていたアヒルたちが卵を産んでいたことに気がつきました。

「ほ? ほ? 卵? 卵じゃ~!!  何にして食べようかの? 楽しみ、楽しみ。ホッホッホ~!」

ひと~つ。ふた~つ。みっつ。よっつ。喜んで卵をカゴに入れます。
するとぴいたん爺さんを呼ぶ声が。
ぴいたん爺さんは立ち上がり、カゴをかまどのそばへ置きました。
コロン……コロコロコロ……ピタン。
立ち上がった拍子に卵がひとつ転がり、かまどの灰を巻き上げて止まりました。

「わしじゃよ。どうじゃ? 一杯」

近所の矢助(やすけ)爺さんです。手には酒の入った徳利を持っています。

「そりゃええの~! まあ上がりなされよ」

ぴいたん爺さんは卵が転がり落ちたことにうっすら気付いていましたが、早く酒を飲みたかったので後で拾うことにしました。

(効果音・宴)チャカポコ(効果音・宴)チャカポコ(効果音・宴)

矢助爺さんとは仲良しだったので、よくこうして一緒に飲んで過ごします。
時には他の仲間も呼んで楽しむこともありました。
宴もたけなわ。爺さんたちはとっても楽しそうです。
矢助爺さんはひょっとこのお面をかぶってどじょうすくいを踊っています。
ぴいたん爺さんは楽しげに歌いつつ、ヒョイと団子を口に放り込みました。

「うぐ……! ゲホゲホ……ゲホゲホ……ヒッ!!」

ぴいたん爺さんはしゃくり上げるような声を出したかと思うと、どうっ! と倒れてしまいました。

「おい、ぴいたん? ぴいたん! しっかりせいぴいたん!!」

……ぴいたん爺さんは団子を喉に詰まらせたせいで、死んでしまいました。
矢助爺さんは友達を亡くし、たいそう落ち込んでしまいました。
しかし涙を流しながらも時折フッと笑いが込み上げてもいました。

「まったく……しょうもない死に方しやがってよ」

矢助爺さんはぴいたん爺さんが生きた証として、桃の木のそばにお地蔵さんを立ててあげました。
桃の木の下では相変わらず村人が寛いでいる様子が見えます。

自分を灰の中に転がしたまま、酔っぱらって死んでしまったぴいたん。
卵は、夢の中で自分の出自を知りました。
そうだったの……
ぴいたん爺さんに対して怒っていいのか笑っていいのかよくわからないわ……

(手裏剣)(手裏剣)(手裏剣)グサッ!! (手裏剣)(手裏剣)(手裏剣)

ふわふわと浮かんでいた夢の景色がパチン!と消えて再び真っ暗な世界。
卵は夢から覚めたものの、何が起こったのかわからず息を潜めていました。

「畜生! 狙いを外して地面に刺すなんてくノ一の名が泣くよ! ……なんだこれ??」

くノ一が土に刺さった手裏剣を抜くと、拳くらいの大きさの土の塊が出てきました。
土を落とすともみ殻が、もみ殻を落とすと卵が出てきました。

「え? 卵?」

殻をむかれ、くノ一の手のひらの上にたたずむ琥珀色の卵。
心地よい風が吹いています。
過去の記憶が流れ去っていきます。
外の世界に出て空気に触れることができて嬉しい。
過去は過去。
茶色くなってしまったけれど、卵はこの体で生きていこうと決めたのです。

もぐもぐ……

〜完〜

この物語はフィクションです。
では参りましょう。「ピータン冷やし中華」

材料(2人分)

皮蛋(ピータン) 2個
オクラ 4本
パクチー 1束(量はお好みで)
ザーサイ 50g
鶏ささみ 2本
トマト 1個
中華麺 2玉

塩 小さじ1
酒 大さじ1
塩(鶏ささみ茹で用) 小さじ2

甜麺醤(テンメンジャン) 小さじ1

★タレ
ショウガ 1/4かけ
ニンニク 1かけ
長ネギ  5cm
ペースト状中華だし 小さじ1
砂糖 大さじ3
醤油 60cc
黒酢 または 酢 50cc
水 50cc
ごま油 大さじ1

皮蛋(ピータン)です。最初に発見した人はどんな気持ちで拾ったのでしょうか。
(参照リンク:皮蛋 – Wikipedia)

もみ殻を取りやすくするため、水に10分ほど浸けます。

酒大さじ1・塩小さじ1を馴染ませて、こちらも10分ほど放置。

もみ殻と土を洗い落としました。
ゆで卵の殻をむく要領と同じです。

いいピータンには、針葉樹林の葉みたいな模様が入るそうです。
私には「THE・いい女」っぽい模様はありませんが、シミならありますわ。どうでもいいですね。
……ピータンには出番まで一休みしていただきましょう。
「しばらく置いて臭みを取るように」と袋に注意書きがありましたが、そんなに死ぬほど臭いというわけでもないです。

オクラです。塩(分量外・適量)をこすりつけて表面の産毛みたいな毛を落とします。
元気過ぎるオクラだと、産毛のつもりで表面を触ったら小さい棘だったりすることがあります。地味に痛い……。
表面を撫でてもチクチクしないオクラなら、この行程はスキップスキップ。茹でますし。

ネギ、ショウガ、にんにくをそれぞれみじん切りにします。

小さじ1の塩を入れてオクラを茹でます。
色が鮮やかになって1~2分待ち、引き上げて冷水にとります。

鶏ささみを茹でます。塩小さじ2・時間は5分くらいです。
茹であがったら冷水へ。

ショウガのみじん切りが入っているのは、新入り・ホーロー白小鍋よ。よろしくね。

続いてネギとニンニクもみじん切り。小鍋に投入します。

ネギ・ショウガ・ニンニクのみじん切り・水50cc、醤油60cc、黒酢50cc、砂糖大さじ3。
そして、ペースト状中華だし・小さじ1です。

ペースト状中華だしは10年ほど前からあるようですが、ここ最近スーパーで品揃えが増えたように感じるのは気のせいでしょうか。よく見かけるようになりました。
確かに便利。これがあれば、あっさりしたラーメンくらいなら気軽に作れます。
さすがに豚骨ラーメンほどのコクは出ませんが、気に入っています。

フツフツしてきたら、ごま油大さじ1を投入。
ひとまぜして火を止めます。

ボウルに水を張って、タレを冷まします。
中に仕込んでいるのはザル。
浮力で小鍋が揺れて水が浸入しないよう、固定用に入れました。
つまり、タレに水を侵入させたことがあるんですわ……。

冷ましていた鶏ささみをペーパータオルでふき、ほぐしていきます。

肉に挟まれていた筋が残りました。

ピータン開帳~

……と言いつつ、ザクザク切ります。

パクチー
ザクザクと1cm幅に切り、半分ずつに分けます。
半分は具に和える分、半分は飾り分です。
このあたりで麺を茹でるお湯を沸かし始めます。

トマトは厚みが1~1.5cmくらいになるようにカットしたいです。
個人的な好みです。

ザーサイ50gもみじん切りします。
油ぎって滑るのでザーサイには触らず、包丁の腹で裁ち落とすように力強く刻みます。
ザク! ザク! ザク! ザク!
……別に怒ってないですわよ。

甜麺醤(テンメンジャン)小さじ1を投入して混ぜます。

袋の表示通りに茹でます。細麺推します。

茹であがる麺の受け入れスタンバイ。

ザッバ~ン!!

すかさず氷水のボウルにザバン!!

水をよく切って皿へ着地。

具を置き、タレをかけます……見ればわかりますね。ごめんなさい。

トマトとパクチーを飾り、「冷やし中華」完成です!

おまけ
Lost in space……

割烹和代~fin~

■自意識和代 / 人の好意をなかなか信じられず、褒め言葉はとりあえず疑ってかかる。逆にけなし言葉をかけられて「なんて率直なんだ!」と心を開くことがある。社交辞令より愛あるdis。愛がなければただのdis。凹んじゃうよ! ラブリーかつ面倒なアラフォーかまってちゃんである。

最終更新:2015/06/27 20:00
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