「重だる脚」が春の女子を脅かす!?

10~70代の女性の足を診てきたプロに聞く、「足のダルさ&頭痛は気圧が原因ってホント?」

2015/03/14 19:00
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看護師・足裏療法家の市野さおり氏

 立ち仕事はもちろん、1日のほとんどを座って過ごしていても、夕方からズドーンとダルくなってくる「脚」。むくみとは違う、なんだか鉛のように重~い感じ……実はこれ、「重だる脚」と呼ばれているんだとか。女性の脚の悩みの中で、冷え、むくみに次いで3番目に多いのが「だるさ」だそうで、毎夜マッサージをして解消している女性も多いのでは? 

 そんな中、「脚のだるさは、個人の体力的な問題だけが原因ではなく、季節や気象的な要因もあるかもしれません。だるさを訴える方は、春・夏に多いんです」と語るのは、看護師・足裏療法家の市野さおり氏。なんでも、春~夏にかけて脚のだるさを感じている人は、同時に肩こりやむくみ、イライラや気分の沈みを自覚していることが多く、これらは気象とも関係があるんだとか! 早速、耳慣れない「重だる脚」と気象の関係について市野氏に話を聞いてきました。

――足が夕方や夜にだるくなるのは、体力的なことではないというのは本当ですか?

市野さおり氏(以下、市野) 長時間の同一姿勢、運動不足、立ち仕事などが原因と考える女性が多いですよね。でも、気象がその要因になっていると意識してる人はほとんどいないのでは? 季節の体調管理と同じように、気象(温度・湿度・気圧)を意識していただくと、重だる脚の予防も十分にできると思います。

――そもそも、なぜ春から夏にかけて「重だる脚」の女性が増加するんでしょうか?

市野 日本の気候の特徴が関係しています。春から夏は、気圧が下がり、温度と湿度が上がります。気圧が下がると、体内の血液循環を司るポンプ機能が低下します。一方、湿度が上がると細胞内に水分がたまりやすくなり、また温度も湿度も高い環境下では、自律神経が乱れやすくなり、代謝が低下、体内に水分が停滞しやくなります。それらの結果、足に水分が停滞し、足が重くだるく感じるようになるんですよ。

――気圧の変動が要因といえば、雨が降りそうなときに頭痛がしたり、気分が塞ぎこむなんていいますよね。

市野 そう、そうなんです。気象の変化によってそれら症状が出現する、あるいは症状が悪化する疾病の手前の不快な身体症状のことを「気象シンドローム」と言います。低気圧になると、耳鳴りがしたり、神経痛になったり、偏頭痛が起こる方がいますよね。また、自律神経の乱れを起こすため、不眠やイライラを起こしたりします。これら気象が影響を及ぼす体調不良に最近は理解が進み、「気象シンドローム」も注目をされはじめています。

――重だる足の女性が、そのほかの気象シンドロームの症状を持っていることもあるんですか?

市野 そうです。春から夏にかけて足にだるさを感じている人は、そうでない人に比べて圧倒的に気象シンドロームによる不快感を自覚しています。一番多いのは、肩こり。そのほかにも腰痛、偏頭痛、皮膚のかゆみなど、足とは関連性がなさそうな症状ばかりです。でも、いずれも気圧や気温・湿度が原因だとわかれば納得なんですよ。

――足が重いなと感じたら、ふくらはぎを揉んでケアしてるのですが、ほかに有効なマッサージはありますか?

市野 重だる脚は、気象の影響を受けて下肢循環が悪くなることでおこります。血管、リンパ管の循環を司っているのは、足部・ふくらはぎ・太ももの3つの筋肉ポンプなので、どれか1つだけケアしても循環はよくなりません。ふくらはぎだけをケアする方は多いですよね。ですが、足指の付け根が実は重要。足の筋肉ポンプは、指の付け根まで伸びていて、ここは体全体の最末端で血流を押し戻すポンプとなっています。この部分をケアすると、循環は必ず改善していきます。

――足の指の付け根は意識していませんでした。

市野 改善させる方法は、足指ケアなら足指じゃんけんや歩き方の改善ですね。カカトから着いて、足指で蹴り返すイメージで歩いてください。もちろん、自分の手やグッズでマッサージするのもよいでしょう。あとは、太ももがパンパンになっていることに自覚がない方も多いですね。ひざ下がパンパンになるのと同じく、太ももも老廃物による目詰りを起こしやすいんですよ。

――太ももやふくらはぎはどうしたらよいですか?

市野 足先から太ももまである着圧ストッキングや靴下をはくのはよいですね。重だる脚は、ふくらはぎや太ももの筋膜がこわばった状態にありますが、これら着圧ストッキングをはくことで筋膜の緊張がゆるまり、血流が改善されます。ほかには、自分の手でハンドプレスマッサージをするのもよいでしょう。両手を脚に真横から当て、手のひらが温かく感じるまで密着させ、足首からふくらはぎ、太ももへと触っていきます。続いて、手を密着させたまま、手のひらを互い違いに円を描くようにゆっくり動かしてください。柏餅の中のあんこを溶かすイメージで。これだけで翌日、びっくりするほどむくみがとれますよ。

――むくみと重だる脚は、まったく別のものなんですか?

市野 老廃物がたまっているのは、むくみも重だる足も同じ状態です。ですが、それらが目詰りを起こす理由が異なっています。気象シンドロームについて理解されるようになったのが最近のため、今後の研究によってそれら対策もより広まっていくと期待しています。

市野さおり(いちの・さおり)
看護師、足裏療法家。トータルヘルスケア・サポート「Confianzaせき鍼灸院」主宰。医科的根拠に基づいた独自の美脚プログラムを提案し、著書に『免疫力を高める足裏健康法』(講談社+α新書)『病気が逃げていくふくらはぎ力 もんで鍛えて自然治癒力を引き出す』(世界文化社)などがある。

最終更新:2015/03/14 19:00
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