仁科友里の「女のためのテレビ深読み隔週報」

「金のための結婚」が許されない日本で、神田うのの語った“愛”がはらむ矛盾とは?

2015/02/05 21:00
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うのの銭ゲバ道には敵なしでしょ?

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「うちは愛でしかつながっていない」神田うの
『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系、1月27日放送)

 「収入のなくなった夫に愛想を尽かして離婚する」というのは、ある種の女性にとって、「許しがたいこと」であるらしい。私に言わせると、嫌になる原因なんて人それぞれであって、理由に優劣をつけてもしょうがないと思うのだが、一般論で言うと「金があるから結婚した」「金がないから離婚する」は、「愛がない」のでどちらもよろしくないことのようである。

 しかし、1月27日放送の『解決!ナイナイアンサー』において、あえて嫌われ役を買って出た芸能人がいる。モデルの大沢ケイミである。子どもの頃、「石の家に住んでいた」くらい貧乏だった彼女だが、今やセレブ妻。「結婚は金!」と言い切る大沢に、芸能人のセレブ妻数名がやんわり諭すのだが、一番の見ものは、「金が全てではない」と諭すチームセレブ妻の主将が、神田うのなことである。

 その昔、山野美容王国御曹司の恋人と別れた際、「彼には自由になるお金がなかった」と弁明し、その後、自由になるお金がたくさんある現在の夫(不動産業やレジャー産業を手がける日拓グループ社長)と結婚したうのがどんな発言をするのか、期待が高まる。

 自己紹介を兼ねて、セレブ生活を披露する大沢は、うれしくて誇らしくて、笑いが止まらないのだろう、口からにやにやがこぼれている。都内一等地の高級マンション最上階に住み、1着80万円のワンピースを値段を見ずに買い、1人30万円の鉄板焼きを食べる。セレブ妻となるために、“シンデレラ計画”と称して、食事のマナーなど母親からスパルタ教育を受けたそうである。特訓のかいあって「上流の人」が集うパーティーで夫と知り合い、二十歳そこそこで結婚に至った。

 そんな大沢に対するうのの発言は、非常に常識的である。「お金はめちゃめちゃなくてもいい」「子どもを経済力のある女性に育てたら? 男性に頼るんじゃなくて」「愛がなくなったら、すぐ別れたいので、経済力が必要」。しかし、言葉とは裏腹に、大沢がセレブエピソードを披露するたびに、うのは明らかにむっとし、時に軽蔑に似た冷ややかなまなざしで大沢を見る。その視線に気づいたのだろうか、大沢は「うのさんみたいに、育ちがよくないから」と追従するが、うのの機嫌が直ることはない。

『ミセスUNO』
「うのが語る一般論」って言葉自体が矛盾が生じてない?
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