[女性誌速攻レビュー]「DRESS」1月号

幻冬舎に売却された瀕死の「DRESS」、「自分にご褒美」企画の虚しいハイテンションと迷走

2014/12/21 16:00
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「DRESS」2015年1月号(幻冬舎)

 知的アラフォーイメージを狙った「DRESS」(幻冬舎)の科学対談連載「今宵、サイエンス・バーで。」。これまでは「科学に興味はあるけど、読んでもなんだか頭に入らない」という内容が多かったのですが、今月号の、脳の一部である海馬特集は、めちゃくちゃ面白かったです。周りの40代は、「最近物覚えが悪くて」とか「名前を思い出せない」とか、ともかくいろんなものへの衰えを言い訳にしますが、歳を取っても物覚えは悪くならないのだそうです。といったように身近な現象を科学で説明していて、興味深く、むさぼるように読んでしまいました。で、レビューはなにを書こうかなと思っているところに、「DRESS」の制作会社giftが決済代行会社に売却されたというニュースが。

<トピック>
◎欲しいの! いいよね? 私におねだり!
◎口コミ×徹底調査! 数時間で幸せになれる“美のご褒美”
◎DRESS CLOSET

■いよいよ崖っぷちの「DRESS」

 筆者が「DRESS」を買い始めた頃、定期購読料金は2カ月半額だったのですが、それが半年になり、先月あたりから1年間半額になっていたので、存続が危ういのだなと思っていましたが、その通りだったわけですか。

 しかしそんな“しょんぼり”な状況を吹き飛ばすかのように今月号の表紙は「欲しいの! いいよね? 私におねだり!」「Bag! Watch! Jewelry! Skirt! Coat! Shoes! Ok, Winter Gift for Me!」というキャッチで、元気いっぱいです。あまりに無邪気に元気いっぱいなので、恥ずかしくてレジに持っていく勇気が出ません。対象読者は、独身バリキャリだったのではないのでしょうか。なのにこのはしゃぎようとは違和感を感じます……。それに独身なら自分のお金は自分の好きなように使えるはず。「がんばったご褒美」って、わざわざ理由をつけなければいけないことですかね。買いたいときに買いたいものを買えばいいじゃない?

 そんなわけで、雑誌の売り上げが厳しく、各社「ネットと同じことをやっても意味がない」と画策する中、読者や世間のブームなど、既存の意見を聞きすぎるあまりに、企画が迷走中の「DRESS」。結婚にこだわらない自由な恋愛をと言いながら、着地点のわからない妊活特集をしてみたり、アラサー雑誌がやっているような部活動を始めてみたりと迷走していました。その結果「どこかで見たような……」という企画であふれ返るようになり、結果、目の肥えたアラフォー女性には振り向かれなかったのかもしれません。

『DRESS(ドレス)2015年 01月号 [雑誌]』
このテンション、狂い咲きじゃなければいいけれど
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