今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

あの休日について、アンタッチャブル山崎弘也がいま語るべきこと

2011/02/25 17:00
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『アンタッチャブル山崎弘也の休日in
リビア』/ポニーキャニオン

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎見解なさそう
 丸腰の民衆を軍が攻撃という惨劇に、誰もがあの「血の日曜日」を思い出してるところに「逆らったら天安門みたいに殺すぞ!」て。オマエが言うんかい。そんな激動のリビアであるが、こうなると俄然見返す価値があるのが、昨秋発売された『アンタッチャブル山崎弘也の休日in リビア』である。あのテンション、あのメンタリティーのまま、ザキヤマが独裁国リビアのピリピリした空気を切り裂きまくる痛快旅行記DVD。発売当初は何も考えずただ見て大笑いしてただけだが、こうなった今改めて見直すと、民衆がどんなにカダフィ大佐に対し神経を遣って生活しているかが生々しく伝わる一大ドキュメンタリーに見えてくる。あのリビア国営テレビのプロデューサーは、大佐行きつけの高級レストランの店員は、今頃どうしてるんだろうか。革命前のリビアの生の空気を体感した、数少ない有名人だというのに、誰もザキヤマにコメント取材しないのはなんでかな。ザキヤマだからかな。ザキヤマだもんな。しょうがないか。

◎スリムクラブって沖縄だったね
 吉本興業が、沖縄に芸人養成所を開校するらしい。何か吉本って、沖縄喰い物にしようとしてないか。別に沖縄という土地に新たなマーケットを開拓すること自体は構わないんだが。どうもねぇ。「沖縄映画祭」における、「沖縄映画祭」でしか通用しない芸人たちのいっぱしの映画人気取り。島田紳助や千原せいじをはじめとする、沖縄に対する妙なセンチメンタリズムと、商売っ気の共存。映画祭の間続く、いかにも金落としてやってる的な吉本興業全体のオラオラぶり。「沖縄から生放送!」のスペシャルに見せかけた特別番組の中身スカスカ。映画祭の間だけのフューチャリング海人(うみんちゅ)。映画祭界隈だけでもこんなにイヤーな感じがするのに、この上「養成所開校」かぁ。沖縄アクターズスクールと併せて両方通う人が出て来たらどうしよう。その人が幸せならそれでいいか。

◎生きにくい世の中です
 『ホンマでっかTV』(フジテレビ系)に三行半を突き付けた経済評論家・門倉貴史。ナヨナヨした脆弱キャラの割には、「二度と出るか」的なズバッとした宣言に、はらわたの煮えくりかえり加減が垣間見える。普通は出演者にこんなことをブログでぶちまけられる前に、制作側が丸く収めるモンだろうに。テレビ業界がいかに出る人を軽視してるのかを象徴してる話だな。とりあえず質より量。代わりはいくらでもいる。出たくないなら結構です。やり方は変えません。もっとキャラの立ったヤツ探せばいいだけの話ですから。所詮使い捨ての駒ですから。他の専門家たちが次々と発言する中、言葉少なに下を向いて暗い顔の門倉氏を何度も映し出していた今週放送の回には、そんな制作側の「意趣返し」のようなものが感じられた。門倉サンも、そんな「発言が出来ない」なんてことで憤らなくていいのに。働かずにギャラ貰えると思えば。あ、そういう図々しさがないところがテレビと水が合わなかったのか。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

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最終更新:2019/05/22 19:28
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