脂肪細胞は決して減らない……ダイエット前に知っておきたい”太る”メカニズム

2010/09/15 11:45
katouclinic01.jpg
この姿になるのはあっという間!

 夏は外気の暑さで、新陳代謝が活発化され、痩せるには絶好のタイミングでした。特に今年の夏は猛暑だったこともあり、夏バテや食欲減で、自然に体がほっそりした人も多いのでは? ところが逆に太りやすくなるのは、これからの時期。「実りの秋」とあって、市場には美味しそうな食材が並ぶほか、冬に向けてどうしても脂肪を蓄えやすいと言われています。

 それならとダイエットを焦りたくなりますが、みなさん、ちゃんと太る仕組みをご存じですか!? 痩せたいのなら、まずは”太る”というメカニズムを知ることが大事。今回は東京・恵比寿の加藤クリニック麻布・加藤一実院長に、太るメカニズムと、効果的なダイエット方法を教えて頂きました。

――私は中高と運動部だったのですが、20代の後半から筋力が落ちて、お腹が掴めるようなってきたんですが、これは太ったということなんでしょうか!?

加藤一実医師(以下、加藤) 筋肉量が落ちると代謝が落ち、消費カロリーが低下します。その状態のまま、摂取カロリーを減らさなければ、自然と脂肪が増大します。

――脂肪の増大というと……

加藤 脂肪も他の組織と同様で、一つ一つの細胞から出来ています。脂肪細胞の一つ一つが大きくなる場合と、細胞の数が増える場合のどちらかの現象が「脂肪の増大」になります。ただ、脂肪の数は、出産3カ月前~1歳のころと思春期の時に増えるだけで、成人になってからは増えることはありません。しかも脂肪細胞の場合、数が増えることはあっても、減ることはないんです。

――え! じゃあ脂肪細胞が減らないってことは、痩せないってことなんですか?

加藤 いいえ、成人の場合のほとんどは、脂肪細胞が大きくなるから”太る”んです。カロリーの過剰摂取などにより、正常に比べて最大3~4倍大きくなるということも。

katouclinic02.jpg
指でつまめるのは皮下脂肪なんですって!

――だったら、摂取カロリーを少なくして、脂肪細胞を小さくすれば、痩せるんですか?

加藤 簡単に言ってしまえば、その通りです。男性に多い「内臓脂肪型」(筋肉の内側、内臓の周りに蓄積される脂肪)の場合は蓄積されやすい分、有酸素運動によって消費されやすい(落ちやすい)脂肪なので、ダイエットも効果が出やすいんです。ただ、女性に多い、「皮下脂肪型」(筋肉の外側、皮膚の下に蓄積される脂肪)は蓄積されにくい分、消費されにくい(落ちにくい)脂肪。なので、一般的には有酸素運動+食事改善(カロリー摂取量の調整)を行いながらの、中長期的なダイエットとなります。

――女性の場合、一度付いた脂肪はなかなか落ちにくいってことなんですね?

加藤 そうですね。女性の場合は男性に比べて、筋肉組織が少ない(細い)分、皮下脂肪が燃焼されにくく、溜まりやすいのです。しかも、脂肪細胞は小さくなっても、細胞の数自体が減っているわけではないので、再び細胞が大きくなってしまうと、リバウンドの可能性があります。女性のダイエットは短期的に痩せようとすると、食事量を極端に減らしたりする方が多いようですが、その反動で、食べすぎ、飲みすぎてしまったりして、再びカロリーオーバーに陥りがち。適度な有酸素運動とカロリー摂取量の調整を組み合わせ、徐々に痩せることが大切です。なぜなら脂肪も、昨日今日で急激に溜まったわけではないので、その脂肪を落とすためには、それ相応の期間をかけて行わなければ健康には良くないからです。特に極端な食事の不摂取はやめましょう。

――そうなんですが……、やはり結果が見えにくいとなかなかモチベーションが上がらないということも。美容外科の先生から見て、比較的、短いスパンで痩せられる方法はないんでしょうか?

加藤 安全で短期間というと、美容施術になってしまうのですが、レーザースタイリングがおススメです。これは、皮下脂肪を直接レーザーで溶かし、排除する痩身治療。脂肪細胞の数自体が大量に消失しますので、短期間に、なおかつ、痩せたい部分だけを細くすることも可能なんです。

――でも、レーザーで脂肪細胞を溶かすとなると、体への負担が気になります。

加藤 医学的な治療の場合には、一度に脂肪を安全に除去できる許容量が定められていますので、その範囲内であれば心配ありません。レーザースタイリングは、余剰脂肪を溶かすレーザーと、止血作用のあるレーザーが同時に照射されますので、治療後の内出血が少なく、脂肪吸引と比べた場合、体への負担が少ないのが特徴です。また、脂肪の蓄積が多かった箇所は、皮膚が伸びてしまっている場合が多く、皮下脂肪を除去しただけでは、皮膚がたるんでしまいますが、レーザースタイリングは、脂肪を溶かすレーザー熱が、皮膚の奥の真皮層も刺激して、コラーゲンが増産されますので、治療後半年以上、皮膚の引き締め効果が発揮され、たるみの心配のない引き締まった痩身効果が期待できますよ。

 今まで漠然と「太る」ことに怯えていましたが、今回、加藤先生のお話を聞いて、脂肪や太るメカニズムを知ることができました。ただ皮下脂肪の場合、一度ついた脂肪が落ちにくい、という事実にはちょっとビックリ。まずはこれ以上脂肪をつけないようにしつつ、脂肪細胞を小さくすべく今日から励みたいと思います!

加藤一実
日本医科大学卒業。同大学病院麻酔科ICUを経て美容形成外科を専門に研修。1994年加藤クリニック麻布を開業。2009年10月には、レーザースタイリングの本場アメリカに渡り、高度な技術が認められレーザースタイリング認定医となる。日本を含めアジアにおいては最多の症例数を誇る。

加藤クリニック麻布

【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】
ヒール靴を履くほどにスタイルが悪くなる!? ヒール靴の罪を探る!
美肌効果&便秘改善も! アマニ油がマジでスゴイらしい
緑色に変色!? 爪のおしゃれに潜むトラブルが増加中 

最終更新:2010/09/15 11:45
アクセスランキング