現役美人肛門科女医に突撃!

原因から温水洗浄便座の使い方まで! 知って得する痔ミナール

2010/01/06 11:45
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くだらない都市伝説にもやさしく答えてくだ
さった草間先生

 昔近所の薬局でよく見かけた”ぢ、でお悩みの方ご相談ください”というあのポスター。”ぢ”だけが巨大フォントでしかも赤字。幼いながら「これは触れちゃイケナイもんだ」と 確信した”ぢ”の世界。

 「漢字じゃ”痔”って書くのね」と大人になった今も、肛門周りに関しては最初の一歩がなかなか踏み出せません。そこで『女医が教える女のからだ』(日本文芸社刊)で話題の現役美人女医ユニット、Joy☆Total Clinicの草間香先生に、女子が聞きたくても聞けない痔の悩みを伺って参りました! 痔には奥手という”ヴァー痔ン”な貴女、必見です。

――『女医が教える女のからだ』を拝読させていただきました。

草間香先生(以下草間先生) 思春期世代に自分の身体のことをちゃんと知ってもらいたいと思い、参加させていただきました。医者って大学を卒業し研修が終わり、専門分野に入ると、専門分野以外、特に美容系の分野に触れることが少ないんです。私も他の先生が執筆された部分を読んで、なるほど! と思うことばかりでしたよ。

――私も処女膜形成の手術とか衝撃でした。先生が書かれた肛門系のお話も興味深かったです。

草間先生 痔って一口に言っても色々あるんですよ。女性に多いのはイボ痔と切れ痔。イボ痔は排便時や出産などで強くいきんだときに、肛門の部分にある静脈叢が鬱血して大きく膨らむことです。切れ痔は硬い便を出すときに、肛門上皮が切れたり裂けたりする状態です。また痔ろうという種類もあります。肛門と直腸の境にある肛門小窩というくぼみに細菌が入り込み、感染すると化膿して膿がたまり、肛門の中から肛門周囲の皮膚に管がトンネルのように出来る状態のことを言います。

――早速、カミウングアウトしていいですか!? 私(ライター)もなりましたイボ痔!
――はいっ! 私(編集S)も生理のときは切れ痔っぽくなります!

草間先生 実は女性にはそれぞれの年代で、痔になりやすいターニングポイントがあるんです。20代~30代の女性は慢性的な水分不足で便秘になりがちな上、長時間のデスクワークや立ち仕事と相まって痔になる方が多いですね。妊娠や出産でイボ痔が発症することもあります。40代以降は女性ホルモンバランスの崩れから自律神経が乱れ、便秘や下痢をしたり、身体の冷えもひどくなりイボ痔になることがあります。こうしてみると、男性に比べて女性の方が痔になる要因は持っているかもしれませんね。

――市販薬で症状を抑えることもできるんですか?

草間先生 市販薬は誰でも買える分、医師が処方するものと若干成分が違います。お薬は合う合わないがあるので、やはり一度は専門医に受診するのが一番だと思います。痔の薬には軟膏や座薬とありますが、症状によって使い方も違ってきますので、自分の思いこみで使用するのはあまり良くないですね。

――確かに、自分では切れ痔かイボ痔かの区別さえ分かりにくいので、自分の判断で薬を使うのもちょっと恐いですね。ちなみに、受診はどんな感じでするのでしょうか。下半身裸でよつん這い、というイメージがあるんですが……。

草間先生 左側を下にして横になり、軽く両膝を抱き寄せる感じの状態で診察しますし、洋服も下着もお尻が出るところまで下げれば大丈夫です。診察中は私と目が合うこともないですよ。

――肛門はデリケートなんですね! ちなみに痔は治るんでしょうか?

草間先生 初期の切れ痔は治りますが、慢性化させてしまうと手術が必要になる場合もあります。イボ痔の中には、一度できてしまうと完治は難しいイボ痔もあります。その場合は、うまくお付き合いすることが大事!! また、潜在的にイボ痔を持っている方が生理やストレスで便通を崩したときに(イボ痔が)腫れて、気づく場合もあるんです。ひどくならないようにお付き合いすることが大切です。

――ふ、深いですね、痔の世界。知っているようで知らない部分だけに、肛門には都市伝説的な言説が多いですよね。例えば最近、便秘で悩む女子の間で、下剤のように腹痛を伴わない浣腸が流行ってるらしいんですが、肛門科のお立場からどう思われます?

草間先生 それは良くないですね。それを長年続けていると、浣腸なしでは便が出せなくなってしまいます。年齢を重ねることで腹筋が弱くなっていくのに、ますます自力での排便が出来なくなってしまいます。お通じの悩みも、内科や肛門科に一度相談すると良いですよ。緩下剤にようにお腹が痛くならないお薬もあります。

――では、次の都市伝説を。温水洗浄便座のあの温かさって痔には効果的なんですか?

草間先生 うーん! 温水洗浄便座は……とってもお尻には良いものですが、使用の仕方を間違ってしまうと、逆におしりに負担をかけることがあります。肛門を温めて、清潔にしてくれるところはとてもよいです。しかし、慣れてくると、「もっともっと」と温水を熱くしたり、水圧を強くすることできれいになると思い、どんどん過剰に使用するのは危険です。肛門を傷つける原因にもなりますし、何より温水洗浄便座の水圧を利用して便意を促したりを続けることにより、自然の排便の感覚が分からなくなってしまうことも。温水洗浄便座を使うなら、優しく肛門を洗うように……たとえば”顔を洗うように”と患者さんにもお話しています。

――これは口裂け女くらいクラシックな都市伝説ですが、辛いものが肛門に良くないというのは?

草間先生 香辛料は消化されないため、腸を刺激して下痢を引き起こす場合もありますし、直接痔を刺激し悪化させるときがあります。今まで痔と無縁の生活を送っていた人が、辛いものの食べ過ぎで潜在的なイボ痔に気づくということもあるんですよ。

―辛いものに反応したら、まず病院! 意外な発見方法かも。先生、ありがとうございましたー!!

草間香(くさま・かほる)
肛門外科専門医。金沢医科大学卒。社会保険中央病院大腸肛門病センターで研修、群馬県飯塚医院院長、東肛門科胃腸科クリニック副院長を経て、麻布十番に「草間かほるクリニック」を開院。TV、雑誌で幅広く活躍中。

『女医が教える女のからだ』/日本文芸社(880円)
健康と医療への関心を高めることで社会的貢献を果たすことが目標の現役美人女医のユニット、Joy☆Total Clinic(通称:ジョイ・クリ)による女の解体新書。生理、妊娠、出産のメカニズムから”処女膜の謎”や”名器の作り方”まで、女体の不思議が満載。

『女医が教える女のからだ』

名器の作り方をがぶりつきで読んでしまいました

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最終更新:2020/02/04 18:10
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