[TVツッコミ道場]

嗚呼、打ち切りになった狩野英孝”初の”冠番組最終回

2009/08/25 11:45
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『狩野英孝 ファーストライブ Ciel』狩野英孝
/ビクターエンタテインメント

“狩野英孝、初の冠番組”

 これだけでもう、なんだか十分おかしい。要するに、「狩野のくせに」ということなんだが、それなのに、

“狩野英孝、初の冠番組、打ち切り”

 ますます面白い。関係者や出演者には本当に申し訳ないけれども、笑ってしまわずにはいられない。あまりにも似合いすぎるというか、「状況」で笑いがとれる、すごい芸人だ。ますます言うと、


“狩野英孝”

 この4文字だけで、もはや十分面白いんじゃないか、そんな気さえしてくる。

 その番組とは、『狩野英孝★熱血アイドルアカデミー アキパラ嬢』。静岡第一テレビ製作・放映のローカル番組で、東京地方ではMXテレビの深夜に放送、7月にスタートしたばかりなのに、8月21日の放送をもって残念ながらたった6回の放送で、あっという間に終了となった。キノドク。どんな番組だったのかというと、CDデビューを目指すタレントの卵の女の子たちがゲームしたり、企画モノに挑戦したり、それから”見せパン”パンチラも盛り込んだりといった、深夜に超ありがちな内容のもので、それをさばく役割が、地上波初の冠番組を持たせてもらった番組MCの狩野。

 たまたま1回目の放送を見たのだが、ゆくゆくはメンバーの中からCDデビューをするアイドルグループをつくる(もっとも、そもそも狩野がプロデュースという時点でどうかとは思うが)、ということで集められた女の子たちのオーディションというのが番組内容だった。安い『ASAYAN』(テレビ東京系)というか。しかし、審査員長であり、プロデューサーでもあるイケメン狩野が、やっぱりというか例によって勘違い全開。言って見れば、こんな番組(失礼)で、本気で小室やつんく♂気分になってないか? というのが画面の端々から伝わってくる。ともすれば、この中の誰かと「あわよくば」感も漂ってくる気も。何回目かのゲストとしてやってきた有吉弘行が、「こんな番組で、”初冠”とかいって、喜んでちゃダメだ」とクギを指していたが、その通りかと。そんな「狩野英孝の冠番組」という、どっきり番組のネタみたいなことをやった第一テレビもなかなかの決断だが、「冠、冠」と浮かれる狩野にとっては、あまりにも哀しい結末となった。

 打ち切りとなった原因は、一部報道で伝えられているように、その出演者であるアイドルの卵が、他のモデルのカードを無断で使用し逮捕されたものによるというもの。

 そんなわけで、突然の最終回となってしまった8月21日の前週、14日の放送回を見てみると、番組冒頭のメンバー紹介部分で、問題となった女性がいきなり一人だけボカシが入った写真と、「レースクイーンにしてプロ漫画家・小野さゆりと……(無音)……モノマネアイドルみかんを加えた」と、無音の音声処理されていた。基本的にメンバー全員でのショットが多いため、番組中、ずっとボカシ出っぱなしのシュールな映像に終始していた。翌週の21日はオープニングは編集処理できたのか、そこからは姿を消していたものの、本編は相変らずボカシ映像。そして、番組終了。

  有吉がかつて狩野につけたあだ名「時代のねじれから生まれた虫」の名のごとく、一流の”笑われ芸人”へと確固たる地位を築きはじめている今、これもまた、”笑われの神”が降りてきた結果なのかもしれない。おいしい。しかし、デモを試聴するところまで曲も出来上がっていたぽいのに全部ポシャってしまった彼女たちは、あまりおいしくはなく、ちょっとキノドクだ。そして、「次回、チャラ男芸人、慶が登場! パラパラ世界選手権に出場した、自慢のパラパラを披露」と、映像とナレーションまでついて予告が流されたゲスト(予定)の慶もまた、キノドク。

 ちなみに、番組予定表を確認してみると、次の週の番組欄に表示されていたのは、『ヒーリングタイム&ヘッドラインニュース』というもの。<美しい風景にのせた音楽と文字ニュース>だそうで。ちょいお色気だった『アキパラ嬢』の後番組が「美しい風景」というところにまた、ちょっとウケました。
(太田サトル)

『狩野英孝 ファーストライブ Ciel [DVD]』

ネタよりテレビのが面白いっていわれてるけど

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最終更新:2010/01/04 16:30
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