[連載] だから直接聞いてみた

なか卯カレーの福神漬けは、なぜ取り放題じゃないんですか?

2009/07/21 08:00
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らっきょも欲しいっちゃあ、欲しい。photo by calium
from flickr

◎鮫肌文殊と山名宏和の「だから直接聞いてみた」

――知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を人気放送作家2人が直撃解決!

 以前はたいていの立ち食いそば屋が、刻みネギは取り放題だった気がする。立ち食いそばには、刻みネギがよく合う。普通のそば屋のそばを食べるときの倍のネギをのせ、大量の七味をかけて食べる。そんな食べ方が好きだった。だが、コストを抑えるためなのだろう。いつしかカウンターの上から刻みネギの姿は消えた。

 立ち食いそばの刻みネギはかなり減ってしまったが、ほかにも取り放題のものはある。「吉野家」であれば、紅しょうがだ。僕はあまり紅しょうがは食べないが、好きな人に言わせると、お持ち帰りのときの小袋では全然足りないそうだ。

 そういえば、ずいぶん前に読んだビンボー生活を描いたマンガで、「吉野家」でのささやかな贅沢は、牛丼の並とビールを頼み、まず肉をつまみにビールを飲み、最後、残った飯の上に紅しょうがを大量に乗せ、お茶をかけて食べること、という話があった。紅しょうが茶漬け。どんな味がするのだろうか。興味はあるが、試してみる勇気はない。

 カレーのチェーン店ならば、取り放題なのは福神漬けだ。この手の店でカレーを食べるときは、立ち食いそばの刻みネギと同じように、ついつい大量の福神漬けを使ってしまう。素カレーなるものがあったとしたら、それと福神漬けで十分ぐらいな量を使う。

 カレーを食べるのは、カレー専門のチェーン店だけではない。「なか卯」でもよく食べる。だが、ここで問題なのは、「なか卯」のカレーの場合、福神漬けがあらかじめのせられてくるのだ。それもごくごく少量。申し訳程度。なんというか、着エロにおける水着の布地ぐらいの量だ。

 とはいえ、「なか卯」が特別なケチではない。牛丼用の紅しょうがは取り放題だ。だが、カレーに紅しょうがは合わない。試してみたが、おいしくなかった。

 そこで なか卯営業支援部に直接聞いてみた。

『なぜなか卯のカレーの福神漬けは、牛丼の紅しょうがのように取り放題じゃないんですか?』

担当者 あの~、スペース的な面でですね、カウンターのですね。福神漬けを置くスペースが確保できないということなんですね。

──では、福神漬けを置くスペースが確保できれば、自由に取れるようにするということは考えているんですか?

担当者 そうですね。なので、検討していきたいと思います。

──ちなみに福神漬けのあの量っていうのは、モニタリングなどをして落ち着いたってことになるんですか?

担当者 商品開発部のほうで、そのような分量的なものは決めておりますので、あの量がベストということで、お出ししています。

──紅しょうがと福神漬けでは、コストが大きく違うということはないんですか?

担当者 そうですね、そんなには変わりませんね。

  なるほど。てっきり福神漬けのほうが紅しょうがよりもコストが高いため取り放題ではないのかと思ったら、そうではなかった。スペースの問題だったのか。

 それにしても、どんな人たちにモニタリング調査して、あの量に決まったのだろうか。よくあんな少量の福神漬けで満足したものだ。このあたりにもギモンは残るが、そこはこれ以上、追及しても仕方あるまい。営業支援部の言葉を信じよう。

  しかし、カウンターにスペースを確保するというのは、実際はかなり難しそうだ。実現するとしても、先のことになるだろう。だからそれまでの間、カレーの客にだけ福神漬けの入ったポットを渡すというサービスはできないものだろうか。ぜひとも営業支援部に、この点も検討してほしい。

山名宏和(やまな ひろかず)
1967年、東京にて誕生。放送作家。『行列ができる法律相談所』『ザ!鉄腕!DASH!!』(ともに日テレ系)などを手がける。

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自宅で薬味を楽しむっていうのもアリっちゃあ、アリ。

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最終更新:2019/05/21 16:20
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