ドラマレビュー

『アイデン&ティティ』から『高嶺の花』へ、俳優・峯田和伸が獲得した“メジャー感”とは

2018/07/23 21:00

 水曜夜10時から放送されている『高嶺の花』(日本テレビ系)は、華道の名家に生まれた月島もも(石原さとみ)が、婚約者に振られたことをきっかけに、自転車店を営む「ぷーさん」と呼ばれる中年男性・風間直人(峯田和伸)と知り合うところから始まる恋愛ドラマだ。

 脚本は、民放地上波のドラマでは久々となる野島伸司。タイトルや宣伝を見ていると、かつて野島が大ヒットさせたドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)における武田鉄矢のように、峯田和伸が高嶺の花である石原さとみに対して猛烈アタックする恋愛ドラマになるかと思ったのだが、実際見た後の印象は逆で、家柄に縛られるあまり自意識がこじれているプライドの高いももが、飄々としたぷーさんに翻弄されるうちに、いつしか恋愛感情を抱いていくドラマとなっている。ドラマとしての評価はまだ保留だが、石原と峯田の掛け合いは見応えありで、この2人の演技力と存在感にかなり救われている作品というのが、現在の印象である。
 
 武田鉄矢や泉谷しげる、近年ならピエール瀧など、ミュージシャン出身の個性派俳優が日本には何人かいて、峯田和伸もその1人だ。峯田はロックバンド・銀杏BOYZのメンバーで、男の中にある純情な部分と、ドロドロの性欲で悶々としたモテないコンプレックスを歌ってきたミュージシャンだ。

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