斎藤工が西日本豪雨被災地の広島でボランティア作業に。なぜか「親戚みたいな気持ちになる」男の魅力

2018/07/17 20:00

 7月15日、Twitterのタイムラインが“斎藤工”であふれた。もちろんあの俳優の斎藤工(36)のことなのであるが、新たなドラマ出演や映画出演が決まったわけでもなんでもない。この日、SNS上に彼の名前と写真があふれたのは、斎藤が西日本豪雨で被害が甚大だった広島県坂町でボランティア作業に参加しており、その様子を住民が次々とアップしたからである。

 黒いつなぎ姿にYOHJI YAMAMOTO pour ×NEW ERAの黒いキャップを被り、首には紺色のタオルを巻いた斎藤。さらに白いマスクと軍手を付けて猛暑の中ボランティアに参加したようだ。スコップを持ち土砂を取り除く様子や、一輪車に乗せた土砂を運び出す様子の写真のほかに、気軽にサインや記念撮影に応じる様子もSNS上に数多くアップされている。住民の方の話しによると、斎藤の周囲にはカメラマンやスタッフらしき姿はなく、どうやら正真正銘の“がちプライベート”だったとのこと。

 SNSにあふれている当日の写真を見ると、斎藤は子どもと共に写真におさまるときはしゃがみこみ、また小柄な女性とのツーショットでも少しかがんで写真におさまっている。184㎝と長身であり、相手とのバランスをとるためにそうしているのだろう。猛暑の中、肉体労働に打ち込みながらも周囲の人からの要望にも応じ、気配りも忘れない。これぞまさに神対応ではなかろうか。しかもこの日のことを斎藤自らはなにも発信していないというところも、なんともカッコいいではないか。

 斎藤工は2016年に広島観光ガイドブック『カンパイ! 広島県 広島秘境ツアーズ』の表紙に起用されている。このガイドブックは「広島でしか体験できない」をコンセプトに、県が企画した体験ツアーなどが紹介されているもの。当時、先着3000名に無料送付されることが決まっていたのだが、受付当日朝に予定数の3000部が10分で品切れとなってしまったことで話題を呼んだ。斎藤の出身地は東京都港区であるが、この観光ガイドブックの表紙を務めた縁から、彼が広島に特別な思いを抱いていたとしてもなんら不思議はないだろう。

 ボランティア参加前日の7月14日には、斎藤は女優の板谷由夏(43)が出演する舞台の初日公演を鑑賞していたことが、板谷のインスタグラムで明らかにされている。「来客1号たくみ選手!!ありがと」と書かれた板谷の文章の上には、板谷とツーショットで微笑む斎藤の写真。このあと、すぐに広島に飛んだのだろうか……。なお、板谷のこのインスタグラムの投稿にも「斎藤工さんが坂町にボランティアに来てくれました、感謝です」「東京から多忙な方に災害支援をしていただいたと知り感動しました」など、斎藤へのコメントが数多く寄せられている。

 斎藤は広島で肉体労働だけではなく、避難所となっている小学校をいくつか回り、避難されている方々と触れ合ったようである。被災者と思われる方々の「元気が出た」「斎藤さんの顔を見てテンションがあがった」との声がインターネット上に飛び交っている。ともすれば「売名行為だ」「偽善」と言われることもあり得るいまの世の中で、炎上や暴言を恐れることなく自らの信念を貫いて斎藤は被災地に向かった。「自分はなにをすべきか」「自分にはなにができるか」――スターであり有名人であるという者に課せられた使命とはなにかをおそらく彼はよくわかっているのだろう。

 かつて女優の石田ゆり子(48)が自身のインスタグラムで斎藤のことを「なんか、親戚みたいな気持ちになるのは何故なんだろう。これは板谷由夏ちゃんもおなじことをいっています」と、斎藤から漂う不思議な雰囲気を表現していたことを思い出した。ひょっとすると斎藤も、ガイドブックの表紙を務めた日から自身を「広島市民の親戚」だと思っていたのかもしれない……というのは筆者の勝手な妄想ではあるが、縁ある場所で起きてしまった災害にいてもたってもいられない気持ちになったのはたしかであろう。いずれにしろ、彼の今回の勇気ある行動を誰も非難することなんてできないはずだ。

(エリザベス松本)

最終更新:2018/07/17 20:00
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