インタビュー

「渋谷テロ予言」で大炎上! 元モデル占い師の“問題点”を弁護士&同業者がぶった斬り!!

2018/07/07 18:00

 占い師がその予言で、人の恐怖心を煽ったとしても罪に問われることはないというが、占い師の“倫理観”的にはどうなのだろうか。鈴木氏の予言を、同業者である占い師に意見を聞いた。

 霊感タロット占い師である稗田おんまゆら氏は、「前提として、鈴木先生は名前を明かしておっしゃってるわけですから、言論の自由というものは尊重されるべきです。また、この方の能力云々は脇に置いてお話します」と述べ、持論を語ってくれた。

「昔、国家事業として災害などを占う時代がありました。卑弥呼もそうですよね。今でもそういったことを行っている神社もあります。しかし現代においての占い師は、依頼があった方に対して行うべきものだと思っています。メディアの依頼であれば、その予言を載せたメディアも責任を負います。不特定多数に対して、依頼もないのにそういったことを占うのは、かなりリスキーなのではないでしょうか」

 稗田氏は「言論の自由はあれど、そこには責任が伴います。能力があるとされる人が、予言を行うとどういった影響があるのかを考えなければいけません」と言う。

「鈴木先生は、予言を行うことについて『人を救いたいから』『悪い予言を外すために』と言っていますが、私も占いはそのように使われるべきだと思います。ただ、不特定多数の人に向けて発信すると、それを酒の肴にするだけの人もいれば、本気で怖がる人もいますし、また便乗して炎上させようとする人もいるかもしれません。そういったことを十分に考えて発言するべきだと思います」

 とりわけ、地震が来ると予言して、実際に起こった際にそれを誇るようなことは「個人的にはどうかと思います。災害は毎年起きています。予言よりも、地震への備えや地震後の行動などを啓蒙して、不安を取り除くことの方がよっぽど大事です」と語る稗田氏。その言葉の背景には、かつて稗田氏も雑誌で「大地震が起こる」と予言し、実際に大きな地震が発生してしまったことがあるといい、「それ以来、私は災害の予言はしないことにしました。流言飛語になりかねないことはやはり言ってはいけないと思います」。

テロ予言は地震予言より責任が重大

 一方で、今回問題となったのは「テロ予言」だが、稗田氏いわく「テロは災害と違って、“人為的”に起こすものであり、地震予言よりも問題だと思います」と厳しい目を向ける。

「例えば、予言の場所で『黒い格好、マスク、帽子、バイカラー』の人物を偶然見かけた人が、写真を撮ってTwitterで拡散したり、『あいつが犯人だ』と思い込んで危害を加えたりするなどの危険性が出てきます。関東大震災の時、『朝鮮人(当時の呼称)が井戸に毒を入れている』という情報が飛び交い、一般市民が無実の朝鮮人やそれと誤認した人々を暴行・殺害した事件がありました。そのような事態を招く可能性もあり得るのです。まったくの無実の人を犯人に仕立て上げて、冤罪事件を生んでしまったらどうするのでしょうか」

 さらに、愉快犯を生んでしまう可能性も捨て置けない。わざと黒い衣服に身を包んで予言の場所を訪れる人が出てくる、また、「最悪なのは、テロ予言を現実に実行する人が現れる可能性があることです。オウム真理教の信者は、教祖の『この世は終わる』といった予言を当てるために、サリン等一連の事件を起こしたという面もあるのではないかと言われています」。

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