仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

NHK・桑子真帆アナ、スピード離婚報道に違和感――“飲み会参加”がなぜ人格評価につながる?

2018/06/14 21:00
kuwakomaho223
桑子真帆公式プロフィールより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「桑子さんはキャスターには珍しく、番組の打ち上げや反省会にマメに顔を出してくれるんです」
(「デイリー新潮社」6月18日)

 昨年30歳でバースデー婚を果たしたNHKの桑子真帆アナが、1年たらずで離婚した。人気アナの宿命として、週刊誌は離婚の原因を書き立てる。オジサン系タブロイド紙「日刊ゲンダイ」は、桑子アナは実は男勝りで勝気な性格だから結婚に向かない、遠くから眺めている方がいいと上から目線な分析をしていたが、フツウのオジサンと桑子アナがお近づきになることはないので、安心していただきたい。

 男性視聴者を中心に、桑子アナの離婚が不思議がられているのは、「見た目と同じように、性格もほんわかしていて、家庭を大事にしそう。とても離婚するはずがない」と思われていたからかもしれない。しかし私は、彼女の性格がほんわかしているとは思えない。前から、テレビに出ている桑子アナに、自分にうっとりしているというか、“私は私が大好きです”オーラをひしひし感じていたのだ。“仕事が好き”ともまたちょっと違うオーラで、言葉では説明しづらいが、それは人気者の証しであり、大物になることを予想させるものだった。

 しかし、ちょっとズレてきたなと思ったのは、今年2月の平昌オリンピックである。桑子アナは同大会のキャスターを務めていたものの、開会式以来、なぜか番組に出ることがなかったため、ネットで桑子アナの不在が騒がれたが、それに答えるように、俳優の和田正人が「ここにいますよ」と桑子アナの画像を添えてツイート。ファンは安心しただろうが、私には脇が甘いというか、自意識が“いま風”なんだなと思えて仕方がなかった。

 桑子アナが芸能人と親しいのは、個人の問題なので外野が口を挟む余地はないものの、桑子アナが中立を旨とする公共放送を提供する会社の社員であることを考えた場合、適切な行為とは言えないのではないだろうか。繰り返していうが、芸能人と親しくするなということではなくて、芸能人と親しいことを全世界に知らしめる必要があるのか、ということだ。

 しかし、そんな“騒がれたい”“かまわれたい”という願望が見え隠れする、桑子アナのおとなしくしていられない自意識は、最近のNHKを考えた場合、プラスに働きそうである。なぜなら、NHKきっての人気者、有働由美子アナが退社し、彼女に変わる看板が必要だからだ。

 人気を得るために、めぐり合わせやタイミングをつかむことは、非常に重要なことである。千載一遇ともいえるこのチャンスが回ってくるのは、持っている人の証拠。そう考えると、今回の離婚に関しても、“仕事に没頭していたら、家庭どころではなくなったのではないか”“それもおかしくはない”と思えてくるのだ。

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