人気コスメ回収に悲しみの声も……

ダイソーコスメは「安かろう悪かろう」!? 自主回収騒動の背景を専門家が指摘

2018/04/21 17:00
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「ザ・ダイソー」公式サイトより

 100円ショップの大手「ザ・ダイソー」が、現在、人気コスメ75種、また白髪染めを自主回収していることが、ネット上で耳目を集めている。

 ダイソーの発表によると、人気コスメ75種については、先月、回収の告知があったファンデーション5種と同様「全成分表示に記載のないパラオキシ安息香酸メチル(防腐剤)が配合されていた」とのこと。「いずれも化粧品基準に定められた配合制限量以下」「製品の使用等により重篤な健康被害を生じる恐れはございません」と説明されているが 、ネット上では「また回収? いつもじゃない?」「よく 使っていたのに残念……」「記載漏れなだけで健康に害がないなら使い続ける」など、さまざまな意見が飛び交っている。

 ちなみに、一時期SNSで話題を呼んだ、同社発売の「エルファー ハナ高パウダー」や「エバビレーナ アイブローコート」 も対象商品。「愛用品だっただけにショック」「買いだめしておけばよかった」「私の眉毛が消えてしまう」などの悲しい声も、まだまだやみそうにない。

 また、白髪染め製品「エバビレーナ白髪タッチ」については、有害物質の「ホルムアルデヒド」が検出されたことが、製造元による自主検査にて判明。検出されたホルムアルデヒドは微量だが、国の化粧品基準では配合が認められていない成分であるため、こちらはただちに使用を中止するよう呼びかけている。現時点では健康被害の報告はないようだが、敏感な体質の人は湿疹などのアレルギー反応を起こす恐れがあるという。

 さて、たびたび回収騒動が起こっている印象のあるダイソーだが、やはり100均コスメは「安かろう悪かろう」なのだろうか?

“成分が悪い”のではなく、“表示漏れが悪い”

 そもそも「パラオキシ安息香酸メチル」とは、どういった成分なのか? これ自体は悪いものではなく、むしろ最も安全性が高いと言われている“防腐剤”なのだという。一般的に「パラベン」と呼ばれる防腐剤の1つが、このパラオキシ安息香酸メチルなのである。

 食品でも化粧品でも、空気に触れたり人の手に触れたりすることにより腐敗が進むのだが、防腐剤はその腐敗を防ぎ、長期にわたって安全に使用するために入れられている。化粧品に詳しい専門家であるA氏いわく「国から認められている防腐剤なので、化粧品にもよく使われていますね。規定通り使う分にはなんの問題もありません」とのこと。

 また、“安いコスメだから入っている”と決めつけるのは早計で、栄養価が高いために腐りやすくなる高級化粧品にも、よく使われているようだ。“ノンパラベン”“パラベンフリー”などを謳っている化粧品が多く存在するので“パラベン=悪”と思ってしまいがちだが、パラベンは一般的に広く使用されているものだという。

 つまり、今回のコスメ75種の回収騒動に関しては、パラオキシ安息香酸メチルが悪いのではなく、あくまで“表示漏れ”がダメだった、というわけである。

 では、なぜ表示漏れが起こってしまうのか? A氏は「あくまで一般的なお話ししかできませんが……」と断りを入れた上でこう語る。

「輸入品の場合、輸入されるにあたって、もちろん成分をチェック・分析しているとは思いますが、情報の伝達がうまくいかなかったり、『検査したサンプルには(その成分が)入っていなかったが、輸入されたものには入っていた』ということも、ないわけじゃないようです。もしかしたらそういう事情があったのかもしれないですね」(A氏)

 ダイソー商品の中には輸入品が多くあり、今回の対象である化粧品75点も全て輸入品。自主検査をより徹底して再発防止に努めてほしい。

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