弁護士とジャーナリストに聞く

たけし、SMAP、のん……“独立トラブル”が続出する芸能界の「いびつな構造」

kasaibengoshi
河西邦剛弁護士

 ビートたけしが所属事務所「オフィス北野」を退社、自らが代表を務める新事務所「T.Nゴン」を設立した。また、所属事務所とのトラブルが報じられていたローラも和解し、4月から活動を再開するという。ここ数年、SMAPの解散騒動以降、芸能人が所属事務所から独立する動きが目立つ。独立というと、干されて芸能活動ができないなどのトラブルの印象があるが、18年3月にフリーに転身した満島ひかりのように、「円満」なものも増えているようだ。

 そこで、『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』(鹿砦社)の著者である星野陽平氏と、芸能人の権利擁護のために設立された日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事で、芸能人のトラブル案件を多数取り扱っている河西邦剛弁護士に、芸能人の独立時にトラブルが起きる背景や、事務所と芸能人の関係の変化について話を聞いた。

■芸能事務所には “地上”と“地下”の2種類がある

 河西弁護士によると、ERAで受けている芸能人からの相談内容は、主に3つあるという。事務所に入る前の相談、事務所を辞められないという相談、そして辞めた後のセカンドキャリアについての相談。中でも7~8割が、辞められないという相談だ。なぜ芸能人が事務所を辞めるとき、トラブルになるのだろうか? 

「ある芸能人に対して“あの人みたいになりたい”と夢を持っていた場合、その人と同じ事務所に入るほうがいいですよね。ですから、今いる場所より上に行きたい、より大手の事務所に移籍したい、というときにトラブルになるのです。芸能人は商品なので、流出してしまったら事務所は困ります。また、辞められやすい事務所と思われることも問題ですので、芸能人が事務所に所属し続けないといけないような専属契約を結ぶのです」(河西弁護士)

 芸能事務所には大きく分けて、“地上”と“地下”の2種類あるという。河西弁護士は、次のように解説する。

「アミューズやエイベックスといった上場企業をはじめとして、日本音楽事業者協会(音事協)に加盟している大手の事務所、それに続く中堅の事務所、以上で業界全体の2割ほど、ここまでが言ってみれば“地上”になります。残りは、なんとか成り立っている事務所、大手や中堅から独立したばかりの事務所、そして、レッスン料などの名目でタレントからお金を取る詐欺行為を行っているような事務所。こうした“地下”の事務所が8割を占めているんです」

 星野氏も、アメリカの芸能界と比較して、日本の芸能事務所の特殊性を指摘する。

「アメリカの場合、タレント志願者が自分で学費を出して俳優養成学校へ通い、自分で所属するエージェントを探します。日本でアイドルとして活躍した後、アメリカへ渡って俳優活動をしている田村英里子さんは、演劇のエージェントとなかなか契約できなかったので、仕方なくCMやモデルのエージェントと契約し、CMやモデルの仕事をしばらくしていました。エージェントは、売れるかどうかわからない者と契約しませんし、契約したら、タレントはエージェントにギャラの10~20%を払います。一方、日本の芸能事務所は、オーディションや撮影料、スクールの授業料などといった名目で、プロモーション費用をタレントから取るシステムになっているところもあります。テレビに出られるようなタレントがいる事務所は一部で、事務所がバーターで押し込むなどして、才能がなくてもタレントがテレビに出ていたりする。そもそも論理がおかしいんです。アメリカでは、日本のアイドルグループみたいなものは成立しにくいですね」

 星野氏によると、アメリカの芸能界には法律の規制があり、事務所の機能が分離されているという。具体的には、ブッキング(契約行為)、プロダクション(制作)、マネジメント(タレントの世話)の3つだ。法律的には、タレントエージェンシー法によってブッキングを担当するエージェントはマネジメントを兼務してはいけないと定められており、反トラスト法(日本の独占禁止法<独禁法>に当たる)でプロダクションとマネジメントは兼務できないことになっている。

「以前、小栗旬さんが『俳優の労働組合を作ろう』という発言をしたことがありますが、その後、スキャンダルなどが出て、多分潰されたのでしょう。結局、うまくいっていません。アメリカでは、エージェンシーや劇場といった資本の圧力に対してタレントが立ち上がり、労働組合を作り、ストなどを行いました。その結果、両者の間で協定が結ばれ、待遇が改善されたのです」(星野氏)

もはやテレビの時代ではない、と

しぃちゃん

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