性暴力救援センター「SARC東京」平川和子理事長インタビュー

性犯罪被害に遭っても証拠が残りにくい? 卑劣な「デートレイプドラッグ」の実態

2018/02/21 15:00

デートレイプドラッグ被害に遭ったと思ったら、すぐさま警察に通報

 デートレイプドラッグ犯罪は、初対面ではなく、ある程度の顔見知りによる犯行が多く、未然に防ぐことは難しいという。それでも何かできる対策はないのだろうか?

「第一に、怪しいものは飲まない、食べないようにすること。また、トイレから戻ってきたとき、飲み残したものは飲まないことが被害の予防になります。さらに、もしもトイレで被害に遭われたと思われる女性に出会った場合、救急車を呼ぶか、記憶がなくてもレイプ被害の支援を求めることができると伝えてあげてください」

 ただ、いくら気を使っていても、被害に遭ってしまうことはある。さらに、自分では予防したつもりでも、それが防げなかった場合、女性側に落ち度がまったくないにもかかわらず、自分を責める要因にさえなってしまうと、平川氏は指摘する。

 また、もしデートレイプドラッグ被害に遭ったと気づいたら、すぐに対応することが何より重要だという。

「ある時点からの意識がなくなっていて、身に覚えのない性行為による違和感が残っていたりするなど、デートレイプドラッグ被害に遭ったと感じたら、すぐに警察に通報し、採尿や採血を受けるようにしてください。尿や血液から薬物反応が出れば、特定の人物を容疑者とすることができ、性被害の事件化も可能になるかもしれません」

 一方、睡眠薬の場合は、体内から早く排泄され、証拠として残りづらいため、時間がたってしまってからでは、立件が難しくなるケースが多いといわれている。

 もし警察に抵抗があるなら、SARC東京のような民間のサポートセンターに連絡すれば、被害の確認や相談ができる。また、内閣府によれば、2018年2月現在、41都道府県に性被害ワンストップセンターが設置されており、20年までには全都道府県に整備される予定となっているので、以前よりは被害者支援の輪も広がりつつある。

 デートレイプドラッグが現実に存在する。そして、もし被害に遭ったとしても相談できる場所がある。これらを知っておけば、いざというとき、泣き寝入りせずにしっかりと自分の身を守ることにつながっていくだろう。
(福田晃広/清談社)

性暴力救援センターSARC東京

最終更新:2018/02/21 15:00
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