日テレはどれも同じノリ

バラエティ番組を面白くする「悪意」とは? 人気テレビに“イジリナレーション”が横行のワケ

2018/02/03 15:00
itteqmain
『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)公式サイトより

 今、バラエティ番組を面白くしているキーワード。いくつもの番組で放送作家として活躍している某氏によると、それは「悪意」だという。

「出演者の揚げ足を取ったり、小ばかにするような、悪意ある“イジリナレーション”がはやっているのです。『世界の果てまでイッテQ!』『月曜から夜ふかし』(ともに日本テレビ系)、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)が代表例。それらとは毛色が違いますが、『カミングアウトバラエティ!!秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)では『へぇ~そうだったのか~』という抑揚のないナレーションが多用されます」

 そんな“イジリ”がVTRを見ている側の出演者にまで及ぶのが、『ヒルナンデス!』(同)。1月23日のオンエアではこんなことがあった。石川・輪島の名物朝市を訪ねた、大久保佳代子といとうあさこ。そこで2枚3,500円の値段で売られている地元名産「のどぐろ」の一夜干しを見つけて、「東京で食べたら高いよね」と一言漏らす。その後に続いたナレーションは、“東京ではリッチ芸人・渡部にしか買えない、のどぐろ”。これは、スタジオでVTRを見ているアンジャッシュ・渡部建をイジるためのナレーションだった。

 続いて2人が老舗の酒造店に立ち寄った際は、“あさこが生まれた大正元年から続く”と、今度はいとうに対し、創業年に引っかけてイジっていた。さらなるターゲットは、Hey!Say!JUMP・有岡大貴。七尾湾や能登の里山を走る観光列車を紹介するシーンに、“有岡くんより滑舌の良いガイドさんの解説つき”と、ナレーションを入れていた。

 こうしたテレビ業界における、はやりを最近取り入れているのが『ザ!鉄腕!DASH!!』(同)だという。

「昨年10月8日オンエアの『DASH 0円食堂』では、リーダー・城島茂へのイジリがさく裂していました。その日は静岡・富士宮でロケが行われ、目的地に到着してロケ車から少し苦しげな表情で降りた城島に、“この日は腰と膝の調子が悪い城島”とテロップが。また、落花生の廃棄食材をもらうときの交渉術に対し“まるで訪問販売の営業マン…”というツッコミ。さらに落花生の選別について説明され、『大変ですね』とわかったふうに答えたときはすかさず、“本当はわかっていない城島”。別の場所に向かい、再びロケ車を降りた城島に対してまたしても、“この日は腰と膝の調子が悪い城島”。しかも“車を降りるのに12秒”というテロップもありました」(芸能ライター)

 『DASH』といえば、「親が子どもに見せたい番組」にも選ばれたり、優秀な番組に授与される「ギャラクシー賞」も取ったことのある、「民放テレビ唯一の良心」ともいえる番組だ。ここまで“演出”して見せる必要はないように思うが……。

「かつての『DASH』の作り方は、頑張るTOKIOの姿を応援するという、ストレートなものでした。しかし数年前にスタッフが変わり、方針も異なるものへ。彼らの魅力をより引き立たせ、存在を身近にするように変わったのです。イジリテロップも、そのための“装置”。ただ、こうしたイジリは、ネットの反響を意識してるとの指摘もあり、『昔の素朴な「DASH」の方が良かった』という視聴者層も少なからずいるようです」(業界関係者)

 ようはほどほどに、ということか。次にマネするのはどの番組なのだろうか。

最終更新:2018/02/03 15:00
悪意とこだわりの演出術
悪意ってワードがもう消費尽くされたね
アクセスランキング