仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

藤原紀香、ブログに見つけた“紀香らしからぬ一文”――「商品価値の下落」漂う危険な兆候

2018/01/18 21:00
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今年もよろしくね! 紀香!!

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「今年、そんな方とは仕事をしないことにした」藤原紀香
(藤原紀香公式ブログ、1月10日)

 昨年末に放送された、藤原紀香の主演ドラマ『眠れぬ真珠』(日本テレビ系)。放送日翌日、友人に「どうだった?」と聞かれ、答えようとしたところで気づいたこと。

 内容、忘れた――。

 紀香のベッドシーンも、めまいを起こす際に寄り目になる演技も全部見た。それなのに、なぜか「あのシーン」とか「あのセリフ」みたいなものが、全然残らない。

 なぜ記憶に残らないのか、一言で言ってしまえば、紀香の演技力がアレだから。けれど、別の見方をすると、脚本家が書いたキャラクターやストーリーよりも、紀香自身や人生の方が面白く、紀香の当たり役は“藤原紀香”だから、ともいえるのではないだろうか。

 紀香は永遠のワナビーであり、いつも何かになろうとしている。紀香は「こうなりたい」とか「こう言われたいと思っている」ことがあまりにも推測しやすくて、失笑を誘うタイプである。CM女王と言われた頃から「女優になりたい」と宣言し、見事女優になった後は、ハリウッドセレブをまねてか、チャリティーやボランティア活動に傾倒。紀香は、赤十字を訪問された皇后・美智子さまと懇談した際、美智子さまを模したとしか思えない帽子をかぶるなど、ロイヤルファミリーへのあこがれも感じさせる。「外見だけでなく、内面も美しい」と言われたいのだろうなということが、容易く想像できる。最近は、歌舞伎俳優・片岡愛之助と結婚したことで、よき“梨園の妻”たろうと努力を重ねているのは、ブログを見れば一目瞭然である。

 努力して“藤原紀香”を演じる紀香。褒められようと努力しすぎて、空回りしてしまう紀香。さりげなさを装っているつもりでも、「ここ、褒めて」という場所がバレバレな紀香。ブログは、紀香のやる気過剰な部分がよく表れている。

 例えば、結婚1周年を迎えた2017年9月28日のブログは、「ありがとうございます」といったふうに、結婚式に来てくれた招待客にお礼を述べる、常識的な形で始まるが、招待客からもらったメールというテイで、「ゲストが心から楽しめたあの披露宴から1周年!」といった具合に、自分を褒めるオチにしてしまう。また、年下の友人の結婚式に招かれた際は、「いい披露宴」と一応は先方を褒めるが、披露宴の具体的なもの(花や料理)はアップしないのに、「のりかさんと仲良くなれたことは、私の人生の中で一番嬉しいことです」「何事にも前向きで、ハッピーで輝いているのりかさんが大好き」という花嫁からの手紙をアップする。「人の口を借りて、自分を褒めさせる」のが、紀香ブログのお約束である。

紀香バディ!
“藤原紀香”を演じることにおいては大女優といってもいい
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