エロい撮影でもヤッていいわけない

「君のせいで1日中こんなだよ…」人気ぽっちゃりモデル、撮影現場でのセクハラ被害体験を語る

2018/01/12 19:55
LAS VEGAS, NV - NOVEMBER 29:  Model and designer Ashley Graham arrives at her latest lingerie collection launch at Macy's at the Fashion Show mall on November 29, 2017 in Las Vegas, Nevada.  (Photo by Gabe Ginsberg/Getty Images)
「プラスサイズモデル」の知名度を上げるアシュリー

 昨年のモデル長者番付で10位にランクインした人気プラスサイズ・モデルのアシュリー・グラハム(30)が、17歳の時、撮影現場でセクハラを受けたことがあると告白。露出したイチモツを「触れ」と命じられ、パニックになったと赤裸々に明かした。長年セクハラがはびこってきたファッション業界でも、被害を告発しようという流れになっている。アシュリーはこの「Me Too」運動を支援し、「被害に遭ったらどう行動すればいいのかを若いモデルたちに伝えていきたい」と鼻息を荒くしている。

 昨年10月に米大手紙ニューヨーク・タイムズが「ハリウッドの巨匠プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが、権力を盾に過去30年にわたって女優たちにセクハラをし続けてきた」と報じた後、自分も被害者だと告発する女優が続出。これが発端となり、アメリカではさまざまな業界でセクハラ行為を次々と告発する流れになっているのは既報の通りだ。このセクハラ告発は大きな動きとなり、SNSで付けられたハッシュタグから「Me Too」運動として国外でも展開されるようになっている。さらに今年に入ってからは「もうこれ以上、権力を振りかざして行われるセクハラや性暴力、性差別や人種差別に我慢するのはやめよう!」という「Time’s Up」運動へと発展。「権力を持つ男性全員が悪いという運動に発展しかねない」「軽口もセクハラだと訴えられるのは問題」と懸念する声が上がるほどの巨大ムーブメントとなっている。

 セクハラ告発は音楽界、スポーツ界、政界、一般企業、そしてファッション界でも巻き起っており、各業界の大御所たちが次々と失脚に追い込まれている。これまでに複数のモデルからセクハラ告発、起訴されてきた鬼才フォトグラファーのテリー・リチャードソンもその1人で、「VOGUE」「GQ」などを出版するコンデナスト・パブリケーションズが、テリーに対し「今後、写真を使用しない」と通達したとの情報が流出し、大ニュースとなった。

 過激な写真を得意とし、モデルに性的行為を強要したり性的嫌がらせをすることで有名なテリーだったが、被写体から最高の表情を引き出す天才写真家として高く評価されてきた。世界的スターやオバマ前大統領、2020年大統領選挙への出馬が期待されるオプラ・ウィンフリーとも仕事をしており、彼に撮影してもらうことはステータスだとされてきた。あまりにもセクハラがひどく、14年には「ノー・モア・テリー(#Nomoreterry)」というボイコット運動も巻き起こったが、サクッと乗り越えてきた。だが今回のムーブメントでは、47歳のキャノン・バーンスタインというモデルから03年の撮影中に「突然チンコを露出し、私の口の中に無理やり押し込んだ。そしてオーラルセックスを強要された」と性的暴行の申し立てまで明確に出され、いよいよ業界から追放されることになった。

 その後、カルバン・クラインの下着ラインの男性モデルのヌード広告で知られる大御所フォトグラファー、ブルース・ウェーバーもセクハラを告発・起訴された。若い細マッチョのブロンド男性モデルが、「撮影中に無理やり下着を脱がされ、『チンコをシゴけ』と強要された。ブルースのチンコにも触らされ、ブルースの口の中に指を入れさせられた。『君はどれくらい成功したいんだい? どれほどの野心があるんだい?』と囁かれながら」と暴露したのだ。

 女性モデルだけでなく、男性モデルまでもセクハラ・性的嫌がらせをされているのだということが世間に広く知られるようになり、ファッション界は悪い意味で注目を集めている。

 そんな中、米大手経済誌「フォーブス」で昨年「世界で最も稼ぐモデル」の10位にランクインし、プラスサイズ・モデル初の快挙だと話題をさらったアシュリー・グラハムが、「私も17歳の時に撮影現場でセクハラされた」と告白したのだ。

NAOMI (ヨシモトブックス)
撮る人は仕事に集中しなさいよ
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