オンナと性の距離感は?

「結婚できるセックス特集」炎上、「ちんぽ」ブーム……2017年のセックスカルチャー5大ニュース

2017/12/30 17:00

 2017年の性にまつわるニュースといえば、性犯罪に関する刑法改正や「#MeToo」といった、女性の“性の尊厳”に関わるものが多かった印象です。深く考えさせられることが多くなると、性とは本来楽しくて気持ちいいものというのを忘れがち……になりますが、今年もあります、明るくオープンなセックスカルチャー・ニュース! ここでは17年を彩ったニュースのうち、筆者が選んだ5大ニュースをご紹介します。各事象を俯瞰すると、いま女性が置かれている性の現在地が垣間見えるようです。

■日本初のセクシュアルアメニティブランド「bda ORGANIC」誕生

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「bda ORGANIC」公式サイトより

 2017年秋、日本初のセクシュアルアメニティブランド「bda ORGANIC」が誕生しました。ラインナップされているのは、ローションやマウスウォッシュなど、男女間だけでなく男性同士、女性同士を含む全て人のセックスを安全で愉しいものにするためのアイテム4点。

 スタイリッシュなパッケージデザイン、粘膜に触れるものだけに素材は全てオーガニック。香りやフレイバーにも上質感が漂い……と、この商品の魅力をアピールする以前に、日本では「なぜこうしたものを使わなければいけないのか?」を啓発することから始めなければならないのが実情でしょう。

 性器周辺や口腔内に傷ができると、性感染症のリスクが高まります。セックス前のお口ケアは粘膜を傷つけやすい歯ブラシではなくマウスウォッシュで。ローションは日本ではいまだ「濡れない女性が仕方なく使うもの」といったイメージを持つ人がほとんどですが、性器や肛門の粘膜を守るためのもの。全て自分とパートーナーの健康と安全のためである、ということがもっと知られることを願います。せっかく、こんなに素敵なブランドができたのですから! 最も気持ちのいいセックスは、望まない妊娠や感染症のリスクがない状態で心と体を開放できるセックスです。

■レズビアン、バイセクシャルカルチャーの広がり

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『お嬢さん』公式サイトより

 タレントの最上もがさんが、バイセクシャルであり女性とキスした経験もあるとカミングアウトし、韓国映画『お嬢さん』では(筆者の独断と偏見ですが)映画史上に残ること間違いなしの美しくも濃厚なレズビアンセックスシーンが展開された17年。女性×女性の恋愛を描く“百合モノ”のコミックやアニメも増えているといいます。16年には『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(永田カビ著、イースト・プレス)が大ヒットし、17年も引き続き話題を呼びました。

 レズビアンやバイセクシャルといった性的指向とはまた別の、女性がこれまでひそかに抱いていた“同性同士の方が傷つけられることなく、安心して恋愛感情も性的満足感も共有できるのではないか”という思いが表面化したため、このような流れが生まれていると感じます。

 『さびしすぎて~』の舞台となった大阪のレズ風俗店でも、利用者の多くは異性愛者(ヘテロセクシャル)の女性だといいます。そこにきて女性同士でおしゃべりをし、ときに悩みを打ち明け、人肌を触れ合わせ、気持ちいいことをして癒やされる……こうして明日を生きる活力を得るのにセクシャリティは関係ないのかもしれません。

■「with」の「結婚できるSEX」特集が炎上

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「with」2017年7月号(講談社)

 今年は複数の女性誌がセックス特集を組みましたが、なかでも話題を集めた、というか炎上したのが「with」(講談社)の「結婚できるSEX」特集です。

 結婚後はその相手を唯一のセックスパートナーとするのが日本の“決まり”で、それを破れば犯罪者のごとく叩かれる昨今。しかし一方で結婚相手に求める条件として「セックスの相性」を挙げる人は少ないように見えます。確かに結婚とセックスは切り離せないものですが、「大切かつ丁寧なSEXが結婚への近道」とはセックスに過大な期待をしすぎでは?

「色仕掛けで妻の座を得るということではなく、恋愛と結婚の介在するセックスを『本気で向き合う』ことの重要性を探る」のが企画主旨だといいながら、指南されるのは「下着は清純な印象を与える白がベスト」とか「フェラは膝から始めるべし」とか……えーと、それが“本気で向き合う”ということ? そんなセックスでコミュニケーションが深まる相手との結婚生活は、前途多難だとしか思えません。

夫のちんぽが入らない
ちなみにサイ女は「イチモツ」呼びを推してます
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