[官能小説レビュー]

若い男性との恋に潜む“罠”――『不倫純愛~一線越えの代償~』が描くアラフォー女性の転落

furinjunai
『不倫純愛~一線越えの代償~』(幻冬舎)

 歳を重ねると恋愛を始めることに対して慎重になるが、一度始めてしまうと思春期の頃のように燃えてしまうことが多い。その最たる例が「不倫」である。相手が独身で若ければ若いほど、相手と同じ年齢の頃に戻り、再び青春を謳歌してしまうのだ。そしてもちろん、セックスも楽しみ、溺れてしまう。

 しかし、そうしたアラフォー、アラフィフ女性の若い男性との不倫は、思わぬ危険を孕んでいる。

 今回ご紹介する『不倫純愛~一線越えの代償~』(幻冬舎)は、1人の女性が不倫によって奈落の底に落ちていく物語だ。

 40歳の売れっ子脚本家・香澄は、公務員の夫と結婚しているが、現在は別居生活を送っていた。別居の原因は夫の過干渉で、香澄は週に1度1LDKの部屋に夫を入れるという条件を飲み、一人暮らしをしている。そんな彼女が一回り年下のダンサーの来夢と出会い、その人生は大きく変化してゆく。

 ある日、香澄の元に配達員として荷物を届けに来た来夢。その逞しい胸板や爽やかな笑顔に、香澄は一目惚れをする。

 その後、街中で偶然、来夢と出会った香澄は、彼が出演するダンスショーの招待状をもらう。迷いながらもショーを見に行った彼女は、若い女性ダンサーやファンに嫉妬心を燃やし、歳が離れている既婚者であることも忘れて、彼に恋をしていることに気付いてしまう。同じく香澄のことを好きになってしまった来夢は、ショーを終えてから強引に彼女を食事に誘った。そして、ついに2人は結ばれてしまう――。

 売れっ子で金もある香澄は、来夢と知り合い、恋に落ちてしまったことで、かつて体験したことのない闇へ転落してゆく。母親の借金を肩代わりしている来夢のために貯金を崩し、とある男と愛人契約を結び、性奴隷のように扱われる。読者である我々は、香澄の転落人生の首謀者が誰だかわかるのだが、当の本人である香澄は、疑いもせずに来夢を愛し続けているのである。

 年甲斐もなく若い男と恋愛するとこうなってしまう――呆れる反面、主人公と同世代の筆者としては胸がチクチクと痛むのだ。年甲斐もないということは百も承知。歳を重ねると女は商品価値が薄れてしまう。けれど、これまで一生懸命生きてきた自分を、若い男性が好いてくれたら、それほどの称賛はないだろう。

 せめて、小説の中では夢を見させていただきたい――そんな淡い希望を抱くアラフォーの女性に対して、張り手でもしているかのような、反面教師のような1冊である。
(いしいのりえ)

いい夢見ろよ!

しぃちゃん



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