角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第150回記念対談(後編)

保育園経営者・角川慶子&ホストクラブ代表・信長、異色の成功者は「根拠のない自信」上等!?

2017/12/17 16:00

自信には根拠なんてなくていいんです

――世の中では、根拠のない自信を持つ人を訝しがる風潮も否めません。それに、自信がないから周りに流される、いわゆる同調圧力に屈してしまう人の方が多い気が……?

信長 自信のない人は本当に多いですね。自信なんて待っててもつかないですよ。例えば、「優勝したら自信がつく」と言われたとして、自信って100~200人のうち1人にしかつけられないのか? と。全国大会で優勝するまで、自信はつかないのか? と。そんなチャンスは待っていても来ない。根拠なく自信を持っていい。

角川 信長さんがホストになったばかりの頃、オラオラ系の中で、あえてきれい目にして浮いていたそうですが、同僚からよく思われなかった時期もあったのではないですか。

信長 ありましたね。少し前までずっとそうでした。「どちらを取るか」だと思うんです。全部は取れない。ホストクラブが終わったあとみんな飲み会に行くんですが、僕はほぼ行かなかった。そこでまさに“同調圧力”があったんですよ。「なんでお前は来ないの?」と。僕は目標があった。ここでお金を稼いで、これからの生き方を模索したいという気持ちが強かった。だから行かなかったんです。はっきりと目標があると、どちらが大事か選べて迷いがない。

角川 でも、ホストは売れっ子になると、席を埋めてくれる後輩も大事でしょう。あまりに一匹狼だと、後輩を育てられないのでは。そのさじ加減が難しい。

信長 今はお店の幹部であり代表でもありますので、ちゃんとみんなの面倒見ますけど……若い時は、50人ホストがいれば1~2人は自分と合う子がいるので、そういう子を育てていました。

角川 ママ友コミュニティは、子どもが“人質”。自分がうまくやらないと、子どももいじめられるんじゃないかと親が思うから、それがますます気になる原因になっています。

信長 そうなると完全に同調しないことは難しそうですね。ドライな部分とちょっと同調する部分とどっちも持っておくといいかも。自分なりに限界点を決めておいて、それを超えたら開き直る。それまでは多少同調する。社会に生きている以上、どこか折れるところはないと。あとは僕の本を読むといいですよ(笑)。

角川 完全に一匹狼は天才以外無理ですね。

――最初、お二人にスーパーマン、スーパーウーマンのような印象を抱いていたのですが、人間味のある面を感じました。みんなと同じように悩みつつ、まい進されてる気がします。

信長 僕は、イラついたときは漫画を読むことにしていますよ。iPadの中に4,000冊くらい入っています。そのときイヤでも、次の日には「まあ、いいか」と思えることもあるので、好きなことをしてうまく忘れるといいですよね。

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に認可外保育園「駒沢の森こども園」、16年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」、17年4月に認可外保育園「衾の森こども園」をオープンさせる。家庭では9歳の愛娘の子育てに奮闘中。

信長(のぶなが)
1979年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業。学生時代から家庭教師、塾講師の傍ら、ホストの道に入る。歌舞伎町のホストクラブ「Club Romance(クラブロマンス)」代表取締役。ビジネス書作家、講演講師など多彩に活躍。『いい女はドMが9割』(カシオペヤ出版)、『選ばれる技術』(朝日新聞出版)など著書多数。

【著書紹介】
『強運は「行動する人」だけが手に入れる: 歌舞伎町No.1ホストが教える運の鍛え方』(学研)
生き馬の目を抜くホスト業界で、10年以上No.1として生き残り続けてきた、歌舞伎町のホストクラブ「Club Romance(クラブロマンス)」代表取締役・信長氏。彼は、どのようにして、「運」を味方して、「人とお金」を引き寄せてきたのか? をまとめた1冊。運の鍛え方を「行動編」「マインド編」「習慣編」の3パートで丁寧に解説している。

最終更新:2017/12/17 16:00
強運は「行動する人」だけが手に入れる: 歌舞伎町No.1ホストが教える運の鍛え方
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