仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

田中みな実、「ぼっちアピール」や「闇エピソード」に見る“わがままな女王様”の顔

2017/11/30 21:00

芸能界での価値は思ったより“下”だった

 昨年『ボクらの時代』(同)に出演した田中は、「自分の芸能界におけるポジションや、求められているものはこの辺だなとわかって、身の程を知った」と発言している。つまり、自分の商品価値は高いと思って早くにフリーになってみたが、芸能界での価値は思ったより“下”だったと気付いたということだろう。

 田中はほかにも“闇”エピソードの中で、「私って使い道がない」とか「喜んだりすると、悲しいことが起きるから、喜びたくない」とネガティブに聞こえる発言を連発していた。「田中=わがままな女王様」と仮定して、これらを解釈すると、「自分はデキるはず」「自分の人生には予期しないような素晴らしいことが起きるはず」という思い込みが強すぎるから、反動でいちいち落ち込むといえる。

 田中は7月22日放送の『もしかしてズレてる?』で、ぎっちぎちに美容やワークアウトの予定を入れ、1人で過ごしていると明かしていた。「1人の時間を充実させるのはオトナの証拠」といった説が女性誌を中心に流布しているが、田中のような極度の自分好きが1人でいると、エンドレスに「自分はデキるはず、それなのに……」と思って自分について考え、ますますイライラするので、悪循環なのではないだろうか。

 それにしても、田中は芸能人以上に芸能人気質を持っていると思わせられることが多々ある。バラエティ番組で、自分にまつわるVTRを見る時の田中はうっとりしている。一方、『ダウンタウンなう』(同)で、中高年女性に人気のスーパー銭湯アイドル・純烈と共演した際、彼らと目を合わせることすらしなかった(いまどきのタレントは、心の中は別として、形だけでも興味を示すものである)。自分が大好きで、自分にメリットのない人には1ミリも興味をひかれない性質に生まれついているのではないだろうか。

 田中といえば、「GINGER」(幻冬舎)にたびたび登場するが、幻冬舎の社長は見城徹である。見城はサイバーエージェント代表取締役社長の藤田普と共著で『人は自分が期待するほど、自分を見てくれていないが、がっかりするほど見ていなくはない』(講談社)という本を出している。悩んでいる(つもりの)田中に、このタイトルを捧げたい。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2019/04/08 19:41
GINGER(ジンジャー) 2018年1月号 
みな実に首を切られた人、いっぱいいるんだろうなぁ
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