仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

いしだ壱成、19歳新恋人に尽くす姿に見る「モラハラの始まり」と「捨てられることへの不安感」

2017/11/23 21:00

いしだは「己を顧みる心」が皆無

 『バイキング』で、いしだは新恋人と「絶対別れない」と発言し、その根拠を「(彼女と)魂がつながっている」からと説明した。昭和の少女漫画のような発言で、このテの言葉に若い女性は弱いだろう。しかし、視点を変えると「魂がつながっていると思えるほど、特別な女性に出会えたから、別れない」という発言は、前妻を含めた過去の女性は「特別でないから、別れた」ことになり、つまり「別れた原因は、女性側にある」とうっすら思っているということではないだろうか。己を顧みる心はゼロなのである。

 今のいしだは、彼女に前妻のようなルーティーンを課していないという。彼女がお風呂に入っていると、バスタオルを広げて待っているほど尽くしているそうだ。前妻とのあまりの違いを疑問に思う人もいるだろうが、これこそがモラハラの始まりといえるのではないだろうか。自分が愛情を前払いし、払った分と同等、もしくはそれ以上を、彼女からルーティーンとして回収するのである。いしだは彼女に頼んで、スマホに「いっくん、愛してる」と書いてもらったそうだが、これは一種の借用書になりうる。いしだの思い通りにならないことが起きた時、借用書を突きつけて、「愛していたら、オレの言うことを聞けるはず」と話のすり替えができるからである。

 愛情を取り立てるための囲い込みは、すでに始まっている。いしだと新恋人は郊外のワンルームのアパートで同棲しているそうだが、交通の便が悪く、狭い場所に、わざわざ一緒に住む意味はあるのだろうか。一緒に住めば2人分の家事が発生するものの、彼女は“自らの意志” で料理などを始めたという。『良かれと思って』で、いしだは前妻に「(言葉ではなく)目で教えた」、つまり、やるように追い込んでいったと語っており、また同じパターンが繰り返されているのである。

 11月17日の『エゴサーチTV』(Abema TV)に出演したいしだは再婚願望があることと、「ルーティーンはやってほしい」と発言していた。ルーティーンがもとで離婚したのに、いまだに凝りていないことに驚くが、おそらくそれは、いしだにとって特別な意味を持っているのではないか。傍からみれば、いしだのルーティーンは面倒くさい“家事”である。しかし、いしだにとって、「こんな面倒くさいことをやってくれるのは、愛されているから」という確認のために必要なのではないか(ゆえに家政婦にやってもらっても、意味がない)。人を毎日試さずにいられないのは、いしだが絶えることなく「自分は捨てられるかもしれない」と不安を抱えているからのように思えて仕方がないのである。

 ブラックマヨネーズの吉田敬は、いしだに「40代に希望と与えた」としながらも「2年後にボロボロになってる予感しかしない」と述べたが、私もそう思う。願うのは、ただ1つ。いしだの新恋人である飯村が、メンタルを壊すことなく、このチャンスを生かし、芸能人として前に進むことである。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2017/11/23 21:00
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