東京イセアクリニック総院長・吉種克之医師インタビュー

タトゥーを入れた9割が後悔、皮膚移植は30万円……医師に聞く「タトゥー除去手術」の最前線

2017/11/23 15:00

“傷痕”を覚悟しなければならない

 タトゥーを入れて生活しづらくなることを考えると、今すぐにでも消したい気持ちもうなずける。実際、どのような方法で、タトゥー除去は行われるのだろうか? 代表的な方法を聞いた。

「ひとつ目は『レーザー除去法』です。タトゥーにレーザーを照射して、高熱で染料を燃焼させます」

 手術ではないため傷痕は残らないが、染料を完全に消すことができないのもレーザー除去の特徴。そのため、染料の深さによっては「ボールペンで描いたものを、消しゴムで無理やり消したような痕」が残ることもあるという。

「2つ目は『切除縫合術(以下、切除法)』です。切除法は、タトゥーが入っている皮膚に部分麻酔をかけて、中心部分の皮膚を切り取り、その周辺を縫い合わせる方法。部位やタトゥーの大きさによって、手術の回数は異なります」

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切除法による手術痕。手術を含めて、6カ月の治療期間を要した

 小さいものであれば、1回で切除から縫合まで可能だが、大きなタトゥーであれば、手術を数回に分けて切除と縫合を繰り返す。一度の手術後、縫合部の皮膚が伸びるまでに3カ月~半年かかり、皮膚がつっぱらなくなったら、再度タトゥーを切除して縫い合わせる……。長い戦いが待っているのだ。

「切除法の難点は、傷痕が残ること。そのため、切除法はタトゥーを入れる前の状態に戻すのではなく、事故やケガの痕のように見せかけて、タトゥーをごまかすための手術と捉えたほうがいいと思います」

 傷痕を残すことで“タトゥーを入れた過去”をなかったことにする、いわば裏ワザ的な手術といえる。

 そのほかにも、タトゥー部分の皮膚を削ぎ落とす「削皮術」。大きなタトゥーを切除して、太ももなどの健康な皮膚を移植する「植皮術」があるが、どの方法も痛みや傷痕を伴うことは間違いない。

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入れるのも消すのも、どっちも痛そう……
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