角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第148回

「電車遊び」にクレームを入れてきたママ……保育園に頼りっぱなしはやめてください!

2017/11/18 16:00

うちは認可の“保険”ではありません

 世の中、保育園無償化とかそんな流れになっていますが、駒沢の森こども園、衾の森こども園は、もっともっとこれからお受験寄りになると思います。というか私自身、お受験事情の最先端にいるようにしていますし(私立小の懇談会や説明会へ常に参加、過去問の研究)、またそれが最近では楽しいです。

 駒沢の森こども園、衾の森こども園の来年度は一応いっぱいですが(毎年何人かキャンセルは出ます)、見学のメールの段階で、「小学校お受験希望」または「預かるだけの保育園じゃダメな理由が明確にある人」から優先で受けて行くようにします。認可の保険(認可に入れたら辞める)みたいな人を取ったら、本当に入りたい人を逃してしまいます。「うちじゃなくてもいいんじゃない?」と思う人も紛れているので、「あああ」とたまに感じますね。受験するにしろ、しないにしろ、丁寧に育てたい人向きの園ですよ(笑)。

 これだけ尖がっていると、稀に変わった人のアンテナにも引っかかります。連絡帳に「プラレールが気に入って遊んでいました」と書いたら、「プラレールは家でもできるので、本の読み聞かせをたくさんお願いします」とクレーム的に書いてあることがありました。いやいや、朝の会はもちろん着替えが終わってない子を待つ間など、ことあるごとに本を読んでいて、ほかの保育園よりとても読書量が多いのが自慢でもあるんです。

 よく観察すると、このご家庭は朝の会が終わってから登園していますし、親は本好きなのに、子どもはまったく本に興味がない様子です。本が好きな子は1歳でも本を先生のところに持ってきて、「読んで」と言います(実際に言わなくても「読んで」という意味で持ってくる)。様子を見ていると、普段親が本を読んで聞かせているとは、どうしても思えないんですよ。子どもにとって本は、声色を使って楽しく読まないと好きになってくれません。ただ文章を読むように読んでも、子どもは苦痛でしかありません。動画で見せた方が、断然マシです。

 毎日本を読むと確かに本好きになるし、お受験でもお話の記憶はもちろん、有名な童話や民話のあらすじを知っているのが大前提なので、読み聞かせは大事なのですが、遊んでいるおもちゃを取り上げて、無理に本を読んでも逆効果なんですよね……。このあたりの感覚をわかってくれる人に、入園してほしいですね(苦笑)。

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に認可外保育園「駒沢の森こども園」、16年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」、17年4月に認可外保育園「衾の森こども園」をオープンさせる。家庭では9歳の愛娘の子育てに奮闘中。

最終更新:2017/11/18 16:00
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