【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

「ヒモ男だったけど、子どもは会わせるべき」バツ2女性が3人の子を育てて気づいたこと

2017/11/15 15:00

家事や育児はできないし、お金は全く入れない

 Cさんとの子は男の子だったんですよね。息子さんが生まれてからの家の雰囲気は、どうでしたか?

「まだ愛想があればよかったんですが、会話は相変わらず面白くない。世間話のひとつもできないし、冷淡です。基本的には穏やかではありますけど、私がけっこうカッカする方なので、そうした態度を目の当たりにすると、彼は不機嫌になって舌打ちをするんです。息子が通っている保育園の運動会のときなんか、ひどかったですよ。朝早く起きてお弁当の準備をしてて、うっかり包丁で手をずばっと切ってしまって、シンクが真っ赤になってしまったんです。ちょうど彼が起きてきて、あくびをしながらひと言、『またか』ですよ。とにかく反応に温かみがなくて、ケンカが絶えなかった。

 娘たちとの関係も同様です。息子が生まれた後、娘たちは息子と自分たちに対するCの接し方が違うってことに、気がつくようになったんです。それで、みるみるCと娘たちの心の距離が出てきてしまいました」

 彼は、家事とかで挽回しようとかしなかったんですか?

「Cは、勉強ができても、まるで応用力はない人。どうしようもない人なんですよ。例えば『野菜をさっとゆでて』ってお願いしたら、『何リットルの水に対して何秒間か? 1秒なのか10秒なのか』とか言うんです。そんなマニュアル人間なので、家事とか育児とかは任せずに、たいていは私がやっちゃってました。たまには洗濯を任せたこともあったんですが、仕上がりがひどかった。しわくちゃだし、生乾きで、子どもたちのタオルが全部雑巾臭くなりましたね(笑)」

 Bさんみたいに、せめて貯蓄すればよかったですね。

「家事や育児はできないし、お金は全く入れないしで、私、Cのこと、普段から思いっきりバカにしてました。でも、そういった私の言動が、彼のプライドを思いっきり傷つけたんでしょうね。彼に『バカ、バカ』ってずっと言ったり、手を出したりしました」

 そうした星野さんの“激しい態度”が効を奏したのか。途中から、Cさんは家にお金を入れるようになる。

「途中から、5万円ぐらいは入れるようになりました。でもそれは、自分の居住費込みですからね。最後の方は、16万円入れてくれてました」

 月16万円もくれたら、許す気になったんじゃないですか?

「それよりストレスの方が大きかった。Cを追い出して、そのたびに実家に戻り、また戻ってきて……というのを、最後の何年間かはずっと繰り返してました。同居している間、しょっちゅうケンカしてましたからね。それに娘たちが、とにかくイライラしてました。娘たちにとって、Cは“気持ち悪いおじさん”扱いでした。そのころ2人とも思春期でしたからね。よけい反発が激しかったのかも。結局、Cとは7~8年一緒に住んだけれど、本当に後悔してますね。もっと早く追い出せばよかったって。その後、お金は、今も毎月5万円ずつ受け取ってます。息子の養育費ではありますけど、払ってくれなかった時代の分をもらってるという感じですね」

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