[官能小説レビュー]

「女優」になる夢を抱く女が、“AV女優”という人生を受け入れる過程を描く『少女A』

shojoA
『少女A』(祥伝社文庫)

 最近では、芸能人が引退後にアダルトビデオに出演することも珍しくなくなってきた。アイドル的な活動をするAV女優も増えてきて、普通のアイドルとの境界線が曖昧になりつつあるが、AV女優とアイドルとの決定的な違いは「脱ぐ」ことである。

 不特定多数の人々に裸を晒し、セックスを見せる「AV女優」という仕事は、1本出演しただけでも、その人の一生を大きく左右する。若い頃であれば家族や恋人、結婚して出産したら、夫や子どもは「元AV女優の妻」「元AV女優の母」を持つことになるのだ。

 今回ご紹介する『少女A』(祥伝社文庫)は、女優になる夢を抱いて上京した、ひとりのAV女優の物語である。

 大手芸能プロダクションのオーディションを受けるために上京した主人公の小雪は、幼い頃から児童劇団に入り、子役としてタレント活動をしていた経験を持っている。憧れの女優になるためにオーディションを受けるも、審査員に酷評され、「絶対にトップ女優になってみせる」と啖呵を切り、オーディション会場を飛び出してしまう。

 小雪はその日、街頭でスカウトしてきた井出に連絡をし、芸能プロダクション「リップグロス」と契約をする。しかし、リップグロスはアダルトビデオの女優が所属する事務所であった。

 何も知らずに現場へ行った小雪は、アダルトビデオの撮影だと知り、一度は出演を拒否する。しかし、自分が憧れている女優も、以前はアダルトビデオに出演していたことを知り、出演を決意する。

 恋人を作ったことがない処女の小雪は、一糸まとわぬ姿でカメラの前に立ち、挿入をしない疑似のセックスを演じたのである。

 それから1年、AV女優として、アダルトビデオの出演はもちろん、バラエティ番組などにも出演するほどの人気者となった。井出とは恋人関係になり、自らの夢である「女優」という道へ到達できるように、アダルトビデオに出演し続けていた。

 そんな中、姉である幸美が現れ、小雪がAV女優になったことにショックを受けて、母が鬱病になったことを知らされる――。自分の母を「AV女優の母」にさせてしまった小雪は、家族を捨ててAV女優として生きて行く決意をしたが、井出がほかのタレントと交際をしていたことが原因で、引退してしまう。それから5年、小雪は一児の母となったが――。

 女優になる夢だけを信じて右往左往していた小雪が、引退後に母となり、初めて自分が「AV女優」であった事実と向き合う覚悟をする。ずっと霧のかかったような薄暗い人生を歩んでいた彼女が、否定的だった「AV女優」という過去を受け入れてからの人生は非常に爽快である。

 不特定多数の人々の前で裸になる女性は、強い。本書は私たちに裸で演じる女性の逞しさと誇りを教えてくれる。
(いしいのりえ)

業界への抵抗が薄れている一方で、世間の偏見はいまだ根強い

しぃちゃん



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